◆Metro Exodus PC:Enhanced Edition(グラフ78~84)

Metro Exodus PC:Enhanced Edition
4A Games
https://www.metrothegame.com/

ベンチマーク方法はこちらのMetro Exodus Enhanced Editionの項に準じる。設定は

Shading Quality:Ultra
Ray Tracing:High
Reflections:Hybrid
Variable Rate Shading:4x
Hairworks/Advanced PhysX:Off
Tesselation:Full

とした。

  • グラフ78

  • グラフ79

  • グラフ80

  • グラフ81

  • グラフ82

  • グラフ83

  • グラフ84

さてまず結果(グラフ78~80)を見るとCore i5-14600Kのデータが酷い事になっているのだが、実はこれCore i5-14900Kも同じであって、何でかは判らないがとにかく煩雑にフレームレートが落ちる。これ実際に見てても明らかに動作がおかしいレベルである。フレームレート変動(グラフ81~84)にもこれは反映されており、このグラフでもかなり激しい結果になっているのが判るのだが、実際にはもっと煩雑にフレームレートが10Hz台まで落ちる(Photo21)結果になっている。ゲームの方は特にUpdateは無いし、Ryzenプラットフォームでは正常に動いているところを見ると怪しいのはディスプレイドライバであり、その意味ではAdrenalin Edition 24.7.1 WHQLを使うと改善される可能性はあるのだが、今度は全データの取り直しが発生するので今回は見送らざるを得ない。とりあえずMetro Exodus PC:Enhanced Editionに関して、Core i5-14600K(と次の原稿で示すCore i9-14900K)の値は無視して頂きたい。

Photo21: 生データで言えば9100強のサンプルがあり、これをそのままグラフにするとExcelが死んでしまうので、0.5秒毎の平均を取ったのがグラフとして示しているフレームレート変動である。もう少し平均の間隔を狭める(多分このグラフは0.1秒毎)と、こんな具合に激しい事になる。

で、Ryzen 4製品のみで比較すると、2Kに関してはやはりRyzen 9000シリーズが他より若干(本当に若干)であるがフレームレートが高い。どの辺が? ということでフレームレート変動を見ると2K(グラフ81)で開始から25秒目あたり、比較的負荷が低いあたりでのみ差が出ている(あとは25秒付近のちょっと負荷が高いところでの落ち込み具合の差)。一番負荷が高い75~90秒付近はもうGPUがボトルネックなのかあまりフレームレートの差は見えない感じで、総じて大きな差とは言えないが、それでも多少なりとも違いがあるのは間違いない。2.5K以上はもう完全に1本の線になってる感じなので、まぁ差がでるのは2Kだけといったところだ。

◆Shadow of the Tomb Raider(グラフ85~91)

Shadow of the Tomb Raider
SQUARE ENIX
https://tombraider.square-enix-games.com/en-us

ベンチマーク方法はこちらに準じる。設定は

Quality:Highest
Ray Tracing:Off

とした。XeSSも無効化している。

  • グラフ85

  • グラフ86

  • グラフ87

  • グラフ88

  • グラフ89

  • グラフ90

  • グラフ91

これまでのテストに比べると気持ち良いくらいに性能差が出たのがこちら。まず結果(グラフ85~87)を見ると2.5Kあたりまで明確にフレームレートが分離している。最高速はRyzen 7 7800X3Dで、これにRyzen 9000の2製品が続く。Ryzen 7 7600XもCore i5-14600Kよりは高速ではあるが、Ryzen 9000シリーズとの差は明確にあり、逆にRyzen 9000の2製品に殆ど差が無いあたりはSingle Thread性能が効果的に効いているということだろう。

フレームレート変動(グラフ88~91)もこれを裏付ける格好である。2Kのケース(グラフ88)で言えば、そもそも40秒あたりまでもグラフが分離している(ここでRyzen 5 7600XのフレームレートがRyzen 9000並の場合とCore i5-14600K並の間を行き来しているのがちょっと面白い)。その後80秒あたりまでは接近するが、その先の120秒あたりまでで描画負荷が軽くなるのか、急にフレームレートがあがるところでは5つのCPU毎に見事にグラフが分離しており、この辺がCPU性能を如実に示していると見てよいかと思う。130秒あたりからまた分離するわけだが、ここもそれなりに性能差が示されていると思う。

