iPhoneは小さいながらもコンピュータ。しかも、90年代半ばのスーパーコンピュータに匹敵するほど高性能です。そのオペレーションシステム「iOS」は、スーパーコンピュータに豊富な採用実績を持つUNIX系OSの一派ですから、用途や大きさはどうあれiPhoneは筋金入りのコンピュータという見方もできます。

ときどき再起動すべしという言説は、iPhoneがコンピュータであるという前提を踏まえると、納得できるものになります。

まず、iOSは「サービス」と呼ばれる複数のシステム系プログラムが動作しており、必要に応じて起動/終了されます。画面の描画、ユーザインタフェースの管理、通信機能の管理などさまざまなサービスが存在しますが、ユーザが意識する必要がないよう設計されています。

しかし、なにかのきっかけでサービスの動作に問題が生じることも。それはプログラムの実行領域空間(メモリ)に関するトラブルのこともあれば、プログラム自体に潜む不具合のこともあります。一言で説明するのは困難ですが、重要な機能/サービスから応答がなくなる、なぜかネットワークにつながらない、というサービスに起因するトラブルは起こり得るものです。

問題は、トラブルが発生しても原因の特定が困難なことです。たとえば、なんらかのサービスが異常動作すると、無駄にシステムリソースを使った結果バッテリー消費量が増えたり、動作が緩慢になったりする可能性がありますが、アプリ開発者でないかぎり原因を調べる方法すらわからないはずです。

それを手っ取り早く解決するのが、システムの再起動です。すべてのサービスが終了された後に起動し直されるため、サービスの実行にまつわるトラブルはあらかた解決されます。iPhoneの動作に目立った問題がなくても、1週間に1度、2週間に1度など定期的に再起動すると、トラブルを未然に防ぐことになりますよ。

  • iPhoneはときどき再起動したほうがいい、その理由とは