2023年2月24日に発売されたNTTドコモの「キッズケータイ KY-41C」(以下、KY-41C)。先代の「キッズケータイ SH-03M」の発売が2020年1月17日なので、約3年ぶりの新型キッズケータイだ。

  • ドコモの新型キッズケータイ「KY-41C」(京セラ製)。ドコモオンラインショップでの価格は22,000円

    ドコモの新型キッズケータイ「KY-41C」(京セラ製)。ドコモオンラインショップでの価格は22,000円

キッズケータイといえば通話とメール、さらに保護者から子供の位置情報を確認する機能や防犯ブザーといった安心機能が主だが、実は最新モデルでは、スマホ時代の今だからこそ、親子双方が安心・便利に感じられる機能が多数用意されている。

今回はKY-41Cの新機能を中心に、安心や便利さにフォーカスを当ててご紹介していく。

USB-Cに対応、キッズケータイらしい進化にも富んでいる

KY-41CはNTTドコモ向けとしては2代目となる、スマホのようなフルタッチパネル操作のキッズケータイだ。

以前のキッズケータイは本体下の十字キーでメニューやキーボードの選択を行うため決して使い勝手がいいとは言えなかったが、フルタッチパネルになったことでスマホ同様のテンキー入力が行える。タブレットなども使いこなすイマドキの子供であれば、タッチパネルの文字入力にも慣れているので扱いやすいだろう。

  • キッズケータイの充電端子もついにUSB Type-Cになった。親のスマホや子供のゲーム機と充電器を共用できるだろう

    キッズケータイの充電端子もついにUSB Type-Cになった。親のスマホや子供のゲーム機と充電器を共用できるだろう

旧モデルからの大きな進化点は外部接続端子で、ついにUSB-C対応になった。

充電器は付属していないため別途用意する必要はあるが、スマホ以外でも多くの機器がUSB-Cに対応している現在であれば、家に余っている充電器を使い回せるはずだ。子供が持っているゲーム機もUSB-Cでの充電に対応しているため、「ケータイはゲーム機の充電をしていないときに充電しておきなさい」といった約束もしやすい。

ネットワーク周りは先代のSH-03Mと同様に4G LTEに対応し、音声通話はVoLTEに対応している。

これは筆者の実体験だが、VoLTEに非対応だったキッズケータイを子供に使わせていたときは、電話をかけてもお互いに何を言っているかわかりづらいことも多く、「わかんない!面倒くさい!」と子供に電話を切られてしまうことがあったのだが、VoLTEに対応したキッズケータイを使うようになってからはそういうことが起きていない。

電話での通話になれていない子供にとって、相手が聞き取りづらそうならゆっくり話してみるといった気遣いは難しいため、クリアな音声で通話できるVoLTEへの対応は普通の携帯電話以上にメリットがある。

また、安心のための機能・性能として防水防塵への対応に加え、ディスプレイにガラスではなくあえてアクリルを採用するといった工夫もある。アクリルはガラスに比べ傷付きやすいが割れづらいため、遊んでいる最中にどこかにぶつかる、落とすといったことが多い子供に持たせても、スマホに比べれば壊れづらいはずだ。

さらに泡ハンドソープで丸洗いしても大丈夫といった堅牢性もあり、外で砂ぼこりまみれになっても清潔に保てるなど「利用者が子供だからこそ」の工夫が随所に光る機種だ。

「+メッセージ」対応で親子のコミュニケーションが楽に

キッズケータイではテキストメッセージとして従来「ショートメッセージ(SMS)」を利用できたが、KY-41Cでは新たに「+メッセージ」に対応した。

+メッセージはショートメッセージのように電話番号でメッセージをやりとりするが、長い文章や画像や動画、スタンプなどの送受信を行うことができる。

  • 「+メッセージ」対応により、スタンプやグループチャットが使えるようになったことは親にとっても子にとっても嬉しい進化だ

    「+メッセージ」対応により、スタンプやグループチャットが使えるようになったことは親にとっても子にとっても嬉しい進化だ

実際に我が家でも小学生の娘にKY-41Cを使わせてみたところ、特にスタンプは「文字を打たなくても返事ができる」と好評だ。

いくらデジタルネイティブ世代であっても小学生で頻繁にスマホやタブレットで文字を送り合うようなシチュエーションはないため、親からのちょっとした連絡に対し「文字を打ち込んで返す」のは面倒に感じるようだ。

