iPhoneの充電といえば、AC電源をUSBに変換する「USB充電器」を使うことが一般的。そこにUSBケーブルを挿すわけですが、USB充電器がUSB PD対応の場合、8シリーズ以降のiPhoneであれば「USB-C - Lightningケーブル」を、15シリーズであればUSB PD対応のUSB-Cケーブルを使うと、ベストな速度で充電できます。

そのとき、ご質問のようにUSB-Cポートが複数あるUSB充電器の場合、どこへUSB-Cケーブルを挿せばいいのか悩むかもしれません。充電速度に差が生じるのであれば一大事、速いに越したことはありません。

結論からいうと、まず「利用しているUSB充電器のUSB-Cポートごとの最大出力」をチェックし、続いてUSB充電器メーカーが公開している「複数ポート出力時の各ポートの最大出力」を確認しましょう。iPhone 15シリーズの場合、USB PDでの入力が最大27ワットですから、出力が30ワット以上かがひとつのめやすとなります。

USB PD対応USB-Cポートを2基、USB-Aポートを1基備える「UGREEN Nexode Pro 65W」を例にすると、接続が1台の場合USB-C1が最大65ワット/USB-C2が最大30ワットと差はあるものの、USB-C2でもiPhone 15の最大入力(27ワット)を超えているため、どちらのポートに挿しても充電速度に差は生じません。ただし、USB-C1とUSB-C2を同時利用する場合、USB-C2の最大出力は20ワットに制限されますから、パソコンと同時に充電するときには若干充電速度が低下します。

USB充電器は「全体の最大出力」と「ポートごとの最大電圧/電流」、「同時使用したときの最大出力」が定められているため、上述したような仕様は他の製品についても同様です。急速充電が必要なときはどのポートに挿すべきか、いちどに複数のUSBデバイスを充電するときの各ポートの最大出力は何ワットか、事前に確認しておきましょう。

  • USB PD対応ポートを複数備えるUSB充電器は、各ポートの最大出力を定めています(写真:UGREEN Nexode Pro 65W)