海外からの観光客が増えています。有名観光地だけでなく、電車などの公共交通機関に乗車していても外国人観光客がたくさん。改札や売店をふと見やると、交通系ICカードを利用している人が多数派ですから、日本の電子マネー事情を研究してから来日していることは間違いなさそうです。

海外在住の友人から日本でのiPhone利用について相談を受けた場合は、まず滞在期間を確認しましょう。国内で使用される無線機器は、電波法第三章に定める技術基準に適合している必要があるため、認証済を示す技適マークが付与された機器でなければ利用できません。基本的に海外で販売されているiPhoneには技適マークがなく、この制約を受けることになります。

ただし、訪日観光客等が持ち込む携帯電話など一部無線機器については、電波法に定める技術基準に相当する技術基準に適合する等の条件を満たす場合かつ入国の日から90日以内に限り、日本国内での利用を認められています。

なお、日本国内の携帯電話事業者による国際ローミングサービスまたはSIMカードで使用する場合は、技適マークが付されていない端末でも利用できます。訪日観光客が使うiPhoneは、ほとんどの場合このケースに該当するのではないでしょうか。

日本で安心して使えるiPhoneということが確認できれば、あとはアプリの準備です。首都圏を中心に観光するのならば、JR東日本が提供する「Welcome Suica Mobile」を利用すると、Apple Payに対応するiPhoneでモバイルSuicaと同等の使いかたが可能になります。有効期間は180日でチャージ残額の払い戻し不可ではあるものの、デポジット不要でApple Payに登録したクレジットカードからチャージできるメリットがありますから、スマートな電車移動ができるはずですよ。

  • 訪日観光客でも使える「Welcome Suica Mobile」が公開されています