「Wi-Fiにつなぐときのセキュリティをどれにするか」ですが、結論からいうと「WPA2/WPA3」という選択肢が妥当です。WPA2、WPA3がどのようなセキュリティ規格なのか、そもそも「WPA」は何なのかを踏まえつつ、WPA2/WPA3を選ぶべき理由を説明してみましょう。

WPAとは、Wi-Fi Allianceが2002年に発表した無線LANのセキュリティ規格で、通信内容を暗号化します。それ以前に存在したセキュリティ規格「WEP」に多くの欠陥/脆弱性が発見されたため、256ビットの鍵長(数値が大きくなるほどセキュリティ強度が向上)を持つ新仕様が追加されました。

その後継規格として用意されたのが「WPA2」です。強力な共通鍵暗号方式「CCMP」を採用、WPAと比べセキュリティ強度は格段に高まりました。データが到着する前の暗号化計算ができるため、高速に処理できることも特長です。2023年現在、大半の家庭用Wi-Fi機器ではこのセキュリティ規格がサポートされています。

WPA2の進化版といえるセキュリティ規格が「WPA3」です。WPA2との互換性を維持しつつ安全性が高められ、最新のWi-Fi規格「Wi-Fi 6」では必須要件とされています。つまり、Wi-Fi 6対応をうたうスマートフォンやルーターであれば、必ずWPA3をサポートしています。

iPhoneでWi-Fi設定を行うとき、適用するセキュリティ規格の選択肢として現れる「WPA2/WPA3」は、接続先のWi-Fiアクセスポイント/ルータでWPA2またはWPA3がサポートされているとき、WPA2またはWPA3で接続を試みるという意味です。WPA2とWPA3のどちらでつながるかは、Wi-Fiアクセスポイント/ルータ側の設定によりますが、比較的安全な接続方式といえます。

なお、「WPA○エンタープライズ」という選択肢もありますが、これは企業など規模の大きいネットワーク向けで、利用には特別な装置(認証サーバ)が必要です。一般家庭で使用されることはほとんどないため、誤って選択しないようにしましょう。

  • Wi-Fiにつなぐときのセキュリティ、どれを選べばいい?