この春から筆者の娘が中学生になるので、持たせている携帯電話をキッズケータイからスマートフォンへ買い替えようと決めた。

前回の記事では子供のスマートフォンの料金プラン選びを取り上げたが、今回はスマートフォンの機種選びについて考えていく。

  • 娘の進学にあわせて、キッズケータイからスマートフォンへの買い替えを考える。前回の料金プラン編に続き、今回は機種選びだ

    娘の進学にあわせて、キッズケータイからスマートフォンへの買い替えを考える。前回の料金プラン編に続き、今回は機種選びだ

子供のスマートフォンは「お下がり」や「お買い得機種」が多い?

子供のスマートフォンを選ぶとき、親目線では「あまりお金をかけたくない」と考える人が多いだろう。親子間の連絡手段として携帯電話を持たせたいのであって、極端なことをいえば電話とメールさえできればキッズケータイでも十分だ。

だが、実際には小学校も高学年になると徐々に周りにスマートフォンを持つ子も増え、不要と思っていてもスマートフォンが会話や遊びのトレンドを生みだしているため、キッズケータイからスマートフォンへの買い替えを考え始めることになる。

筆者宅でも、あと数ヶ月先の中学校入学にあわせてスマートフォンへの買い替えを行うつもりでいたのだが、娘がいつも遊んでいる友達の半分ほどはすでにスマートフォンを持っているため、予定を前倒して買い替えることにした。

そこで悩ましいのがスマートフォンの機種選びだ。

先にも書いたように親子間の連絡手段を一番の目的として携帯電話を持たせているので、あまりお金をかけたくはない。

いくら友達とのやりとりにスマートフォンが必要だといっても「まだ中学生」と考えると、最低限必要そうなアプリが動けばいいだろうとも思えるので、安価な機種でも十分だろう。

すでにスマートフォンを持っている娘の同級生たちも、iPhone SE(第2世代)やiPhone 8などの比較的安価に購入できる機種、または親兄弟が以前使っていた機種をお下がりで使っているケースが多い。

筆者が長く携わった携帯電話販売の仕事においても、春先に子供のスマートフォンの契約に訪れたお客様から「一番安い機種を子供用に」と言われることは多く、やはり大半のご家庭では子供のスマートフォンにかけるコストはグッと抑えておきたいと考えるのが普通なのだろう。

  • 状態にもよるが、iPhone SE(第2世代)は中古なら2~3万円で購入できる

    状態にもよるが、iPhone SE(第2世代)は中古なら2~3万円で購入できる

  • 通信事業者のキャンペーンを利用すれば、iPhone 12などの旧機種が安価に手に入る機会もある(こちらのキャンペーンは既に終了している)

    通信事業者のキャンペーンを利用すれば、iPhone 12などの旧機種が安価に手に入る機会もある(こちらのキャンペーンは既に終了している)

中古にはなるが、今でも十分に使えるiPhone SE(第2世代)は3万円以下で購入できるため、子供用の適当なスマートフォンとして選ぶにはちょうどいい。

また、iPhone 12も通信事業者のキャンペーンを利用すれば一括で3万円前後の処分価格で購入できるチャンスがあり、最新モデルではなくこういった旧モデルなどのお買い得機種でも「連絡手段としてのスマートフォン」としては十分だろう。

また、親が使わなくなったスマートフォンを渡すというのも手だ。筆者宅にもちょうど使っていないiPhone 12 miniが余っている。

ストレージ容量も128GBと余裕があり、バッテリーの状態もまだ90%以上と表示されているのでまだまだ十分に使える。手放すことを考えたが買取価格も3~4万円とそこまで高くもなく、予算感としても中古や特価の適当なスマートフォンを購入するのと同じくらいなのでちょうどいいだろう。

  • 筆者宅にも使わなくなったiPhone 12 miniがあり、子供用にちょうどよさそうだ

    筆者宅にも使わなくなったiPhone 12 miniがあり、子供用にちょうどよさそうだ

なのに用意してしまった最新モデル「iPhone 15」

ここまで書いてきた通り、子供のスマートフォンは「あくまでも連絡手段」として、毎月の料金もスマートフォン本体もできるだけコストを下げようとしていた。

筆者自身、同級生の保護者と話したり、販売現場で見てきたお客様の買い方などから「それが適当である」と考えていた。

が、娘用には最新モデルの「iPhone 15」を購入した。

これまでの話と真逆の判断となっている点に驚かれる方もいると思うが、これにはちゃんとした理由がある。

  • お買い得機種で済ませようかと考えつつ、結局最新の「iPhone 15」を用意した理由は?

    お買い得機種で済ませようかと考えつつ、結局最新の「iPhone 15」を用意した理由は?

第一に、子供のスマートフォンは「中学校に通う3年間は買い替えない」ことだ。

例に挙げたiPhone SE(第2世代)やiPhone 12は2020年に発売された機種で、この先3年間利用することを考えると、3年目には「発売から6~7年が経過した機種」になる。

2017年に発売したiPhone 8やiPhone Xが、2023年にリリースされたiOS 17のサポート対象外になっていることを考えると、2020年に発売になった機種は使用中に最新OSのサポート対象外になる可能性は高いだろう。

最新OSのサポート対象外になると普段使用しているアプリの最新版が利用できない可能性もある。また保護者管理機能の利用にも何か影響が出る可能性もゼロではないので、確実に3年間安心して利用できる機種を選ぼうと考えたからだ。

第二に、iPhone 13やiPhone 14などの1~2世代前の機種とiPhone 15の価格差が小さいことだ。

iPhone 14以前の機種もショップや家電量販店のキャンペーンをくまなく探せば安価に販売されているケースがゼロではない。

しかし、一見安価に見えても「2年後に返却(下取り)を前提に、2年間の毎月の負担を1円にする」といった販売手法が昨今の主流であり、3年間使う前提で考えるとお買い得度がかなり下がる。

こうした理由から3年間きっちり使うのであれば最新のiPhone 15を選んだ方がいいという判断に至った。

購入方法はApple StoreでPaidyの36回払いを利用したので、払い終わる頃には今度は中学校の卒業が間近に迫ってきた頃になるだろうし次の買い替えの頃合いになるだろう。

安価な機種を選んでもいいが、最新機種を選ぶのも選択肢としてはアリ

子供に持たせるスマートフォンのコストはとことん下げたいというのが多くの親の本音だろう。

しかし極端に安い機種を選んでしまうと、サポート期間などを加味した場合に「数年後に次の機種を買う」ためのコストがそれなりに発生する可能性も高い。

もちろん中古や特価でその都度「まだサポートされている機種」を選んでいくのも手だが、買い替え先の機種のサポート期間次第では買い替え回数やデータ移行に手間もかかる。また、契約している携帯電話会社によっては契約プランやSIMカードの変更を行う必要が出るかもしれない。

とにかく面倒を減らしたいのであれば、コストカットはそこそこに「なるべく新しい機種」を用意してしまった方が、子供のスマートフォンの準備の手間は減らせるだろう。

さて、筆者の娘に使わせるスマートフォンの契約プランと機種は決まった。次回は「渡す前に設定しておきたい安心設定」についてご紹介する予定だ。