確かに、iPhoneには「マイクモード」があります。iOS 15のとき追加された音声通話関連機能で、マイクで拾った音を状況に応じて調整します。コントロールセンターからモードを変更できますが、音声通話中でなければボタンが表示されないため、存在に気付かないかもしれません。

マイクモードには、iOS 15以前と同等の通話ノイズキャンセリングを行う「標準」にくわえ、「声を分離」と「ワイドスペクトラム」の計3種の設定が用意されています。

「声を分離」を選択すると、周囲のノイズを低減するとともに自分の声を明瞭化します。駅のホームなど環境ノイズが多い場所で音声通話するときでも、声が周囲の雑音に埋もれてしまうことがありません。騒がしい場所で音声通話するときは、雑音に負けないよう大声を出しがちですが、声を分離モードを選択しておけばその必要はなくなります。

「ワイドスペクトラム」は、近くの大きい音も遠くの小さい音もまんべんなく聞こえるよう、マイクで集めた音をAIが加工するモードです。コンサートや夏祭りの雰囲気・臨場感を通話相手に伝えたいときなど、人の声以外の音も意味がある場面で利用します。

ただし、マイクモードを変更できるのはiOS 15以降、iPhone XS/XR以降のモデルに限られます。電話(セルラー通話)のとき「声を分離」を使うには、iOS 16.4以降が必要です。「ワイドスペクトル」もFaceTimeオーディオなどの音声/ビデオ通話アプリでしか利用できず、セルラー通話には非対応です。

  • 音声通話に対応する一部のアプリを実行しているときに「マイクモード」を変更できます