Apple ArcadeやXbox Game Pass、GeForce NOWなどのクラウドゲームはもちろん、PlayStationやSteamなど、さまざまなプラットフォームのゲームがiPhoneで遊べるようになっているなか、画面に表示された仮想コントローラーの操作性に物足りなさを感じているユーザーも多いだろう。

かといって、別途ワイヤレスのコントローラーを接続するのも仰々しいし――。といった問題をサクッと解決してくれるのが、モバイルゲームコントローラーの「Backbone One」だ。

80カ国を超える国々で展開しており、“世界中で最も売れているスマホコントローラー”を謳っている。2024年からは、家電量販店などに販路を拡大し、日本の本格的な展開をスタートさせた。

「Backbone One」をiPhoneと合体させると、まるで「Steam Deck」や「ROG Ally」のようなポータブルゲーム機に様変わり。今回、第2世代になってケースをつけたままでも脱着可能になった「Backbone One」を体験してみた。

なお、レビューで使用したのはLightningタイプの「PlayStationエディション」。USB Type-Cタイプや、ブラックカラーなど、iPhoneのモデルやお好みのカラーに対応した4モデルが販売されている。

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    お世辞でも操作性がいいとは思えない仮想コントローラー

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    「Backbone One」の内容物は非常にシンプル。本体と取説、ケースのサイズで使い分ける変換アダプターのみ

「iPhone 6s」以降のLightningモデルに全対応!

「Backbone One」Lightning版の魅力は、なんといっても対応機種の多さだ。2015年に発売された「iPhone 6s」から、Lightning採用の最終モデルである「iPhone 14」シリーズまで対応。筆者が使用しているの「iPhone 11 Pro」も、もちろん対応している。

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    「iPhone」を装着する部分は可変式になっていて、左右のコントローラー部分を持ちながら引っ張れば、簡単に幅を変えられる

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    「iPhone」を装着すれば、スプリングでがっちりホールドしてくれる

特筆すべきは、ケースをつけたままでも装着できること。第1世代の「Backbone One」はケースをつけたまま装着することが推奨されていなかったり、物理的に装着できなかったりしていたようだが、第2世代からはその欠点を克服した。アタッチメントの変換アダプターを使用することで、さまざまなサイズのケースに対応する。

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    これが変換アダプター。既存のアダプターと交換することで、厚みのあるケースでも装着したまま取り付けることができる

しかしこのアダプター。初見では取り外すのがなかなか難しかった。コツ知っていれば一発で取り外せるので、公式サイトで紹介されている動画で確認してほしい。強力なマグネットでくっついているので、一度離れれば簡単に取り外せるようになる。

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    手前にある3本のくぼみに爪を引っかけて、矢印の方向に引っ張る

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    すると、このように手前から取り外せるようになる。同様に左側のアダプターも取り外せる。ケースが干渉してしまう場合は、左右のアダプターを外すといいだろう

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    変換アダプターに換装すれば、こんな感じでケースを付けていてもきれいにフィットする!

How to use your Backbone One (2nd Gen) with compatible cases

小ぶりなスティックはPlayStation Vitaさながらの操作性

スティックや方向キーはもちろん、LRボタン、LRトリガーなど、コンシューマー機に標準搭載されているボタンはあらかた集約されている。やや小ぶりなスティックだが、2011年に一世を風靡した携帯ゲーム機「PlayStation Vita」に近いサイズ感だ。

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    上が「PlayStation Vita」で下が「Backbone One」。見れば見るほどそっくりだが、スティックの配置はXbox Series X|S系の配列

一般的なコントローラーに比べると、若干スティックの小ささに違和感を覚えるが、操作しづらいわけではない。また、トリガーボタンはもちろん、スティックの押し込みにも対応しているのはうれしいポイントだ。

イヤホンジャックやLightningコネクターも完備。手持ちのヘッドホンが使用可能で、「Backbone One」を装着しながら充電できるのも魅力だろう。

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    左がイヤホンジャックに右側がLightningコネクター。コントローラーの下側から接続する

