米Micronは2月27日(東部標準時)、「Micron Collaborates with Samsung on Galaxy S24 Series to Unlock the Era of Mobile AI Experiences(マイクロン、モバイルAI体験の時代を切り開くGalaxy S24シリーズでサムスンと協業)」と題したリリースを公開した。Samsung製GalaxyにはSamsung製コンポーネントが採用されていない……と見ることもできるかもしれない。

  • Galaxy S24にはSamsung製ではなく、Micron製LPDDR5XメモリとUFS 4.0ストレージが搭載されている

リリースによると、MicronはSamsungと協業してGalaxy S24 Ultra、S24+、Galaxy S24にMicron製コンポーネントが採用されたとアピールしている。具体的にはLPDDR5XメモリとUFS 4.0フラッシュストレージにMicron製品が搭載されており、これによってGalaxyデバイスにおける生成AIツール「Galaxy AI」の性能を最大化。機能と電力効率を両立するという。

Samsungは半導体製造業でも大きな存在感を有しており、スマートフォン向けSoCやLPDDR5Xメモリ、フラッシュストレージも製造している。一方で販売するスマートフォンにはQualcomm(TSMC製)のSoCを搭載し、さらに今回、直接競合しているMicron製メモリとストレージを組み合わせていることが判明した形だ。

Micronはメモリ製造でSamsungに若干先んじており、今のところ最先端の1βプロセスでLPDDR5Xメモリを製造できるのは世界でMicronのみ。リリースの中で、UFS 4.0フラッシュストレージも優れたパフォーマンスを備えていると述べられている。ちなみにGalaxyにはQualcomm製SoC搭載モデルのほか、Samsung製であるExynox SoC搭載モデルも存在する。

Samsungでバイスプレジデントと技術戦略チーム責任者を兼任するインカン・ソン氏はMicronのリリースの中で、「Micronのような志を同じくするイノベーターと協力することで、私たちはスピードとパワーで妥協することなくAIの利点を提供し、最終的に世界中の人々にこれまでにないインテリジェントな体験をもたらすことができました」と発言しており、競合であることも意識した内容になっている。