2.5Kはもう少し差が小さくなっているが、それでもCPU性能の差は明白である。

一言書いておけば、平均フレームレートが一番低いCore i5-14600Kでも普通にプレイするには十分な性能が出ているのは間違いない。あくまでもその上での性能比較である。

◆Tom Clancy's The Division 2(グラフ92~98)

Tom Clancy's The Division 2
Ubisoft
https://www.ubisoft.co.jp/division2/

ベンチマーク方法はこちらの"Tom Clancy's The Division 2"に準ずる。設定は

品質:ウルトラ

とした。

  • グラフ92

  • グラフ93

  • グラフ94

  • グラフ95

  • グラフ96

  • グラフ97

  • グラフ98

久々のThe Division 2であるが、結果(グラフ92~94)を見ると性能差が明確に出るのはまぁ2Kのみといった感じである。Core i5-14600Kなど、ほぼ2Kと2.5Kが同じフレームレート、というあたりは判りやすい。で、ここではRyzen 7 9700KがRyzen 7 7800X3Dを抜いてトップに立っているという珍しい構図であり、そのRyzen 7 7800X3DにRyzen 5 9600Xが肉薄しているあたりもかなり興味深い。Ryzen 5 7600Xとは10fps以上の差があるから、これは間違いなく大きな違いとして良いかと思う。

フレームレート変動を見ても、2K(グラフ95)では、差は大きくないとは言えほぼベンチマーク全体を通してグラフが分離しており、この辺で性能差は明白である。面白いと言えば、前半はRyzen 7 9700Xが、後半はRyzen 7 7800X3Dがそれぞれ優勢であるが、トータルするとRyzen 7 9700Xの方が上という構図になっている事だ。無条件でRyzen 7 9700XがRyzen 7 7800X3Dを上回っている訳ではない、というあたりは3D V-Cacheが依然として有利なシーンがあるという話でもある。ただ2.5K~4K(グラフ96~98)は次第に1本の線に収束してゆくあたりは実に判りやすい。

◆Watch Dogs:Legion(グラフ99~105)

Watch Dogs:Legion
Ubisoft
https://www.ubisoft.co.jp/wdlegion/

ベンチマーク方法はこちらの"Watch Dogs:Legion"に準ずる。ちなみに設定は

Quality:Very High
RT Reflection:Off

とした。

  • グラフ99

  • グラフ100

  • グラフ101

  • グラフ102

  • グラフ103

  • グラフ104

  • グラフ105

ということでベンチマークの最後はこちら。このテスト、Ryzen 7 7800X3D(やRyzen 9 7950X3D)では異様にフレームレートが伸びるというのは過去に実証済であり、結果(グラフ99~101)を見ると今回もRyzen 7 7800X3Dが圧倒的なフレームレートを示しているが、それはともかくとしてRyzen 7 9700Xがかなり健闘しているのも特徴的である。逆にRyzen 5 9600XはRyzen 5 7600Xと大差ない(一応フレームレートで言えば1fpsほどの向上はある)あたりは、コアの数も関係してくるのかもしれない(それにしてはCore i5-14600Kが伸びないのが気になるが)。一応3KあたりまではCPUによる性能の差があるあたりは、CPUがボトルネックになりやすいテストではある。もっともこれは描画オプションをVery Highに落としているから、という面もありそうだが。

フレームレート変動(グラフ102~105)を見ると、例えば2K(グラフ102)でRyzen 7 7800X3Dはもう他と完全に分離している。Ryzen 7 9700Xは、Ryzen 5 7600X/Ryzen 5 9600Xと絡んでるシーン(50~70秒あたり)もある一行、0~50秒では明確にグラフが分離するなど、それなりに性能の違いが効いている部分もある事を示しており、この辺はコアの数が何かしら影響しているのかもしれない。4K(グラフ105)では見事に1本の線となるが、その手前の3K(グラフ104)だと0~30秒あたりと80~90秒あたりは明確に分離しており、描画負荷が軽いところではCPU性能が結構効きやすい事が伺い知れる。