豪・メルボルン大学らの研究チームは、ブルーライトカットレンズの効果に関する研究結果を公開した。それによると、ブルーライトカットレンズには、デジタルデバイス使用による眼精疲労を軽減する効果がない可能性があることが判明した。国際的な医療評価プロジェクト・コクラン共同計画が発行するデータベース「Cochrane Library」に8月18日付で掲載された。これがネットで「知ってた」「信じてたのに」などと話題となっている。

  • ブルーライトカットメガネ「効果なし」だった、豪大の研究 - ネット「知ってた」「信じてたのに」

    眼精疲労などに効果があるとされてきたブルーライトカットメガネだが、この研究によると効果がない可能性があるようだ

本研究では、世界6か国で行われた17件の研究データを分析し、視覚能力の改善や網膜保護、睡眠の質の向上などに関する効果を評価している。使用した研究データは、ブルーライトカットレンズと、非ブルーライトカットレンズを使用する成人を対象として、数日から数週間にかけて実施された追跡調査とされている。

分析の結果、ブルーライトカットレンズは、非ブルーライトカットレンズと比較して、少なくとも短期的な使用においては、コンピュータ作業などのデジタルデバイス使用にともなう眼精疲労を軽減する効果がない可能性があることがわかったという。また睡眠の質や、網膜のダメージからの保護についても、その効果を支持する明確な根拠は得られなかったそうだ。

同研究チームは、今回の結果を踏まえ「ブルーライトカットレンズが患者に処方されることがあるが、その潜在的な利点に関する多くの主張が、かえって混乱を招く可能性がある」と指摘。さらに「ブルーライトカットレンズの効果に対する証拠は不十分で不確かなものであり、一般の人々に対してブルーライトカットレンズを推奨する根拠は得られなかった」ともしている。

ただし今回の研究は、分析に使用したデータにおいて、ブルーライトカットの効果を比較した期間が数日から数週間にかけてと短期的なものだったことから、「ブルーライトカットレンズの視力や網膜保護、睡眠への影響をより明確にするためには、より多様な人々を対象にした長期間の大規模な臨床研究が必要」だとも説明している。

ちなみに同研究チームによると、そもそもコンピューター画面などの人工光源から放出されるブルーライトの量は、自然光から放出される量の約1,000分の1程度に過ぎず、さらに通常のブルーライトカットレンズは、ブルーライトの10~25%を遮断するに過ぎないのだとか。

ネット上では「知ってた」「PCやスマホのナイトモードは明らかに効果あるけど、あれは別なんだろうか」「眼医者がしてないから、怪しいとは思っていた」「そうか効果なかったか」「ほらーw」「世界の青みをちょっと消すだけの効果…?」「なんと!?」「信じてたのに」などの声が寄せられた。