記者の仕事で意外に時間を食われるのが、取材時に録音した音声データの文字起こし。ビジネスパーソンや学生にとっても、会議や講義の文字起こしは手間と時間のかかる作業といえるのでは? 面倒な文字起こしをアウトソーシングして無駄な時間と労力を省きたい…と考える人に響く異色のAIタブレット「iFlytek AI Note Air 2」がMakuakeに登場。お借りして発表会の取材に活用したところ、音声の録音から文字起こし、翻訳までをタブレットだけで完結でき、しかも月々の利用料なしで無料で使えるのが好ましいと感じました。
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時間と手間のかかる「音声録音からの文字起こし」や翻訳をスマートにこなす異色の電子ペーパー搭載タブレット「iFlytek AI Note Air 2」が登場。ノートPCやスマホと一緒に使うと、仕事や学習がはかどると感じた。Makuakeでの早期購入価格は最大20%オフの57,390円からとなる
リアルタイムでの文字起こしや翻訳は便利!
今回登場したAI Note Air 2は、早くからボイスレコーダー搭載翻訳機などを手がけているiFlytekの最新モデル。8.2インチのタッチ式モノクロE-inkディスプレイを搭載したタブレットスタイルの製品で、一見するとKindle Paperwhiteなどの電子書籍端末のように見えますが、単にコンテンツを読むだけではない先進的な機能を搭載しています。
まず特徴的なのが、内蔵のボイスレコーダー機能で録音した音声データをもとに、リアルタイムで文字起こしをする機能。日本語や英語、中国語をはじめ、全14言語に対応しており、さまざまな言語の音声を素早くテキスト化してくれます。日本語と英語の講演で文字起こしを試してみましたが、どちらの言語でも文字起こしの精度はなかなか高く、実用的に使えると感じました。文字起こししたテキストをタップすれば、その部分の音声が再生されるので、不正確だった文字起こしも音声を聞きながら修正できます。
タブレットスタイルのAI Note Air 2ならではの機能が、音声の録音とともに専用スタイラスを用いた手書きメモも書き込めること。手書きメモも文字起こしと同様に、文字をタップすると文字を描いたタイミングの音声が再生されます。図形や計算式などを書き込みたい場合や、手書きでのメモに慣れ親しんでいる人は便利に感じるでしょう。
注目したいのが、リアルタイムでの翻訳機能も備えていること。事前に「英語→日本語」などと翻訳内容を指定しておけば、英語の講演もリアルタイムで日本語に翻訳してテキスト化します。こちらも7つの言語に対応。精度が高い文字起こしと比べて、翻訳の精度はもう一歩でしたが、外国語の講演などをリアルタイムで翻訳してくれると講演内容の理解が深まるので有用だと感じました。
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英語の会話を文字起こししたところ。周囲がざわついた状況だったが、かなりしっかり文字起こししてくれた。会話の音声は「Gadgetouch/ガジェタッチ」YouTubeチャンネルのQuora アダム・ディアンジェロCEOのインタビュー動画からお借りした
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英語を日本語に翻訳した結果。精度はまぁまぁといったところ。「Speaker3」が英語の話者で、Speaker1とSpeaker2は日本語を話す司会者だっため、Speaker3以外はめちゃくちゃな内容となっている
文字起こしした内容をもとに、ChatGPTを利用して議事録を作成する機能も備えています。まずサマリーとして全体の要約を示したうえで、議題の区切りを検出して内容をまとめてくれました。まとめ方も長すぎず簡潔すぎず適当で、議事録作成は実用的に使えると感じました。
気になったのは、文字起こしは設定した単一の言語にしか対応していないようで、異なる言語を話す人がいるとその部分はめちゃくちゃな文字になってしまうこと。文字起こしに設定した言語とは異なる言語が検出された場合、その部分は無視するようにしてほしいところです。
最新スマホのレスポンスに慣れた身には、表示や操作がいささか緩慢なのも気になりました。表示に関しては電子ペーパー搭載タブレットの宿命ともいえますが、レスポンスはソフトウエアのアップデートでの改良を期待したいところです。
料金不要で使えるが、文字起こしや翻訳はクラウド連携が必須
これらの文字起こしや翻訳は、期間の制限なくすべて無料で実行できます。同種の文字起こしや翻訳サービスは、月額やデータ量に応じて課金が発生するサービスがほとんどなので、追加の費用がかからないのはありがたい点といえます。
ただし注意したいのは、これらの文字起こしや翻訳は端末上(エッジ)ではなくクラウドサーバー上で処理すること。そのため、AI Note Air 2がインターネットに接続している必要があります。AI Note Air 2はモバイル通信機能を搭載していないので、外出先などでは事前にスマホのテザリングなどで接続しておかないと「文字起こしされない!?」と焦ることになります。録音さえしておけば、あとでネットにつながった環境で文字起こしできるので心配はいりません。
サーバーは、個人情報保護法が整備されているシンガポールに設置していると公表しており、プライバシー面やデータ保護の問題はないと思われます。ただ、音声データを外部のクラウドサーバーにアップロードすることから、個人情報や社外秘の情報を扱うビジネスパーソンは利用の可否を判断する必要がありそうです。
一般販売価格は71,800円ですが、Makuakeでは最大20%オフの57,390円からの早期購入価格で購入できます。モノクロ電子ペーパー搭載タブレットとしてはかなり高価ですが、時間と手間のかかる文字起こしや議事録作成の手間を大幅にカットできることを考慮すると、忙しいビジネスパーソンは“時間を買う”感覚で導入するのもアリでしょう。
活用はビジネスシーンだけにとどまりません。手書きを交えた音声メモが可能なので、学生は講義のノート取りがはかどりそうです。外国語を勉強している人は、語学学習のPodcastやラジオをスピーカーから流しながらリアルタイム翻訳を実行すれば、より効率的に学習が進むでしょう。
文字起こしや議事録作成、翻訳を丸投げできるAI時代の賢い相棒として、タイパ重視の現代人に響く存在だと感じました。月々の利用料支払いや契約の必要がないので、合格祝いや就職祝いなどでのプレゼントにも喜ばれそうです。