iCloudには、家族など自分が許可した人物に各種サービスを共有する機能が用意されています。それが「ファミリー共有」で、ストレージの共有は容量50ギガバイト以上のとき、すなわち有償の「iCloud+(アイクラウド・プラス)」でなければ利用できません。
2023年7月現在、iCloud+の最低料金は月額130円です。使えるストレージ容量は50ギガバイト、多いとはいえないものの、メールや写真の保管にはじゅうぶん役立ちます。家族3人としても1人あたり月額50円以下の負担感で15ギガバイト以上利用できるわけですから、iCloudの容量不足で警告を受けがちなユーザにとってはメリット大といえるでしょう。
しかし、iCloud+ストレージではアカウントごとに使用可能なストレージ容量の上限(ディスククォータ)を設定することができません。招待した本人と招待された人物の間に使用可能な容量の区別はなく、いわば"早い者勝ち"。いつのまにか家族にストレージの大半を使われていた、という事態も大いにありえます。
iCloud+ストレージの消費は、無意識のうちに進行します。たとえば、システムのバックアップ。保存先をiCloud+に指定していると、ストレージをギガ単位で消費してしまいます。iCloud写真を有効にしている場合も、写真やビデオの点数が多ければそれだけストレージを消費します。
ファミリーメンバーのストレージ使用量上限を設定できない以上、ときどき「設定」→「Apple ID(自分の名前)」→「iCloud」→「アカウントのストレージを管理」画面で使用状況をチェックすべきでしょう。iCloud+の容量を増やすという手もありますが、月々の料金も増えますから、バックアップはできるだけパソコンにするとか、写真はOKでもビデオはNG、といったファミリールールを設けたほうがいいかもしれません。