シグマは1月12日、YouTubeでオンライン発表会「SIGMA STAGE ONLINE」を実施し、フルサイズミラーレス用の超望遠ズームレンズ「SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports」を発表した。標準域の60mmから超望遠の600mmまでを1本でカバーする高倍率タイプなのが特徴。新開発のAFモーターを搭載してAFを高速化したほか、新開発の手ブレ補正アルゴリズムの搭載で最大7段分の補正を可能にした。ズームは回転式と直進式の両方の操作が可能で、繊細なズーミングと素早いズーミングが使い分けられる。

希望小売価格は368,500円で、発売は2月17日の予定。Eマウント版とLマウント版を用意する。

  • 待望のフルサイズミラーレス版が登場した高倍率の超望遠ズームレンズ「SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS|Sports」

60mm~600mmの幅広いレンジを1本でカバーする、ズーム倍率10倍の超望遠ズームレンズ。一眼レフ用の「60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM」は2018年に発売しているが、今回ミラーレス専用設計としてAFや手ブレ補正の改良を施し、EマウントとLマウント版を投入する。

  • 10倍のズーム比を持つ超望遠ズームだけに、本体は存在感がある。ズームはリングの回転だけでなく、先端を前後に動かす直進式にも対応する

  • ソニーの「α1」に装着したところ。かなりの存在感!

光学設計を一新して色収差を良好に補正し、描写性能を向上した。ワイド端時の最短撮影距離は45cm、焦点距離200mm時では最大撮影倍率を1:2.4に高め、望遠マクロ撮影もできるようにした。Lマウント版は1.4倍テレコンバーター「TC-1411」と2.0倍テレコンバーター「TC-2011」に対応する。

  • Lマウント版は純正テレコンバーターに対応する

オートフォーカス性能も改善した。出力を高めた新開発のリニアモーター「HLA」(High-response Linear Actuator)の採用で、AFの高速化や高精度化、静粛化を図り、動きの激しいスポーツ撮影や野生動物の撮影の追従性を高めた。

手ブレ補正機構(OS)は、新開発アルゴリズム「OS2」の採用で補正効果を高め、ワイド端では7段相当、テレ端では6段相当の補正を可能にした。モータースポーツなど流し撮り撮影に向く補正モードも備える。

ズームは、ズームリングを用いた一般的な回転式ズームと、レンズの先端部をつかんで操作する直進式ズームの両方の操作ができる「デュアルアクションズーム」に対応。回転式ズームによる繊細なズーミングと、直進式ズームによる素早いズーム操作の両方を使い分けられる。

レンズの側面にはフォーカスリミッタースイッチを搭載し、撮影シーンに応じてAF時のフォーカス駆動範囲を制限してピント合わせの速度を速められる。任意の機能を割り当てられるAFLボタンは3つ搭載する。レンズは防塵防滴構造で、レンズの前面には撥水防汚コートを施している。

  • 側面にはフォーカスリミッタースイッチや手ブレ補正モードの切り替えスイッチなどを配置する

  • 防塵防滴構造なので、対応ボディと組み合わせればちょっとした雨の降るなかでも撮影できる

  • レンズ構成:19群27枚(FLD2枚、SLD3枚)
  • 画角:39.6-4.1°
  • 絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
  • 最小絞り:F22-32
  • 最短撮影距離:45-260cm
  • 最大撮影倍率:1:2.4(焦点距離200mm時)
  • フィルターサイズ:φ105mm
  • 最大径×長さ:φ119.4mm × 279.2mm
  • 質量:2,495g