考察
ということで4パートに分けてGenoaの特徴をご紹介してきた。競合となるのはSapphire Rapidsこと第4世代Xeon Scalable(とXeon MAX)ということになるが、そもそも最大でも$11,000(EPYC 9654)であり、$17,000のSapphire Rapids(Xeon Platinum 8490H)とは比較にならない。消費電力は定格で360W(EPYC 9654)と350W(Xeon Platinum 8490H)だから同程度というかややGenoaが高い様に見えるが、EPYC 9654が96コアとXeon Platinum 8490Hより60%もコア数が多く、しかも動作周波数もやや高めという事を考えると、性能/消費電力比ではGenoaの方に軍配が上がる事になる。
Sapphire Rapidsのメリットは様々なアクセラレータを搭載している事と、4/8 Socketまでの拡張が可能な事で、Genoaを選ぶかSapphire Rapidsを選ぶか? という選択の際の基準は、こうしたSapphire Rapidsのメリットが自身のニーズに合致しているか否か、というあたりになりそうだ。
EPYCも第4世代になり、熟成が進んだ感がある。Xeon Scalableも奇しくも第4世代な訳だが、基本性能を高めるか、重厚なアクセラレータを搭載するか、という方向性の違いが浮き彫りになった気もしなくはない。どちらが正解というものでもないのだろうが、さてユーザーニーズに応えやすいのはどちらであろうか?