ゼンハイザーは、軽~中程度の難聴者の聴力をサポートする完全ワイヤレスイヤホン型集音器「Conversation Clear Plus」(カンバセーション クリア プラス)を8月30日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は13万900円前後を見込む。

  • Conversation Clear Plus

  • 装着イメージ

世界のヒアリングソリューション及び補聴器業界で75年の歴史を持つ、Sonova(ソノヴァ)の技術を投入したヒアリングソリューションデバイス。ゼンハイザーブランドのイヤホン・ヘッドホン製品を取り扱うSonovaが、同ブランドの名を冠した新カテゴリーの製品として市場投入する。

従来の(補聴器ではない)ヒアリング機器は、環境や状況によって聞こえ方の設定を自分で手動設定する必要があるが、Conversation Clear Plus(CCP)はそれらを自動で設定するため手間がかからず、「余計な操作にとらわれることなく会話だけに専念できる」としている。

CCPのデバイス本体には、片側に3基のマイクを搭載。専用のスマートフォン用アプリと連携して3つのモードを使い分けることで、ユーザーの行動や内容に合わせてサウンド体験を最適化できるとする。各モードの機能と内容は以下の通り。

  • 専用のスマートフォン用アプリ(ゼンハイザーのワイヤレスオーディオ機器用のアプリとは異なる)と連携し、3つのモードを使い分けられる

  • コミュニケーションモード:人との会話に焦点を置いたモード。周囲の騒音レベルを自動で検知し、状況に合わせてノイズキャンセリングとビームフォーミングを調節
  • ストリーミングモード:音楽を聴いたり動画を視聴したりすると自動で適用。周囲の音を取り入れるレベルを好みで調節できる
  • リラックスモード:一人でゆっくり読書などを楽しむときに適したモード。アプリから、周囲の音を取り入れるアンビエントアウェアネスのレベルを調節可能
  • コミュニケーションモード

  • ストリーミングモード

  • リラックスモード

コミュニケーションモードのユニークな特徴として、クリアな会話を実現するために長年補聴器で使われている「オートシーンモード機能」を採用。CCPには、周囲の音を常に分析して自分がいる周囲の状況を自動検知できるクラシファイアー(分類機能)を内蔵しており、さらに状況に合わせて音声の聞こえ方を自動で調節する「オートシーンディテクション機能」も装備。ノイズキャンセリングと音量、マイクの指向性を自動調節しながら周囲の騒音を低減することでクリアな会話を追求した。

なお、相手の声が聞き取りづらいときには、アプリ経由で音量を調節したり、「クラリティブースト」をオンにしたりすることで、会話をスムーズに続けられるとしている。

このほか、自分の聞こえ方を設定できる「サウンドプロファイル」を用意。自分の聞こえ方に合わせたサウンドプロファイルを設定することで、ユーザーにあわせた初期設定が行えるようにしている。アプリ上のガイドで自分に合った聞こえ方を設定でき、何度でも設定し直せるという。

  • アプリのサウンドプロファイル作成画面

こうした機能を実現するため、CCPにはSonovaが独自開発した小型のハイブリッドチップを1基搭載。DSPやコプロセッサ、メモリなど3つのチップで構成したもので、消費電力を抑えつつ高い処理性能も兼ね備えるとする。

Bluetooth 4.2(Class 1)に準拠し、SBCコーデックをサポート。スマートフォンやタブレット、PCなどの複数台のデバイスと接続して、切り替えもシームレスに行えるようにした。周波数特性は20Hz〜20kHz。感度は100dB SPL(1kHz)。

  • 耳に当たる側の上部のマイク

  • イヤーピースを外したところ

連続使用時間はデバイス単体で9時間、付属の充電ケース込みで最大27時間。USB-C充電に対応する。デバイス本体は人間工学に基づいたデザインで、S/M/Lの3サイズのイヤーピースとイヤーフィンを組み合わせて装着感を高められる。

  • 付属の充電ケース

  • ケースにデバイスを収納したところ

  • 充電用のUSB-C端子