楽天モバイルは4月23日、低軌道衛星とスマホの直接通信によるビデオ通話試験に成功したと発表した。あわせて、衛星とスマホの直接通信サービス「Rakuten最強衛星サービス」を2026年第4四半期(2026年10~12月)に開始することも発表。テキストメッセージの送受信に限らず、動画視聴やSNS、音声通話など、地上の基地局とほぼ同様のブロードバンド通信ができるのが特徴。スマホもほぼすべての機種がそのまま利用できる。料金は未定。

  • 楽天モバイルが、衛星とスマホの直接通信サービス「Rakuten最強衛星サービス」を2026年第4四半期(2026年10~12月)に開始すると発表した。動画も見られるブロードバンド通信が衛星経由で利用できる

米国のAST SpaceMobile社と共同で開発を進めてきた衛星とスマホの直接通信サービス。地上600mの高さに打ち上げられた低軌道衛星はアンテナのサイズがStarlink衛星よりも格段に大きく、出力の小さなスマホからの上り通信を効率よく受信できるよう工夫。通常のLTE(4G)の電波を利用したブロードバンド通信が可能で、SNSの利用や動画再生なども問題なくできる。LTEの電波を使うことから、スマホ側の動作検証も不要で、ほぼすべてのiPhoneやAndroidスマホで利用できるとした。

  • Rakuten最強衛星サービスで利用するAST SpaceMobileの衛星は、Starlink衛星と比べて面積が圧倒的に大きいのが特徴

  • 現在はStarlink衛星では対応していないブロードバンド通信を提供する

  • Rakuten最強衛星サービスは、AST SpaceMobileのBlueBird衛星経由で地上のゲートウェイと通信する仕組み

  • 福島県に設置した地上のゲートウェイ

陸地や領海のカバー率は100%で、山間部や船上など、これまで携帯電話の電波がつながりにくかった場所でも確実につながるようになる。地上の携帯基地局が圏外になったら、衛星通信にスマートに切り替わるという。平常時は楽天モバイルの契約者のみ通信できるが、災害時など特別な状況では楽天モバイル以外のユーザーにも通信を開放する可能性もあるとした。

  • 日本全土に加えて領海も100%カバーし、要望の多かった船員の通信環境も確保できるとした

  • 災害時でも通信できるメリットをアピール。災害時などは他社ユーザーにも衛星通信を開放することも検討しているという

現時点では料金は未定。楽天モバイルの三木谷浩史代表取締役会長は「料金はまだ悩んでいる」と語った。