最新スマートフォン「Xperia 1 V」の発売を控え、ソニーが製品の詳細を紹介する体験会を開催。新製品で実現した新機能を、デモを交えて紹介しました。
低ノイズで人肌も美しく
Xperiaのハイエンドスマートフォンである「Xperia 1」シリーズは、クリエイターエコノミーを特にターゲットにした製品で、「好きを極めたい人々に想像を超えたエクスペリエンスを」というビジョンのもと、「素晴らしい体験価値をお届けすることを目指している」と、モバイルコミュニケーションズ事業本部 モバイルコミュニケーションズ事業部 事業部長の濱口努氏は話します。
ソニーの技術力を結集したという「Xperia 1 V」では、新たなセンサーとしてExmor T for mobileを搭載。暗所撮影では「ミラーレスカメラ並み」という画質を実現し、「大きな機材を使わずに簡単にそのクオリティの撮影ができる」(濱口氏)とアピールします。
音質/画質/ボディの重さ/薄さ/デザインといった面でフラッグシップにふさわしいモデルに仕上げたと濱口氏は自信を見せ、「『Xperia 1 V』は皆さまをクリエイターにする商品」だとしています。
デザイン面では、背面ガラスに独自のテクスチャーを施して滑りにくく、指紋もつきにくく、手触りの良い「機能性触覚デザイン」を採用。レンズを強調してよりカメラらしいデザインにもしています。
新センサーは、ソニーセミコンダクタソリューションズが開発した新たな2層トランジスタ画素積層型CMOSセンサーを採用したExmor T for mobileを搭載します。センサー自体の飽和信号量は従来比2倍、「Xperia 1 IV」比では約3倍というスペックとなり、ダイナミックレンジの拡大や前機種比約2倍の暗所ノイズ性能といった効果を実現しました。
「Xperia 1」シリーズとしては初めてのピクセルビニング採用によって、4,800万画素のセンサーから1,200万画素の画像を生成して記録。連写合成によってノイズを削減して記録します。特に夜景撮影時の人肌の描写がきれいに写るとアピールしています。
実際に撮影してみると、髪の毛のような細部はやや潰れ気味ですが、ノイズを抑えて描写を実現しています。確かに肌の描写が自然で、フルサイズミラーレスカメラと比べても遜色ないと言えるかもしれません。
静止画/動画向けにクリエイティブルックも搭載。これは色合いやコントラストなど、撮影者の意図通りの雰囲気に仕上げるプロファイルで、「α」シリーズのカメラにも搭載されているものです。シーンに応じて使い分けることで、撮影の幅が広がりそうです。
画質に関してはもう1つ、S-Cinetone for mobileも搭載。これもクリエイティブルックに近い機能ですが、プロ向けカメラ「VENICE」にも搭載されていたもので、特に人肌を美しく描写するとしています。
基本的に、「Xperia 1 V」の写真や動画はクリエイターの素材となるよう、自然で目で見たままを記録するというテイストになっています。派手な色味やHDRで目を引くという感じではありませんが、素材として活用してもらえるようにしていると濱口氏は話します。
他に、「α」シリーズにも搭載されていた商品レビュー用設定も搭載されています。これは顔検出をオフにして、手前の被写体によりピントが合いやすくなるモードで、手のひらを掲げて顔を隠すようにしなくても、小さな被写体にもピントが合ってくれます。
アウトカメラのみの設定なので、外部ディスプレイを使うか、被写体のほかに撮影者がいるような環境で便利な機能です。
音もゲームも進化した「Xperia 1 V」
カメラ以外では本体の上下前面に2つのスピーカーを配置。単なるステレオスピーカーではなく、ソニーの基準で「フルステージステレオスピーカー」として位置づけられる、高音質な内蔵スピーカーとなっています。
アンプを刷新して高性能化したことで、駆動電圧が向上。これまで電圧の関係で再現できなかった音域を再生できるようになり、特に楽器やボーカルの強い音を正しく再現できるようになったとしています。
さらにアンプ内のノイズが低減され、ノイズによって埋もれてしまっていた微細な音が再現できるようになったほか、低音域は200Hz近辺で1.4倍以上、80Hz付近で2倍以上、歳大音圧レベルは約10%の音圧が向上。よりダイナミックでクリアな音を実現したそうです。
実際にXperia 1 IVと比較してみると、正直私の耳では完璧には判別がつかないレベルでしたが、音楽によっては低音の迫力が増し、澄んだ音が聞こえるように感じました。特に手に持って視聴すると豊かな音がスピーカーから聞こえます。360 Reality Audioの空間オーディオもスピーカーで体験できます。
もう1つの強化ポイントはゲーミング。SoCが進化して性能自体が30%アップ。外付けのゲーミングデバイス「Xperia Stream」にも対応し、高負荷のベンチマークを5回連続してもパフォーマンスが低下しません。ちなみに「Xperia 1 V」単体でも放熱性能などが向上。「Xperia 1 IV」よりもパフォーマンス低下が少ないそうです。
プレイ中のスクリーンショットにシャッターボタンを割り当てられ、秒間5枚以上のスクリーンショットを撮影できるなど、便利な機能も盛り込んでいます。
ハイエンドスマートフォンとして、SIMフリー版(メーカー版)で194,700円という価格になっていますが、クリエイターに最適なスマートフォンとしてアピール。実際に事前に試したというクリエイターのAUXOUTさんや6151さんは、それぞれ動画と画像のレベルの高さに驚いたと紹介。
特に「α」シリーズで動画を撮影しているビデオグラファーのAUXOUTさんは、「αに匹敵するクオリティ」と指摘。フォトグラファーの6151さんは、ノイズの少ない夜景撮影を見て、「スゴいの一言」と話していました。
濱口氏は、「クリエイターをうならせる商品を作っていきたい」と強調。「Xperiaは数あるソニー商品の中でも、初めて触れるソニー商品になる可能性が高い」と濱口氏は話し、若年層にもXperiaに触れてもらってクリエイター育成の役割も果たせるような製品にしたいという目標を掲げていました。