Harman KardonからAtmos対応サウンドバー「Enchant 1100」登場
Harman Kardonからは、サウンドバー「Enchant 1100」が日本初導入される。
Enchant 1100は計11基のスピーカードライバーを内蔵した5.1.2ch対応のサウンドバー。スピーカー構成は55×90mm楕円形ドライバーが6基、25mmツイーターが3基、70mmアップファイアリングフルレンジドライバーが2基で、ドルビーアトモスおよびDTS:Xに対応する。
さらに“音のビーム”を使って左右の広がりやサラウンドサウンド成分を部屋の壁や天井に放射し、反射させることでサラウンド効果を高める独自技術「MultiBeam」技術を搭載する。MultiBeamはJBLブランドのサウンドバーにも搭載されるが、ハーマングループの独自技術として本機にも採用されたとのこと。バージョンとしてはJBLサウンドバーのフラグシップ「BAR 1000」と同様のものだという。他にも独自のアルゴリズムで声やセリフを明瞭に再生する「PureVoice」などJBLサウンドバーと共通する機能を搭載する。
デザイン面では、筐体両端のツイーターを隠さずあえて露出させたり、フロントやトップをファブリックで覆うなどでインテリア性を高めた。またテキスタイルには再生ポリエステル糸100%素材、ストリップ部には再生アルミニウム100%素材、フレームには85%再生プラスチック素材を使用するなど環境に配慮した設計が施されている。
この他、部屋のレイアウトや設置場所に合わせてサウンドを自動調整するキャリブレーション機能を搭載。総合出力は315Wで、周波数特性は52Hz〜20kHz(-6dB)。入出力はHDMI1入力、HDMI1出力(eARC対応)、光デジタル入力、Bluetooth、Wi-Fi、Ethernetをサポートする。サイズは1150W×65H×130Dmmで、質量は7.2kgとなる。カラーはブラックのみ。
担当者によれば、Harman Kardonのサウンドバーを日本展開する構想は以前からあったそうだ。VODサービスの流行に伴って映画コンテンツを家で楽しみやすい土壌が形成され、ドルビーアトモス対応サウンドバーの需要が高まったことが、導入の大きな要因になったという。JBLのサウンドバーに対するEnchant 1100の立ち位置だが、最上位のBAR 1000、続く「BAR 800 」がリアスピーカー一体型+サブウーファーセットで、ミドルクラスの「BAR 500」がサブウーファーセットのため、現在のラインナップで唯一のワンバータイプ「BAR 300」の上位のような位置づけになるとのこと。
Enchant 1100はEnchantシリーズとして2世代目にあたり、海外ではEnchant 900という下位モデルも展開されている。来春には低音強化が図れるワイヤレスサブウーファー「Enchant Sub」も発売予定とのことで、国内でのHarman Kardonのサウンドバーラインナップ展開に期待が高まる。
ちなみに、Harman KardonのポータブルBluetoothスピーカー「ONYX STUDIO」からも第9世代となる「ONYX STUDIO 9」の登場が予告された。シリーズの最新モデルが日本で登場するのは、「ONYX STUDIO 6」以来となる。ONYX STUDIO 9ではシリーズを象徴する円形デザインに3基のツイーターと1基のウーファーを内蔵。左右チャンネルのユニットを横向けに配置して面全体でサウンドを鳴らすことで、部屋中に音を届けるワイドなスイートスポットを実現したとする。
本機は内蔵バッテリーにより最大8時間の再生が可能。AURACAST対応で、JBL「GO 4」など対応デバイス同士をブランドを超えて連携できることも特徴となる。
こどもの耳を守る“スマートこどもヘッドホン”、クラファン開始
JBLの新たな取り組みとして、ノイズキャンセリング搭載こども向けヘッドホン「JBL JUNIOR 470NC」(以下、JUNIOR 470NC)のクラウンドファンディングプロジェクトが、GREEN FUNDINGにて10月から始まっている
JBLではスマートフォンやタブレットの使用が影響する「スマホ難聴」が世界的に問題となっていることに注目。スマホ難聴は、低年齢からスマホを使い始めるほど、音量が大きいほど、聴く時間が長いほど悪影響であることから、こどもの頃から予防することが重要となる。
このことから、JBLは最大音量を85dBに制限したこども向けヘッドホンの「JUNIOR」シリーズを展開している。JUNIOR 470NCは同シリーズ最上位にして、従来のオンイヤー型からアラウンドイヤー型に変更した点が大きな特徴だ。
