ボードゲーム「モノポリー」は今年、90周年を迎える。それを記念し、米Hasbroはモバイルアプリを組み合わせた新しい遊び方を導入することを、米ニューヨークで開催された2025 Toy Fair(2025年3月1日〜4日)で発表した。
同社は、2025年8月に「Monopoly App Banking」を米国で発売する。価格は24.99ドル。Monopoly App Bankingでは、モバイルアプリがバンカー(銀行係)の役割を担い、プレイヤーのお金や財産を管理する。プレイヤーはトークン(駒)とそれに合わせた銀行カードを持ち、紙のお金は使用しない。
キャッシュレス版のMonopolyはこれが初めてではない。「Monopoly Electronic Banking」が発売されているが、電卓型のデバイスを用いて会計処理を行う仕組みである。一方、App Bankingはアプリをゲームに統合し、よりデジタル化を推し進めた形となる。近年、現金を持たずに、スマートフォンを使ってお小遣いを管理し、買い物の支払いをする子供が増えている。App Bankingは、そうしたライフスタイルの変化を反映したデザインとなっている。
プレイヤーはスマートフォンやタブレットを所定のスタンドに設置し、基本的にゲーム中はスタンドからデバイスを動かさない。これは、デバイスの画面ではなくボードに集中させるためのルールである。ボードゲームのようなアクティビティを行う際に「スマートフォンはしまっておくべき」という意見が多いことを考慮し、ボードゲームの体験を損なわずにデバイスに明確な役割を持たせるよう工夫した。
プレイヤーは実際のサイコロを振り、止まったマス目に対応するQRコードをスキャンすることで、アプリが自動的に取引や会計処理を行う仕組みとなっている。
子供の計算の練習のためにクラシックなモノポリーをプレイさせている親や教師も多かったため、計算や資産管理の自動化には賛否が分かれる可能性がある。しかし、計算に時間がかかることでゲームの進行が遅くなり、それが敬遠される一因ともなっていた。Monopoly App Bankingは、長時間になりがちなゲームプレイをスピードアップさせる。また、アプリ上でミニゲームを通じて特典を獲得できる仕組みがあるなど、モノポリーをテンポよく、飽きずに楽しめるよう設計されている。