富士通クライアントコンピューティングは1月16日、同社製PC「FMV」シリーズの2025年春モデルを発表した。あわせて、FMVブランドのリニューアルも実施。FMVの名称はそのままに、ロゴのフォントやブランド名、シリーズ名を新しいものへ変更する。

  • FMVシリーズの2025年春モデルが登場。注目はZ世代向けに新開発した「FMV Note C」

FMVロゴのフォントを変更。ブランド名も刷新

FMVブランドのリニューアルでは、「世代、性別、人種を超えて、共通な認識を意図したフォントへ変更」することを目的に、2025年春モデル以降はFMVロゴを新しいフォントへ変更。新しいFMVロゴはPC本体や付属マウス、キーボードのほか、BIOS起動画面や梱包箱に印刷される。

また、これまでノートPCは「LIFEBOOK」、デスクトップPCは「ESPRIMO」としてきたブランド名を、ノートPCで「Note」、デスクトップPCで「Desktop」に刷新する。店頭モデルのシリーズ名も、従来はノートPCの軽量モデルで「UH」、デスクトップPCの液晶一体型で「FH」の名前が付いていたが、それぞれHを省いた「U」「F」とする。

FMVの2025年春モデル、店頭向けは3シリーズ

FMVの店頭向け2025年春モデルは、若年層向けの13.3型ノートPC「FMV Note C」、軽さと性能を兼ね備えた14型ノートPC「FMV Note U」(Copilot+ PC準拠)、液晶一体型デスクトップPC「FMV Desktop F」の3シリーズをラインナップする。

発売日は1月17日。価格はオープンで、店頭予想価格はFMV Note Cが200,000円弱、FMV Note Uが300,000円弱。FMV Desktop Fは27型モデルが320,000円弱、23.8型モデルが230,000円強~250,000円強。

Z世代の社員中心で開発した「FMV Note C」

FMV Note CはZ世代の社員を中心に調査・ヒアリングして企画した13.3型ノートPC。社長直下のプロジェクトとして発足し、「ターゲット世代の感覚で本当に欲しいものを作る」との想いで開発したという。

  • FMV Note C。国内生産にもこだわった

本体デザインは図書館など静かな場所でも使えるファンレス設計で排気口を省き、全体の凹凸を少なくした。カラーはエクルベージュ/ミストグリーン/スモークグレーの3色。閉じた状態からディスプレイを片手で開けられる「ワンハンドオープン」機構を採用する。

構成はプロセッサがIntel Core Ultra 5 134U、メモリが16GB、ストレージが256GB SSD、ディスプレイが13.3型(1,920×1,200ドット)、インタフェースがUSB 3.2 Gen2x2 2基とヘッドホン・ヘッドセット兼用端子など。顔認証機能も搭載する。

バッテリー駆動時間(JEITA 3.0)は動画再生時で約13.9時間、アイドル時で約24.2時間。サイズはW297×D210×H13.9mm、重さは約1,187g。通信はWi-Fi 7、Bluetooth。

機能面ではAIを活用したFMVオリジナルアプリを初期搭載する。オリジナルアプリの1つ「Float Access」は、画面キャプチャ/ウィンドウの最前面固定/クリップボード/ファイル検索の4つの機能を1クリックで呼び出せるもの。ファイル検索はAIを活用し、日付やファイル形式、キーワードなどで必要なファイルを高速で検索できる。このほか、オンライン会議時に自動で顔色などを調整するメイクアップ機能「Umore」や、オンライン会議などの投影資料を自動キャプチャする「Quick Capture」も用意した。

  • カラーはエクルベージュ/ミストグリーン/スモークグレーの3色。キーボードは1mmストロークで、右上に配置した電源ボタンは荷重を重く設定し押し間違いを防ぐ

約848gの軽さを誇る14型のCopilot+ PC「FMV Note U」

FMV Note Uは本体が約848gと軽く、Intel Core Ultra 7 258V(開発コード名:Lunar Lake)を搭載し性能にもこだわった14型ノートPC。高いパフォーマンスとバッテリー駆動時間を備えたIntel Evo エディションに準拠したCopilot+ PCとなる。

プロセッサにはIntel AI Boostと呼ばれる47 TOPSのAI処理プロセッサ(NPU)を内蔵し、会議の音声をリアルタイムで英語字幕に変換したり、画像イメージをテキストから生成したりするなどのAI機能を利用できる。

  • FMV Note U

848gの本体は、軽量化のため天面カバーにカーボン素材、底面カバーにマグネシウムリチウム合金、キーボード面カバーにマグネシウム合金を採用。画面は狭額縁デザインで、14型液晶を搭載しながら13.3型のフットプリントを実現した。

構成はプロセッサがIntel Core Ultra 7 258V、メモリが32GB、ストレージが512GB SSD、ディスプレイが14.0型(1,920×1,200ドット)など。

インタフェースは有線LANポート、Thunderbolt 4×2基、USB 3.2 Gen1×2、HDMI、ヘッドホン・ヘッドセット兼用端子などを搭載。無線通信はWi-Fi 7、Bluetoothをサポートし、顔認証/指紋認証も搭載する。

バッテリー駆動時間(JEITA 3.0)は動画再生時で約15.5時間、アイドル時で約36.0時間。サイズはW297×D210×H13.9mm、重さは約1,187g。本体サイズはW308.8×D209×H15.8~17.3mm。カラーはピクトブラック。

  • 14型ワイド液晶を搭載しながら本体を848gに抑えた

スマートテレビのように操作できる液晶一体型PC「FMV Desktop F」

FMV Desktop Fは、シンプルなデザインで見やすい27型/23.8型の液晶一体型デスクトップPC。

ラインナップは27型のFMV F77-K1、23.8型のFMV F75-K1およびFMV F55-K1の3機種で、従来のESPRIMO FHシリーズと比べ、F77でメモリ容量が32GBに増加したほか、付属キーボードにCopilotキーが用意された。新たにFMV Fシリーズをスマートテレビのように操作できる視聴アプリと専用リモコン「Videoポータルリモコン」も搭載・同梱している。

  • FMV Desktop F。VOD視聴アプリと、FMVをスマートTVのように操作できる専用リモコンが付属する

最上位となるFMV F77の構成はプロセッサが第12世代Intel Core i7-1260P、メモリが32GB、ストレージが1TB SSD、ディスプレイが27型(2,560×1,440ドット)など。

FMV F77のインタフェースは2.5GbE有線LANポート、USB Type-C 3.2 Gen2×1、USB Type-A 3.2 Gen2×2、USB Type-A 3.2 Gen1×1、HDMI入力、HDMI出力、SDカードスロット、ヘッドホン・ヘッドセット兼用端子など。光学ドライブはBDXL対応ブルーレイドライブ。無線通信はWi-Fi 6E、Bluetoothをサポートする。

F77の本体サイズはW616×D189×H437~438mm、重さは約8.0kg。F75とF55の本体サイズはW544×D189×H395~398mm、重さは約6.2kg。

  • 左がFMV F77、右がFMV F75/F55。前面のカメラは顔認証をサポート。一部のインタフェースはフロント側ベゼルに収納されており引き出して使う形だ

このほか直販のWEB MART限定モデルとして、小型デスクトップPC「DH」シリーズ、コンバーチブルタイプの11.6型ノートPC「QH」シリーズも登場している。