ここまで紹介したように、dynabook X83のラインナップは複雑だ。特に搭載するキーボードと本体サイズ、バッテリーパックと有効になる本体搭載インタフェースがわかりにくい。
また、先ほど述べたように、CPUで選択できるには第13世代CoreプロセッサでTDP28W“P”モデルとTDP15Wの“U”モデルがあって、搭載するクーラーユニットが異なる。
バッテリーは4セル(バッテリーL)と2セル(バッテリーS)があって、販売形態としては「4セルバッテリーを搭載したモデル」「2セルバッテリーを搭載したモデル」とそれぞれ型番を分けている。
4セルバッテリー搭載モデルのCPUはTDP28Wの“P”モデルで、2セルバッテリー搭載モデルのCPUはTDP15Wの“U”モデルだ。2セルバッテリーを搭載した場合、本体のThunderbolt搭載数は2基となる(4セルの場合は3基)。
ここまではわかりやすい。わかりにくくなるのはこの先だ。
既報の通り、dynabook X83はバッテリーをユーザー自身で交換できるが、4セルバッテリー搭載モデルと2セルバッテリー搭載モデルは、搭載しているCPUも利用できる本体搭載インタフェースも異なっている。しかし、2セルバッテリー搭載モデルに4セルバッテリーを搭載して使うことは可能だ。
「いわゆる小のものに大を入れることは全然問題ないです。逆に駆動時間が伸びます。重くなりますが」(中村氏)
一方で、4セルバッテリー搭載モデルに2セルバッテリーを入れて使うことはできない。
「BIOSが本体搭載デバイスを検知して電流のリミットがかかって安全回路が作動します」(中村氏)
そのため、4セルバッテリーでは実施する、バッテリー単体の別売りを、2セルバッテリーパックでは行わない。
同じくバッテリー交換機構を備える、パナソニックのLet'snoteでは、本体を軽くするために時と場合によって搭載するバッテリーパックを変える(軽量のS、あるいは長時間のL)ケースもあるが、dynabook X83ではそのような使い方はできないようにしている。
「それをやるユーザーは、レアなケースかなと考えています」(荻野氏)