Mozillaは2月6日(米国時間)、新しい有料サービス「Mozilla Monitor Plus」を発表した。情報漏洩や各種オンラインソースから収集された個人情報を取引している190以上のサイトを継続的に監視し、ユーザーの情報が見つかった場合にその削除を試みるものである。提供は米国から始まり、料金は月額13.99ドル(年契約で107.88ドル)となっている。

Mozillaは2018年に、ユーザーのアカウント情報がデータ漏洩に含まれていることを警告する「Firefox Monitor」というデータ侵害通知サービスを開始した。Mozilla Monitorはその新名称で、新プランの追加によって無料の「Mozilla Monitor」と有料の「Mozilla Monitor Plus」の2プランになった。Mozillaによれば、Mozilla Monitorには1,000万人以上のユーザーが登録している。

無料版のMonitorでは、データ侵害の継続的監視と侵害通知が提供される。Monitor Plusの契約により、ユーザーは流出データの自動削除サービスを利用できるようになる。これはOnerepとの提携によって実現しており、公開されているオンラインディレクトリや個人情報のアグリゲータなど190サイト以上をスキャンし、ユーザーの個人情報が掲載されている場合、削除を要求する。情報の流出を調べることに比べて、削除や変更の手続きは複雑であり、Monitor Plusはこれらのプロセスを統合し、簡素化することでユニークな価値を提供している。Mozillaは、Monitor Plusのスキャン対象となるデータブローカーサイト数が「競合の2倍」と述べており、ユーザーの情報がブローカーサイトに残らないように毎月スキャンと自動削除を行う。

流出データの自動削除サービスを受けるには、ユーザーは姓名、正確な現住所、生年月日、Eメールアドレスなどの情報を提供する必要がある。これらの情報は暗号化され、Mozillaのプライバシーポリシーに従って使用される。スキャン後にユーザーは、流出している個人情報の種類、情報漏洩の原因、自身の情報が公開または取引されているサイトなどを確認できる。流出情報には、家族の氏名、子供の学区、趣味、社会保障番号、クレジットカード情報、銀行口座、暗証番号など、悪用による被害につながり得る情報が含まれる場合もある。流出状況を確認し、保護強化の必要性を把握することが重要であり、その判断を支援するために、Mozillaは無料のMonitorでも、自動データ削除サービスを1回利用できるようにしている。