ビッグローブは3月15日、2月に実施したZ世代の「タイパ(=タイムパフォーマンス)」「コスパ(=コストパフォーマンス)」「サブスク(=サブスクリプション)」に関する意識調査の結果を発表した。この調査によれば、Z世代の約半数が定額制の動画配信サービスを利用しており、動画サブスク利用者の約6割が「倍速で見られるから」をその理由のひとつに挙げていたという。
Z世代に「タイパ」「コスパ」を意識しているかを聞いた結果が次のグラフ。どちらも「意識している」「やや意識している」が半数を超えているが、「あまり意識していない」「意識していない」も3~4割はいる。この設問には対照のためのその他世代のデータが公開されていないため断言はできないが、世間で言われているほどZ世代がタイパ/コスパ重視というわけではないのではとも思われる。
次のグラフは、Z世代とその他世代(26~59歳)のそれぞれに利用しているサブスクリプションサービスについて聞いたもの。一見して、Z世代がサブスクリプションを積極的に利用していることがわかる。
利用しているサブスクリプションの種類ごとの順位は、Z世代でもその他世代でも大きくは変わらないが、上位の中では「ゲーム」と「マンガ・書籍」の順位がZ世代とその他世代で逆転している。また、「音楽」についても、Z世代とその他世代の差が大きい。このあたり、音楽やゲームはソフト買い切りが中心だった年配世代に対して、音楽サブスクリプションやゲームアプリの課金を当たり前のものとして育ったZ世代の差が大きいのではないかと思われる。
次のグラフは、サブスクリプションで利用しているサービスの月間金額。「1,000円未満」「1,000円~2,000円未満」という低額の層はその他世代のほうが多いが、このあたりは可処分所得の違いもあり、Z世代のほうがサブスクリプションに気前よくお金を使っていると考えてよいかは判断がつきづらい。ただ、3,000円を超えるレンジではZ世代とその他世代の差はほとんどなく、使ってよいと考えている金額感にそこまでの隔たりはなさそうだ。
サブスクリプションのうち、もっとも利用度合いの高い動画のサブスクリプションについて、サービスを利用している理由をZ世代に尋ねた結果が次のグラフ。「あてはまる」「ややあてはまる」とした人がもっとも多かったのは「好きな時間に見られるから」だったが、このあたりは他世代でも理由として挙げる人が多そうだ。
むしろ、Z世代の特徴といえそうなのは「倍速で見られるから」を「あてはまる」「ややあてはまる」としている人が6割近くいるという点ではないかと思われる。娯楽コンテンツの早送り再生やファスト動画などは“タイパ重視の若者世代”に対して年上世代がやり玉に挙げるものの代表で、この点の世代間の差の対照比較がなかったのは残念だ。
最後に、Z世代とその他世代のそれぞれに、お金をかけずに楽しんでいるものは何かを聞いた結果が次のグラフだ。
世代間の差が目立つのが「SNS」で、Z世代は全体の38.9%と4割近くが挙げているのに対し、その他世代では14.6%で半分以下。一方で、「SNS以外のインターネット」はZ世代が28.9%でその他世代が38.9%と、こちらはその他世代のほうが多い。同じインターネットでも、Z世代はSNS、その他世代はSNS以外を利用する傾向が強いようだ。
調査概要
- 調査名 :Z世代のタイパ・コスパ、サブスクの意識調査
- 調査対象:全国の18歳から25歳までの男女500人(比較対象として、26歳から59歳までの男女500人)
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2023年2月7日~2月9日