AMD Ryzen AI 5/7採用マシンがデルから登場

デルテクノロジーは2025年4月23日、AMD Ryzen AI 5/7を使用したDell Plus 3製品を発表、本日より出荷を開始しました。後日量販店店頭でも販売されます。量販店モデルは今回の発表とは構成が変わる見込み。

発表されたのはクラムシェルのDell Plus 14(本体価格¥149,000~)、Dell Plus 16(本体価格¥154,000~)とDell 14 2-in-1 Plus(本体価格¥164,000~)の三製品でCopilot+PCは欲しいがコスパも求めたいというユーザーにアピールします。

  • 今回の発表はDell PlusのAMDモデルです。製品を紹介しているのはデル・テクノロジーズ株式会社 ジャパンコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタント 松原大氏

  • 発表されたのはDell Plusの14/16インチとDell Plus 14 2-in-1のAMD Ryzen AIモデルと比較的オーソドックな構成。おそらくデルで今年一番売れる製品でしょう

  • メインとなるのはDell 14 Plus。製品構成が2つとメチャクチャ絞ってます。カラーもアイスブルーのみ

  • I/O周りは右がUSB Type-Aとオーディオコネクタ

  • 左がUSB-C×2とHDMIとシンプルな構成

  • 背面もシンプル。冷却ファンは1つだそうです

  • 天板もシンプルです。リサイクル性を考えた設計とのこと

  • 従来の丸電源コネクタが廃されたので、電源もUSB-Cの65W電源

  • Dell 14 Plus 2-in-1。タッチとペン対応です。世界的にメモリ32GBモデルがなく、当面16GBモデルのみの提供です

  • Dell 16 Plus。ディスプレイはこれだけQHD+モデルがあります

冒頭、松原氏は「デルのパソコンのネーミングをシンプルに変えている途中で、本日はDell Plusの第二段になる」と説明。

デルは従来製品ターゲット別にサブブランドを使用し、さらにグレードに応じた数字を割り当てていましたが、今年から個人・SMB向けのDellブランド、エンタープライズ向けのDell Pro、ワークステーションのDell Pro MAXと大きく3つに分け、グレードをBASE(無印)、Plus、Plemiumの3つとシンプルなネーミングに変更しました。今回は個人とSMB向けのDellブランドのちょっと高級版となります。

  • デル・テクノロジーズ株式会社 ジャパンコンシューマー&リテール アソートメントプランナー兼コンサルタント 松原大氏

  • 今年何回か見せられているスライドですが、今回はDell 14/16 Plus と14 Plus 2-in-1の三製品を紹介。ちなみにQ2に旧XPSノートに該当するDell Premiumの発表が予定されています

このDell PlusはすでにIntel Core Ultraの第二世代(コードネーム:Lunar Lake)を採用したIntelモデルが発売中ですが、当時の発表会での率直な感想は「モノはよさそうなんだけど、お値段がだいぶ高い」という事に加え、さらに個人的に言えば「14インチにQHD+はいらないのにFHD+モデルがない」というのが気になっていました。

今回のAMDモデルは16インチのDell 16 PlusのみQHD+パネルが用意されますが、基本はFHD+。そして、価格もリーズナブルに抑えられており、なかなか好感が持てます。

どのモデルも300nitパネルと明るさも十分でキーボードバックライトあり、指紋認証アリで使い勝手の面でもちょうどいいスペックです。IRカメラによる顔認証はありませんが、コスパを考えると致し方ないところでしょう。IRカメラなどを求めるならIntelモデルを購入すればよい、というところでしょうか?

ポートはUSB-C 3.2 Gen2(10Gbps)×2、USB 3.2 Gen1 Type-AとHDMI 1.4、オーディオジャックと非常にシンプルです。これに伴い電源アダプタも65WのUSB-Cアダプタとなりました。

  • Dell 14 Plus(DB14255)の概要。Office 2024 H&Bの追加が可能と延長サポートが10月14日に終了するWindows 10、Office 2016/2019にも焦点を当ててます。カラーはアイスブルーのみ

  • Dell 14 Plus 2-in-1(DB042255)の概要。メモリは16GBモデルのみですが、こちらはアイスブルー以外にミッドナイトブルーのカラーも用意

  • Dell 16 Plus(DB16255)の概要。今回の製品群で唯一QHD+のパネルが選択可能です

性能、過去の互換性(+価格も)競合に負けないとRyzen AIをアピール

今回はゲストとしてAMD 関氏も登場。Copilot+PCにおけるAMD Ryzen AIの魅力について説明しました。

  • 日本AMD株式会社 代表取締役副社長/アジアパシフィッククライアントビジネス開発ディレクター 関路子氏

従来はRyzen AI 9シリーズのみでしたが、今回メインストリーム用途となるRyzen AI 5/7が今回のDell Plusに搭載された、そのほかに150種類以上の製品で採用。性能も競合製品よりも良くコスパに優れた製品であると説明しました。

  • 以前はRyzen 9 AIのみの提供でしたが、メインストリーム向けのRyzen 5/7 AIも出荷開始

  • 現時点でのCopilot+PCで最速のNPUを搭載とAI PCとしての素性をアピールしています

  • 価格の安さだけでなくNPU、CPU、GPUも含めたトータルでも性能をアピール

モデル構成が少なく、製品選びはちょっと悩みそう

今年、Dellはサブブランドを廃止したのですが、昨年InspironとVostroが統合された新Inspironとなりました。この際、個人向けには不要だが法人向けで望まれている機能として「HW TPM」の搭載と共に「メモリスロットの復活」が挙げられていました(参考記事)。

メモリスロットがあれば、個人でも後日メモリ不足を感じた際に増設・換装が可能ですし、企業の場合同一モデルを大量導入することで調達コストを押さえつつ、メモリが必要な部署にはメモリ増強することで対応することができるので喜んでいたのですが、今回のDell Plusは(LunarLakeでメモリ変更ができないIntelモデルだけでなく)AMDモデルにおいてもマザーボード直付けメモリとなります。

これに関して質問したところ「Copilot+PCでメモリ帯域が重要となるので、メモリスロットよりも直付けの方が速度的に有利で、かつ重量を考えるとソケットは厳しかった」という回答でした。

また、最近のDell Plus(や一つ前のInspiron)は構成の幅が狭く、今回でいうとDell 14 Plus(AMD)はRyzen 5 340/16GB/512GBのモデルとRyzen 7 350/32GB/1TBの二択。松と梅モデルの提供で竹モデルが選べず、カラーもアイスブルーのみです。

ちなみにDell 14 Plus 2-in-1はCPUとSSDが紐づき、メモリも16GBのみの提供ですが、カラーはアイスブルーとミッドナイトブルーの選択が可能で4種類の選択となります。 Dell 16 plusはやはりCPU/メモリとSSDが紐づいていますがその上にQHD+モデルが用意されており3種類(こちらもカラーはアイスブルーのみに加え、メモリは16GBモデルのみ)。

今回のDell Plus製品はかなり絞り込んだ商品構成となっており、そろそろ取材持ち出し用InspironをDell Plusに買いなおしたいところですが、「松か梅か」と悩みそうです。