LenovoのポータブルゲーミングPC「Legion Go」が、遂に日本国内での販売をスタートした。9月にグローバルで発表されて以降、レノボ・ジャパンのサイトに製品ページが用意されるなど、国内での発売を心待ちにしていた人も多いだろう。今回はLegion Goを今回はメーカーから借用し、使い心地や性能をチェックしご紹介していく。

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着脱式コントローラーが特徴的なLegion Goの外観をチェック

さっそくLegion Goの外観をチェックしていこう。

まずは本体左右にコントローラーを取り付けたスタイルだ。ディスプレイベゼルも狭く、コントローラーを含めブラックで統一されており、ゲーム中の没入感は非常に高い。背面には通気口が設けられているが、コントローラー部のグリップも深いため、手に持った際に塞いでしまう心配はない。

  • 8.8型のIPS液晶はベゼルも狭く没入感が高い

  • ボディはマット仕上げ。指紋などの汚れは結構目立つ

本体に設けられたインターフェイスは、左右がコントローラーとなるため上下に集中している。 USB 4に対応するUSB Type-C端子は本体の上下に1つずつ設けられているので、充電・給電しながらのプレイ時はケーブルの取り回しがしやすい方に接続して利用するといいだろう。

ただし、キックスタンドを用い自立させて利用する際は本体下部のUSB Type-C端子は利用できないのは少々残念だ。

  • 本体下部、左側にUSB Type-C端子が1つ

  • 本体上部は2つめのUSB Type-C以外にmicroSDカードスロットやボリュームボタンがある

  • 側面は着脱式のコントローラーとの接点があり、ユーザーアクセス可能なポートなどはない

  • 背面にはキックスタンドがあり、かなり深くまで角度をつけることが可能だ,

続いてコントローラーをチェックしていく。コントローラーは下部のトグルレバーを押し込むことで本体(タブレット部)から着脱することができる。このコントローラーのグリップは大型で深く、さらに表面にドットパターンが設けられているのでしっかりと握ることができる。

また各グリップ部に設けられたボタンも小さすぎず大きすぎず、握った際に各指にそれぞれのボタンを割り当てて操作することができる。

  • 左コントローラーはジョイスティックとカーソルキー

  • かなり大型で深いグリップになっているので持ちやすい

  • 上部~背部のトリガーボタンも大型で操作しやすい

  • コントローラーはA/B/X/Yボタンとジョイスティックだ

  • 右コントローラーはA/B/X/Yボタンとジョイスティックだ

  • トリガーボタンの配置は左右で変わらない

またコントローラーには「FPSモード」というおもしろいギミックが用意されている。右コントローラー下部に設けられたスイッチでFPSモードをオンにし、付属するスタンド「コントローラードック」と組み合わせることで「マウス」として動作させることができる。

見た目としてはフライトシミュレーターなどの専用コントローラーで見かけるジョイスティックのようだが、前後左右に傾けて操作ではなく、この状態で通常のマウスのように机上をスライドさせればマウスカーソルが動く、まさにマウスの挙動となる。

ジョイスティック型のマウスなので普段とは操作感が異なることに最初こそ違和感を感じるが、FPSモードでは左右のコントローラーに「FPSモードでのキー割当」を設定することができるため、Legion GoのFPSモードならではの使いやすいカスタマイズを行って利用するといい。

  • 右コントローラー下部に設けられたスイッチで「FPSモード」に切替ができる

  • FPSモードで利用するコントローラードック

  • 右コントローラーとドックを組み合わせることでマウスとして利用できる

  • 大型のジョイスティック形状でマウスらしさはないが、ポータブル機とは思えないほど多ボタンで欲張ったマウスになる

  • 本体をキックスタンドで自立させ、FPSモードでマウスも使えば外でもFPSゲームをカジュアルに楽しめる

Legion Goには専用のハードケースと65W出力のACアダプタが付属している。ハードケースにはLegion GoだけでなくFPSモードで利用するコントローラードックも収納可能だ。ただ、どうせならACアダプタも入るようにしてほしかったところだ。

ACアダプタも小型ではあるものの、ケーブル部分は取り外しができないため、持ち運びに際してはより小型のACアダプタや、取り回しやすいケーブルを用意した方が便利だ。

  • 専用ハードケースが付属

  • ナイロン製なのでラフに扱っても汚れづらい

  • 付属のACアダプタの出力は65W。ケーブルの着脱はできない

デカめだけど軽い。ただコントローラーが少しグラつく

次に、Legion Goの実際の使用感についてだ。

Legion Goは左右のコントローラーのグリップも深く、両手で持った際のホールド感も優秀だ。 タブレット+着脱式コントローラーとして比較されるNintendo Switchと比べると本体サイズは一回り以上大きく、本体重量も約845gと決して軽くはないが、特に重たいと感じることはない。

  • ホールド感が高く重量を感じさせないほど持ちやすい

  • 形状が近しいNintendo Switchと比べると一回り以上大きい

Legion Goを起動するとデフォルトではポータルでありゲームランチャーでもある「Legion Space」が立ち上がる。ゲームストアもお馴染みのSteamなどを設定することも可能で、インストールされたゲームタイトルへのアクセスもコントローラーのカーソルキーやタッチパネルで行うことができるため、あまりPCっぽさを感じることなくゲーム専用コンソールとして扱いやすい。

また各種設定もコントローラーからすぐに呼び出せるため、このあたりも物理キーボードを持たない端末らしく、ゲーム専用コンソールらしい振る舞いだ。

ただ、本体とコントローラーの接続部の強度は少し心配で、試用中に時折接続部の遊びが気になることがあった。少なくとも「手に持ったまま持ち歩く」や「片側のコントローラーだけを握って運ぶ」ような持ち方は推奨できない。

またゲーム中に頻繁に利用する「メニューボタン」など、一部のボタンの位置が悪く、コントローラーを持ち帰るなどしないと指が届かない点は気になった。

それでも、不安に感じた点以上に後発製品らしい工夫や差別化はおもしろい。特に分離型コントローラーがマウスとして利用できるFPSモードのように、ハンドヘルド以外のスタイルで遊べるゲームタイトルの幅を広げている点は、ポータブルゲーミングPCの裾野を広げるLegion Goだけの強みになるだろう。