これはオンイヤー型ではどうしても外音が耳に入るため、音を聴き取るために結果として音量を上げてしまうケースが多いことから、密閉性の高いアラウンドイヤー型への変更に至ったとのこと。加えて、ノイズキャンセリング機能も搭載し、音量を上げずともコンテンツの音を聴き取りやすくしている。
また「JBL Headphones」アプリから使用状況をモニタリングしたり、指定した時間が過ぎたら警告するなどの機能を利用することができる。
ただし、こうした設計にはコストが掛かってしてしまう側面もある。そのためクラウンドファンディングという形を採ることには、機能性の高いこども向けヘッドホンの市場性を問う狙いもあるという。GREEN FUNDINGのプロジェクト告知ページでは現在、LINEの友だち追加による事前登録が開始されている。またプロジェクト期間中は、二子玉川 蔦屋家電内「蔦屋家電+」およびSHIBUYA TSUTAYA 4階 SHARE LOUNGE内「GREEN FUNDINGタッチ&トライ」ブースにて製品展示される予定だ。
“映画館のスピーカー”手がけるJBLからAVアンプ初登場
JBLブランドとして初めてのAVアンプ「JBL MA」シリーズの登場もトピックだ。ラインナップは9.2ch AVアンプ「JBL MA9100HP」と、7.2ch AVアンプ「JBA MA710」の2機種。JBLのスピーカーは数々の映画館で採用されているが、その“映画館の音”をトータルで提供するべく、AVアンプがリリースされた格好となる。
上位機のJBL MA9100HPは9チャンネルのクラスDアンプを備え、ドルビーアトモスおよびDTS:Xデコードに対応。最大7.2または5.2.4チャンネルをサポートする。定格出力(2ch同時駆動、0.5%THD)は240W/4Ω、140W/8Ωで、HDMI入力6系統/出力2系統(うち1つはeARC対応)を装備。
再生音源のジャケットなどの情報が表示できる液晶ディスプレイを搭載するほか、フロントパネルの下部にJBLのイメージカラーであるオレンジのダウンライトを配置。シーンに応じてオン/オフを切り替えられる。
一方、JBA MA710は7チャンネルのクラスDアンプを備え、こちらもドルビーアトモスおよびDTS:Xデコードに対応。最大7.1または5.2.2チャンネルをサポートする。定格出力(2ch同時駆動、0.5%THD)は160W/4Ω、110W/8Ωとなり、HDMI入力6系統/出力系統(eARC対応)を搭載する。
それぞれHDMI規格はHDMI 2.1で、Gaming-VRR、ALLM、QFT、HFRなどの機能をサポートし、著作権保護技術HDCP2.3に対応。8K/60p、4K/120pの映像信号が伝送できるほか、HDR規格は従来のHDR10+およびドルビービジョンに対応する。
両モデルともApple AirPlay2、Google Chromecast、Spotify ConnectによるワイヤレスストリーミングとBluetooth接続に対応。JBL MA9100HPはBluetooth送信機能も備え、Bluetoothイヤホンやヘッドホンに音声を飛ばすこともできる。またJBL MA9100HPでは別途ライセンスが必要だが、Dirac Liveにも対応する。
両モデルはMM対応フォノ入力を備えることも特徴で、同ブランドのアナログプレーヤーとの接続やスマートフォンからの伝送など、家庭の中心となるリビングに設置して、家中の音楽のハブとして活用できるとする。
リビングユースはデザインの面でも意識されており、従来のAVアンプがオーディオ機器然としたブラックカラーに、サイズが大きいものも多いのに対して、MAシリーズではサイズを抑えたホワイトカラーの筐体を採用。さらにスピーカー「STAGE 2」シリーズに新色「Latte(ラテ)」を同時展開する。
ゲーミングやオートモーティブ分野にも注力
その他、JBLのゲーミングデバイス「Quantum」シリーズの新モデルも登場。低遅延なワイヤレスヘッドセット「Quantum 360 WIRELESS」は、2.4GHzワイヤレス接続に対応した「JBL Quantum 350 WIRELESS」の後継機種で、新たにBluetooth接続機能も備えたデュアルワイヤレス対応モデルとなっている。
有線モデルでは、ハイレゾ対応の8.6mmドライバーを搭載したUSB-Cおよび3.5mm接続可能なイヤホン「Quantum 50C」、交換可能なメッシュ素材のイヤーパッドを新採用したヘッドセット「Quantum 100M2」の2モデルが展示された。
さらに、会場にはスバルのレガシィ アウトバックにHarman Kardon、トヨタのランドクルーザーにJBLのサウンドシステムを搭載したコンセプトカーを用意。2025年から2026年の量産に向けて開発中だというヘッドアップディスプレイの展示など、オートモーティブ分野にも注力していることをアピールした。