やっと届いたピカピカのiPhoneでも、手に馴染んだiPhoneから環境を移して使う人が多いはず。iOS 12.4以降のiPhoneにはワイヤレス転送ツールの「クイックスタート」が用意されているから手間いらず、画面の指示に従い作業すれば"引っ越し"は完了です。

そのクイックスタートを利用したiPhoneの環境移行ですが、トータルでどれくらいの時間がかかるかはなんともいえません。転送するデータがiPhoneに保存されている書類だけなら話はかんたんですが、アプリや写真/ビデオなど、クラウドからデータを継続ダウンロードするものが多いため、個人差が大きくなっています。

クイックスタートでは、写真やビデオなどiPhone上に実データが保存されている書類は、旧iPhoneから新iPhoneへWi-Fi経由で直接転送されます。しかし、アプリは「アプリで作成した書類/データ」だけが直接転送され、「アプリ本体」はApp Storeからダウンロードされます。クイックスタートの手続きが完了しても、ゲームなどデータ量の多い(巨大な)アプリがある場合、裏で延々とダウンロード処理が続きます。

iCloud写真を使用している場合にも、完全に移行作業が完了するまでには時間がかかります。写真/ビデオはサムネイルしか直接転送されず、本体はクラウドからのダウンロードとなるためです。

引っ越し直後のiPhoneを外へ持ち出すことのリスクもあります。端末固有の情報を識別しているアプリの場合、ログインし直さなければ機能しない、通知が届かないといった問題が生じます。最近はSMSを利用した二段階認証を必須とするアプリも多いため、動作確認したうえで外へ持ち出すほうが安心です。

内蔵ストレージの容量次第ではあるものの、クイックスタートそのものの処理は数十分で完了します。しかし、アプリ本体のダウンロードやログイン処理などアプリの準備も含めると、少なくとも1、2時間、動作確認を含めればそれ以上はかかると考えておいたほうがいいでしょう。

  • クイックスタートの"引っ越し"はすぐに完了しますが、アプリ本体のダウンロードなどの処理は続きます