Lux Opticsは5月29日(米国時間)、iPhone用のビデオ・アプリ「Kino」をリリースした。同社は、iPhoneの手軽さとシンプルな操作で、プロのニーズにも応える本格的な写真撮影を行えるカメラ・アプリ「Halide」で高評価を得ている。Kinoも、初心者から上級者まで撮影レベルと問わず、パワフルな撮影機能を利用できるアプリとなっている。価格は19.99ドルで、5月31日まで発売記念価格9.99ドル(1500円)で販売される。

Lux OpticsはKinoの開発理念を「映画のような素晴らしい映像を簡単に作れるようにし、同時にプロにとって十分にパワフルなアプリを提供すること」としている。シンプルなユーザーインターフェイスでありながら、完全なマニュアルコントロールを実現している。

Kinoの開発は、AppleがiPhone 15 Pro/ iPhone 15 Pro MaxにLog(Apple Log)対応を追加し、詳細な調整が可能になったことから始まった。Logは人の目で見える範囲を超えてダイナミックレンジをデータとして広く記録する。明るい部分や暗い部分の詳細が保持されるため、白飛びや黒つぶれを防ぐことができ、ノイズを抑えられ、カラーグレーディングの自由度が広がる。Logを使いこなすことで、通常のカメラ撮影では難しい深みのある映像表現が可能になる。

Kinoでは、「Instant Grade」を利用して、自由度の高いグレーディングを簡単に活用できる。プロクリエイターからの提供を含むグレード・プリセットがバンドルされており、それらをワンタップで適用できる。また、業界標準のLUT(Look Up Table)をサポートしており、.cubeファイルで販売または共有されている色味やコントラストの調整をインポートして利用できる。

Kinoは、映画のようなモーションブラーに最適な露出設定を自動的に選択する「AutoMotion」を搭載している。デフォルトでiPhoneは鮮明な画像を撮影しようとするが、AutoMotionを使用することで、動きや躍動感のある映像を簡単に得ることができる(AutoMotionを使用できる場合、Autoインジケータが点灯する)。

Kinoのユーザーインターフェイスは、録画ボタンの周囲にインタラクティブ要素が集められており、縦横どちらでも親指が届く範囲で主な操作を行える。録画中の誤タップを防ぐことに注意を払ったデザインになっており、例えば、露出調整はファインダーを下にスワイプして調整ダイヤルを表示させる。

初心者からプロまで、レベルに合わせてKinoを活用できるように、ユーザーが最初にアプリを使用する際に経験レベルを選択する。それにより、デフォルトで利用できる設定が調整され、「カメラ」アプリからのユーザーはシンプルなスターター設定で、撮影知識のあるユーザーはより細かなマニュアル調整が可能な設定でアプリの使用を開始できる。