カキの6次産業化を展開するゼネラル・オイスターは、ノロウイルスフリーの"あたらないカキ"の開発に成功したと発表(pdfが開きます)した。海洋深層水を活用したカキの完全陸上養殖に成功したそうで、これは世界初だそうだ。ネットでは「これは嬉しい」「食中毒の心配せずに生牡蠣食えるのか」などと話題となっている。

  • あたらない「カキ」が誕生、ノロウイルスフリーを実現 - ネット「これは嬉しい」「画期的だなぁ」

    ノロウイルスフリー"あたらないカキ"が実現。海洋深層水を活用したカキの完全陸上養殖に成功したのだとか

カキによる食中毒の主な原因であるノロウイルスは、カキが、海水に含まれるノロウイルスを餌とともに体内に取り込んでしまうことが原因だ。カキではこれまでにも、ノロウイルス汚染を排除するため、浄化方法や様々な研究、取り組みが行われてきた。たとえば生食用カキでは現在、出荷前に紫外線照射水などによる浄化を20時間程度行う方法が主流なのだが、ノロウイルスを完全に取り除くことが出来ずに、汚染されたカキが市場に流通してしまうこともあった。

そこで同社は、太陽光が届かず、表層の海水と混ざらない水深200メートル以深の、極めて清浄性の高い海水である「海洋深層水」に注目。以前にも、清浄な海洋深層水をカキの体にめぐらせることで浄化し、限りなく安全なカキとした「8TH SEA OYSTER 1.0」を、直営レストランや公式通販サイトなどで販売していた。しかしこの「8TH SEA OYSTER 1.0」でも、確実にノロウイルスが検出されないというわけではなかったそうだ。

  • カキの陸上養殖のイメージ

そして今回の発表では、養殖時から、完全にノロウイルスが存在しない海水である海洋深層水を使用した。しかし、海洋深層水には人に害を与えるウイルス・細菌が存在しない代わりに、カキの餌となる植物プランクトンも存在しないという相反する課題もあったという。

そこで同社は、東京大学生物生産⼯学研究センターとの共同研究として、海洋深層水を活用した植物プランクトンの大量安定培養技術を確立し、藻類の波長に応じた独自のLEDの開発もメーカーと行った。これにより植物プランクトンの大量安定培養技術、および完全陸上で成貝まで成育させる飼育技術を確立したことで、今回のノロウイルスフリーの「あたらないカキ」の養殖が実現したそうだ。同社は、この”あたらないカキ”を「8TH SEA OYSTER 2.0」と名付けて供給し、ブランド化を図っていくとしている。

  • 海洋深層水を使用した完全陸上養殖

肝心の味はというと、同社によれば、甘味の強いカキの特徴がみられるとしており、また、北海道から九州までの海域で養殖されたカキの成分分析結果と比較したところ、タウリンやグルタミン酸、アラニン、プロリンなどが高い数値を示し、栄養価値も高いと評価されたそうだ。

  • 甘味の強いカキで、ほかのカキよりも栄養価が高いようだ

今後は、IoT技術などを駆使した量産化施設の建設を想定。ノロウイルスフリーの完全陸上養殖の“あたらないカキ”「8TH SEA OYSTER 2.0」の流通により、オイスターの生食文化を守り、世界中に食の楽しみを拡大創出することを目指していくとしている。

ネット上では「この牡蠣でのみ行えばノロウイルスが絶滅するかもしれない」「食中毒の心配せずに生牡蠣食えるのか」「生牡蠣は生牡蠣の美味しさがあるから、食あたりしないで食べれるって分かって食べるの美味しさが格別な気がする」「これは嬉しい」「画期的だなぁ✨」「今後に期待ですねぇ」「これは欲しい…!加熱済みでも2回連続あたってしまってもう食べなくなってた」「これはすごい。技術を秘匿しつつ上場して資金調達してほしい」などの声が寄せられた。