日本でも次々とスマートウォッチの新製品をリリースしているファーウェイ。実はスマートフォンも海外で販売しています。パリにあるファーウェイストアを訪問して、現在どんな製品が売られているかを見てきました。
ファーウェイのパリのお店はオペラ座エリアにあります。古い建物をそのまま活かした店舗はパリではよく見かける光景です。訪問日はあいにくの雨模様でしたが、店内は明るく日本では見られない最新製品が並べられていました。
店内にはミニギャラリーエリアもあり、絵画が飾られています。またパリ全区を表す模型も。ゆったり座れる椅子もあるので、パリのショッピングの合間に休憩がてら立ち寄るのもいいでしょう。
スマートフォンの展示もいくつかありました。ファーウェイのスマートフォンはGoogleサービスの代わりにファーウェイ独自のサービスが提供されていることからやや使いにくい部分もあるのですが、特徴的な製品を多く出しています。「Mate Xs 2」は横向きに折りたたむスマートフォンですが、画面を外側に折る、すなわち山のように折るデザイン。他社の折りたたみは内側、谷のように折りたたむため、折りたたんだときに外側にももう1枚のディスプレイを搭載する必要があります。Mate Xs 2は折りたたむと普段使っている画面がそのまま外側の画面になるのでシームレスな使い方ができます。
カメラ性能の高い「P60 Pro」は4,800万画素カメラを2つ搭載しており、海外でも評価の高い製品です。ファーウェイのスマートフォンは以前はあのライカとコラボしていたことで有名ですが、今は自社開発したイメージング技術「XMAGE」を搭載しています。最近のスマートフォンのカメラ、特に中国メーカーの製品は映える写真が撮れる一方で、やや派手な仕上げになるものが多く見られます。ファーウェイのカメラはより自然に写してくれる印象です。
ちなみにカメラ性能の指標を計るDXOMARKによると、P60 Proの性能はiPhone 15シリーズより上の総合3位。P60 Proの上は同じファーウェイの中国販売モデル「Mate 60 Pro+」と、OPPOの「Find X7 Ultra」です。
さて店内でも最も人気を集めていた製品が18金を使った高級スマートウォッチ「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN」です。ファーウェイのスマートウォッチは電池の持ちの良さなど使い勝手の高さが人気ですが、この製品は外装にもこだわった高級モデル。日本では45万9,800円、パリでは3,000ユーロ、約48万円でした。
ショーケースを眺めているとスタッフから「試してみますか」と声をかけていただいたので、実際に腕にはめてみました。ベルトを抜いた重さは78g、ベルトを入れるともっと重くなりますが、手に取ってみると意外と軽いなと感じられました。一般的な高級腕時計とは違い、スマートウォッチなので本体内にはモーションセンサーなども組み込まれていますから、運動データを正確に記録するためにも軽い仕上げになっているのでしょう。
ベルトのバックル部分にさりげなくHUAWEIのロゴが入っています。
本体サイズは49.4×49.4×13mm、大きめに思えますが女性も最近は大型腕時計をつける人が増えていますし、18金の仕上げも思ったほど派手ではなく落ち着いた感じ。価格相応の質感もあり、モノとして欲しくなる製品と感じます。今後スマートウォッチもこのような高級品が増えていくでしょう。
さて他に目立った製品としては、耳たぶにとりつけるというワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeClip」。耳の穴をふさがないので外の音が気になる使い方に向いた製品です。没入感ある音楽環境を求める人向けではなく、屋外や移動中でも気軽に音楽を聴いたり通話することの多い人に向いているでしょう。
パリの店舗に展示してあったスマートフォンは一世代前の製品であり、中国で販売している5G対応の最新モデルの展示はありませんでした。とはいえファーウェイの技術力の高さをアピールする製品が並べられており、スマートフォン事業はまだまだあきらめていないという姿勢を見せていたと思います。一方、スマートウォッチなどのウェアラブル製品は積極的に新製品を出しており、性能も品質もすぐれています。これから出てくるファーウェイのアクセサリ製品に期待しつつ、スマートフォンもいずれ復活するのではないかと感じられました。