その点、スタンプであればパッと返事が行えるため「これならすぐに返事できそう」と感じたようだ。

また、スタンプはすべて無料でダウンロードでき、+メッセージに関わる通信量はキッズケータイ専用の「キッズケータイプラン」の利用で無料(使い放題)となるため、子供がおもしろがってスタンプや写真をたくさん送ってきたとしても安心だ。

さらに、+メッセージでは複数人で「グループチャット」を行うこともできる。これまでは「筆者と娘」の1:1のショートメッセージのやりとりだったが、家族全員が参加するグループチャットを作成したことで、娘への連絡、娘からの連絡を全員が把握できるようになったのは、便利であり、安心感が大きい。

これまでキッズケータイとのメッセージのやりとりに、LINEなどスマホ同士の連絡手段に慣れたことで不便だと感じていたお父さん・お母さんであれば、KY-41Cの+メッセージ対応は使ってみると「これがほしかった」と絶対に思うはずだ。

「おうちだよ通知」でGPSを確認する手間が省ける

親として気になること、心配になることのひとつに「子供がちゃんと家に帰ってきているだろうか」がある。

もちろん子供が学校や遊び、習い事から帰ってくる時間に自宅にいられたらいいのだが、共働きや買い物などの用事が長引いてしまうなど、家を開けている時間に帰宅するであろう時間が被ってしまうことは珍しくない。

  • ,「おうちだよ通知」という機能を使えば、GPSによる位置検索をしなくても帰宅状況が手軽にすぐわかる

    「おうちだよ通知」という機能を使えば、GPSによる位置検索をしなくても帰宅状況が手軽にすぐわかる

KY-41Cにはそんな親の心配を減らせる「おうちだよ通知」という機能が用意されている。

この機能は予め自宅のWi-FiをKY-41Cに登録しておくことで、子供が帰宅しKY-41Cが自宅のWi-Fiに繋がった時点で「帰宅」と判断し、親のスマホへメッセージを自動で飛ばしてくれるというものだ。

この機能自体は先代のSH-03Mにもあったのだが、キチンと設定して使っている人は意外と少ないだろう。また、古いキッズケータイだと別売の専用ビーコンを購入し自宅に設置することで同様のことができたのだが、別途何か購入してというのは利用のハードルが高かった。

KY-41CであればWi-Fiを利用することで、先に紹介した+メッセージの写真や動画の送受信を快適に利用できるといったメリットもあるため、購入後の初期設定でぜひ有効にしておきたい機能だ。

「安心」に富んだスマホへのステップアップに向いた1台

地域によっては小学校の入学時に「子供向けの携帯の契約を推奨」としている場所もあるが、そうでない場合は契約・購入を悩んでいるお父さん・お母さんは多いのではないだろうか。

KY-41Cは従来のキッズケータイの強みであった「親子の安心」はそのままに、より安心できるための機能を充実させた1台だ。

子供の雑な扱いでも壊れづらい堅牢性はもちろんのこと、防犯ブザーに連動して現在地が親に通知される機能なども用意されているし、帰宅を通知する機能なども使いやすく進化したことで「持たせておけば安心」と思えるようになった。

+メッセージに対応したことで、将来的にスマホで利用するであろうLINEなどのコミュニケーションも、練習として使い慣れておけるのも「スマホへのステップアップ」として、子供に持たせてみたくなるはずだ。