iPhoneの外部インターフェイスがLightningからUSB-Cに変更されたことで、「充電」に関連したいろいろなことのルールが変更されました。なかでも「ほかの機器に給電可能に」なったことは、最大の変化かもしれません。

iPhone 15シリーズのUSB-Cポートは、最大4.5W(5V/0.9A)の出力に対応しています。出力がアップしたことにより、USBメモリ程度の消費電力であれば、電力不足に陥ることなく安定して動作するようになりました。完全ワイヤレスイヤホンの充電ケースなど、わずかな電流で充電可能なデバイスを接続すれば、iPhone 15の内蔵バッテリーから電力が供給(給電)されます。

スマートフォンも例外ではありません。Android端末などUSB-Cポート搭載機とUSB-Cケーブルで接続すると、iPhone 15の電力に余裕があれば給電されます。一部のAndroid端末で以前から提供されていた"おすそ分け充電"がiPhoneでも可能になったのです。

では、iPhone 15シリーズ同士をUSB-Cケーブルで接続するとどうなるか...これは、2台のうちバッテリー残量の少ないほうが充電される/受電側になるという、USB PD(Power Delivery)の仕様に則した動作となります。

USB PDには、ケーブル接続した両端の機器のどちらが給電側になるかをソフトウェアで制御する「ロールスワップ」という機能があります。iPhone 15シリーズはUSB PD対応機器ですから、「USB PD準拠」や「3A対応(最大60W対応)」とうたわれたUSB-Cケーブルを使用するかぎり、ロールスワップが正常に機能し、バッテリー残量の少ないほうが充電される側に回る、というわけです。

  • iPhone 15 Pro同士をUSB-Cケーブルで接続すると、バッテリー残量の少ないほうが充電される側に回ります