レノボ・ジャパンから7月2日に発売されたAndroidタブレット「Lenovo Tab Plus」をメーカーからお借りし、1週間ほど試用しました。強力なスピーカーを搭載しスタンドまで内蔵しているという、動画視聴にはぴったりなタブレットです。
Lenovo Tab Plusは2,000×1,200ドットの11.5インチIPS液晶ディスプレイを備えるタブレット端末で、OSはAndroid 14。SoCはMediaTekの「Helio G99」を採用し、メモリは8GB(LPDDR4X)、内蔵ストレージは256GBとなります。USB Type-C端子とイヤホンジャックを備え、microSD(最大1TB)に対応します。
まず外観で目を引くのは、一般的なタブレット端末に見られるシンプルな板状のフォルムではなく、横向きにした際に下側に来る部分だけが厚くなった非対称のデザインとなっていることです。
レノボのAndroidタブレットといえば「YOGA TABLET 8」など10年以上前からこういった非対称フォルムでスタンドを内蔵した機種が継続的に投入されているので、お馴染みといえばお馴染みの仕様ではあります。
しかし、Lenovo Tab Plusの場合は単にスタンド機能のために設けられた突起ではなく、このスペースを使って8基ものJBLスピーカーで構成されるタブレットとしては大がかりなサウンドシステムを搭載してきたことがポイント。
重低音が効いた迫力のあるサウンドで音量もかなり出せるので、室内に限らずアウトドアのお供としても活躍してくれるでしょう。
なお、Yoga Tab系のような「極薄の本体に、グリップやスタンドの役割を担う円筒形の部分がついている」姿をイメージすると少し想像と違うかもしれません。Lenovo Tab Plusの場合は表面積の半分近くが盛り上がっており、厚さは7.8~13.6mmということで薄い部分でも昨今のミドル以上のAndroidタブレットとしてはやや厚めでスマホ並みの厚さ。そして重量は650gもあります。
スピーカーを使ってこそのキャラクターと相まって、日常的に携帯するというよりは家の中で使うか、ここぞというレジャーの場面で持ち出すぐらいの感覚です。大柄なだけあってバッテリーも8,600mAhと大容量ですから、電源を取れない場所でも思う存分楽しめます。
ディスプレイは昨今のプレミアム路線のタブレットに多い有機ELではなく液晶ですが、画質は十分納得できるもので、安価なタブレットにありがちなギャップによる周囲の影も目立ちません。
本製品に搭載されるHelio G99は6nmプロセスで製造される2022年発表のミドルレンジ向けSoCで、CPU/GPU性能の低さは気になるところ。ゲーム用途には向きませんが、あくまで動画・音楽などのメディアプレイヤーとして使うなら問題なく使えるラインです。
同価格帯の選択肢としてはたとえばSnapdragon 870搭載の「Xiaomi Pad 6」などが挙げられ、そういったコスパ重視の機種でもクアッドスピーカーぐらいは当たり前に搭載されていておまけに薄型軽量という実状を考えると、性能的にはやや割高感は拭えません。大型スピーカーや大容量バッテリー、スタンド内蔵といった点にどれだけ付加価値を見出せるか次第でしょう。