個人的に気に入ったのは、スクリーショットと録画ができるボタン。後述する専用アプリを入れることで、iPhoneの画面のスクリーショット撮影や、録画ができるようになる。ゲームを攻略中、ちょっとしたメモとして画面をキャプチャーしたいときや、大切なシーンを録画しておきたいときに便利だ。

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    方向キーの下にある正方形のアイコンのボタンがスクリーンショットボタン。親指が届きやすい場所にあるのも◎

iPhoneがゲーム機になる専用アプリが便利

「Backbone One」の真骨頂は専用アプリとの連携だ。「Backbone One」は装着しただけでiPhone側で認識するので、Steam Linkやゲームパッドに対応したゲームで使用できるが、専用アプリをインストールすることで、さらに細かい設定ができるようになる。

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    本体右側のオレンジのボタンは専用アプリへのショートカット。専用アプリがインストールされていれば、このボタンからワンボタンで起動できる

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    アプリを起動するとクラウドゲームやダウンロード可能なゲームがずらり。これはテンション上がる!

何がすごいって、PlayStationやXbox Series X|Sのリモートプレイや、GeForce Nowといったクラウドゲームに対応して一括管理できる点。これらのクラウドゲームはiPhoneのスペックよりも、母艦となるPCや回線に依存されるので、フラッグシップのiPhoneでなくても、最新のゲームがプレイできる。

そういった数々のタイトルを携帯ゲーム機のようなクオリティーの操作感で楽しめるようになるわけだ。「Backbone One」は気軽さと操作性のバランスがちょうどいい感じと言えるだろう。

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    Steamは通常のコントローラー接続時と同様、別途「Steam Link」のアプリ側で管理することになる。「ストリートファイター」シリーズ最新作の『ストリートファイター6』もiPhoneでプレイできる!

なお専用アプリでできることは主に下記のとおり

・クラウドゲームやApple Arcadeのゲームをランチャーとして管理できる
・ゲーム中のスクリーンショットや動画を管理
・Twitchを配信
・友人とパーティチャットや画面の共有(フレンド登録も可)
・「Backbone One」の各種設定
・Backbone One+のサブスクリプション登録で追加機能をアンロック

まるでコンシューマー機のように配信の管理や動画の管理ができるのは大きい。また、Backbone One+のサブスクリプション登録することで、「Backbone One」をPCやMac、iPadで通常のコントローラーとして認識させたり、$35相当以上の特典やゲーム内報酬がもらえたりできる。

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    無料版(左)とメンバーシップ版の違い(右)

ちなみに、ホーム画面に表示された「Backbone One+を試してみましょう」をいうアイコンをクリックすることでBackbone One+メンバーシップの機能を無料でお試しすることができた。

しかし、公式サイトを確認してもBackbone One+メンバーシップの料金が確認できるページを見つけることができなかった。いつまで無料で楽しめるのか、実際の月額料金がいくらなのかが、専用アプリ上でも公式サイト上でも確認できず、この辺が若干不親切というかわかりにくい部分はあるが、専用アプリ自体は洗練されたUIで使いやすい印象だ。

リモートプレイやクラウドゲームを気軽に楽しみたいならアリ!

コンパクトでiPhoneと一体化できるうえ、仮想コントローラーよりも断然操作性がアップする「Backbone One」。個人的にはSteam Linkなど、リモートで気軽にゲームが楽しめるのが大きいと感じた。

しかし、リモートプレイやクラウドゲームはiPhoneの性能に依存しないものの、通信環境によってプレイの品質が左右されるため、環境によってはパフォーマンスが極端に落ちることもあるだろう。

2024年7月現在はApple Storeでレトロゲーム機のエミュレーターが解禁されており、マルチエミュレータシステム「RetroArch」のiOS版もリリースされている。自身でオリジナルのゲームのデータを吸い出せれば、iPhoneでレトロゲームを快適に楽しめるツールになるのではないだろうか。

通常価格は19,800円と、iPhoneのコントローラーとしてはやや高めだが、Apple Arcadeの3カ月プレイ権が付いていたり、セールでは30%OFFで販売されていたりすることもあるので、セール時に購入できればよりお得に楽しむことができるだろう。

クラウドゲームやリモートプレイはもちろん、Apple Arcade内のゲームをバリバリ遊びたいといたユーザーにもおすすめしたいアイテムだ。

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