iCloudを有償/サブスクリプションプランにアップグレードすると、ストレージ増量にくわえて「iCloud+(アイクラウド・プラス)」と呼ばれる付加サービスが利用できるようになります。「iCloudプライベートリレー」はそのひとつで、有効化するだけでWEBブラウジングの安全性とプライバシー保護を強化します。

iCloudプライベートリレーは、「設定」→「Apple ID(自分の名前)」→「iCloud」→「プライベートリレー」の順に画面を開き、「プライベートリレー」スイッチをオンにすれば有効になります。以降、通信内容は暗号化され、外部からiPhoneのIPアドレスを特定することは困難になります。Safariの閲覧状況も隠ぺいされるので、自分が誰でどのようなWEBサイトにアクセスしているかは、Appleですら調べることができなくなります。

iCloudプライベートリレーが有効なiPhoneは、ほかの端末/サーバからは「IPアドレスがちょくちょく変わる端末」に映ります。実際には接続経路に変化はほとんどないものの、途中にある「プライベートリレーネットワーク」と呼ばれるプロキシサーバの一種が随時切り替わるため、あたかも経路が変わったかのように見えるのです。

だから、iCloudプライベートリレーを有効にしても通信速度が大きく低下することはありません。通信速度を測るサイトにアクセスすると、iCloudプライベートリレーが無効なときより低速になったかのような測定結果が表示されることがありますが、それは見かけ上の数値で、実際のスループット(単位時間あたりのデータ転送量)や体感速度は大差ないことがほとんどです。

  • iCloudプライベートリレーを有効にしても通信速度が大きく低下することはありません