アプリの設定画面で位置情報について調べていると、「正確な位置情報」というスイッチがあることに気付くはず。このスイッチをオフにするとアプリはおおよその位置情報しか判断できない、という説明文が添えられていますが、具体的にはどうなるか、気になりますよね。

位置情報を扱うアプリの設定画面で「正確な位置情報」スイッチをオフにすると、そのアプリが位置情報を必要としたとき、実際にユーザーがいる位置から数キロメートル程度ズレた経度/緯度情報が渡されます。マップアプリでは、現在地を示す小さな青い丸が表示されなくなり、代わりに現在地が含まれるであろう半径数kmの大きな水色の円が表示されるようになります。

マップアプリでは、ルート案内を開始するときの現在地を指定するために、正確な位置情報が必須とされています。そのため、目的地を決めてルート案内を開始しようとしても、正確な位置情報の使用を1度だけ許可することを求めるダイアログが現れ、許可しないことにはルート案内を開始できません。「正確な位置情報」スイッチをオンにしないかぎり、マップアプリの機能は大幅に制限されることになります。

記事の投稿に現在地情報を添えるアプリにも影響があります。Facebookを例にすると、チェックイン機能(自分がいる場所を投稿に表示してフォロワーに知らせる機能)の精度が大幅に低下し、ボタンをタップしても離れたエリアにある施設ばかり候補に現れるようになります。

「正確な位置情報」スイッチをオフにすると、現在地の情報を曖昧にできるためプライバシー保護にはなるものの、アプリの利便性が低下するというデメリットが生じます。特別な理由がないかぎり、このスイッチはオンのままにしたほうがいいでしょう。

  • 「正確な位置情報」をオフにすると、プライバシー保護は強化されるもののさまざまなデメリットが生じます