「MWC Barcelona 2023」にブースを出展している中国のオッポ(OPPO)。そのオッポは、2月28日に「Inspiration Show」というイベントを開催。同社のスマートフォンをはじめとしたさまざまな新製品を紹介するとともに、同社のグローバルでの取り組みや最新技術などについて説明しました。
完成度が高まった縦折りスマホ「OPPO Find N2 Flip」が目玉
オッポのOverseas CMOであるElvis Zhou氏は、まず同社の現在の状況について説明。スマートフォン市場シェアで4位の座を維持するとともに、中国外での出荷台数は55%に達し、東南アジアやインドでシェアを高めているとのこと。その理由について、Zhou氏は「急いでデバイスをリリースするのではなく、より洗練された製品を提供するため研究開発に時間をかけている」と話しています。
その成果が製品の評価にもつながっており、ポジティブなフィードバックを得ているとのこと。なかでも、折り畳み式スマートフォンは初めて投入した「OPPO Find N」が高い評価を得たことから、その次のシリーズとなる「OPPO Find N2」シリーズのグローバル展開を推し進めるに至ったとのこと。実際、同社のブースにおいては、欧州などでの投入が発表された「OPPO Find N2 Flip」が展示の中心に据えられていました(日本での発売は未定)。
OPPO Find N2 Flipは、6.8インチのディスプレイを搭載した縦折りスタイルのスマートフォン。背面に3.26インチの大きなディスプレイを搭載しており、折り畳んだ状態でも通知をチェックしやすく、さまざまな操作ができるというのが特徴の1つとなっています。
そして、もう1つの特徴はカメラで、メインカメラにはスウェーデンのカメラメーカーであるハッセルブラッドと共同開発した5,000万画素のメインカメラと800万画素の超広角カメラを搭載。加えて3,200万画素のフロントカメラも搭載しており、90度折り畳んだ状態でセルフィーなどを撮影しやすくなるのもポイントとなっています。
周辺のデバイスが発する電波で充電できるスマートタグも!
ほかにも、オッポはウェアラブルデバイスやワイヤレスイヤホンなどさまざまなIoT製品を投入しており、50以上の国と地域で販売しているとのこと。なかでも、同社の先端的な取り組みを示すデバイスとなるのが、2022年に発表したスマートグラス「OPPO Air Glass 2」です。オッポは2021年にも、さまざまな情報をレンズ上に表示するスカウター型の「OPPO Air Glass」を発表していますが、OPPO Air Glass 2はそれを進化させ、なおかつ眼鏡型のデバイスとしてまとめ上げたものとなります。
重量は約38gと軽量なことから通常の眼鏡とサイズ感は大きく変わらず、やや大きめの眼鏡といった印象。その眼鏡のレンズ上に緑色の文字やグラフィックでさまざまな情報が表示される仕組みで、右側面をタッチすることでアプリケーションを操作・選択し、天気などを表示したり、音楽を聴いたりできます。いわゆるARグラスの一種ではありますが、3Dグラフィックなどを用いるのではなく、文字などでの情報表示に特化していることで、実用性に注力した内容といえるでしょう。
さらに、Head of Wireless Product R&D Center at OPPOのJensen Jie氏からは、Wi-Fi6対応のメッシュルーター「OPPO Wi-Fi6 Router」、そしてスマートタグの「OPPO Zero-Power Tag」の紹介がなされました。なかでもOPPO Zero-Power Tagは、スマートタグとしてやや大きめのカード型のデバイスとなりますが、周辺にあるデバイスが発する電波から電力を供給する仕組みを備えており、充電や電池交換の手間がかからないのが最大のポイントとなっています。
もう1つ、新たな取り組みとしてアピールしていたのが「OPPO 45W Liquid Cooler」です。こちらは主としてゲーミングでの利用が想定されている、スマートフォンを冷却しながらワイヤレス充電できるデバイス。ゲーミング用のクーラーとしてはサイズがかなり大きいですが、冷却する部分と接続部分を分けることでファンの音の影響を抑えるとともに、45Wの液体冷却機構によって13度の急速冷却を実現。さらに、タブレットの充電もできる10Wのワイヤレス充電もサポートするなど、非常に高い性能を備えているようです。
ちなみにオッポのブースには、同社の傘下企業で特徴のあるハイエンドモデルなどを展開しているワンプラスのスマートフォンも展示。同社のハイエンドモデル「OnePlus 11 5G」をベースに開発され、今回のMWC Barcelonaに合わせて発表されたコンセプトモデルの展示もなされていました。
こちらは透明な背面カバーと最先端のエッジング加工技術が施されたボディに、液体冷却機構を搭載。青い冷却液が循環するなど、本体の冷却とデザインを両立した先進性が特徴となっており、ゲーミング用途を意識したものといえそうです。あくまでコンセプトモデルということで、実際にこの仕組みが導入されるかは分かりませんが、意欲的なモデルに取り組む姿勢のアピールに一役買っていることは確かだといえそうです。