AMDは米国時間の7月27日、Mobile向けに3D V-Cacheを搭載したRyzen 9 7945HXを投入する事を発表した。事前資料を基に、この内容をご紹介したい。

  • AMD「Ryzen 9 7945HX」発表、Mobile向けに3D V-Cache搭載Ryzen 9を投入

Ryzen 7 7945HX3Dは、Mobile向けのハイエンドであるRyzen 9 7945HXに3D V-Cacheを搭載した製品である(Photo01)。Mobile向けといってもこれはGaming Notebook向けのハイエンドで、TDPも55~75Wとお高めであるし、パッケージもDesktopと同サイズ(流石にLGAではない)のFL1なので、搭載できるのは筐体サイズが大きめのGaming Notebookに限られるとは思うが。

  • Photo01: 見た目にはRyzen 9 7900X3D/7950X3Dのヒートスプレッダを取り去り、外枠を付けただけの様な格好に。

このRyzen 7 7945HX3Dの構造そのものは既存のRyzen 9 7900X3D/7950X3Dと全く一緒であり、言ってみればRyzen 9 7950X3Dの動作周波数を変更し、TDP枠を55~75Wに変更したような構成である。もう既にAMDはDesktop向けに5製品の3D V-Cache搭載CPUを提供しているが、今回はこれに続くものである(Photo02)。

  • Photo02: Ryzen 5 5600X3Dは北米向けに今年7月7日、数量限定で提供を開始している。国内での発売予定は今のところアナウンスはない。

さてその性能であるが、3D V-Cacheを搭載しないRyzen 9 7945HXと比較した場合、Shadow of the Tomb Raiderの1080p/High Detail(GPUはGeForce RTX 4090)でのフレームレートが最大23%向上するとされる(Photo03)。同様に他のゲームを比較した結果がこちら(Photo04)。以前、Ryzen 9 7950X3Dのゲームベンチマーク性能の比較をお届けしたが、9種類のゲームの平均フレームレート(2K)はCore i9-13900Kを100%とした時にRyzen 9 7950Xが93.3%、Ryzen 9 7950X3Dが102.0%で9.3%ほどの性能向上が得られた。同様にRyzen 7 7800X3Dの場合では14.0%ほどの性能向上となっている。TDP枠が最大でも75Wと低めなRyzen 9 7945HX/Ryzen 9 7945HX3Dではさらに性能差が広がっても不思議ではなく、平均15%という数字は割と妥当に思える。

  • Photo03: この図はちょっと判り難いのだが、70W TDPの状態で3D V-Cacheの有無を比較すると11%、40W TDPで比較すると23%の性能向上が得られる、の意味である。

  • Photo04: こちらもGPUはGeForce RTX 4090を利用しての結果。実フレームレートそのものは公開されていない。

このRyzen 9 7945HX3DはROG Strix SCAR 17X3Dに搭載され、8月22日に市場投入の予定とされる。

  • Photo05: これ以外のラインナップについては現状発表が無い。