具体的には、100年超にわたる世界の地震統計データおよび過去の南海トラフ地震発生履歴を組み合わせ、同地震が連続発生する確率を、先発地震から後発地震までの経過時間ごとに算出することにしたとする。
世界の地震統計データから、3年以内にM8.0以上の巨大地震が連続する確率は5.3~18%と算出され、同時に確率の時間変化曲線も導出された。次に、1361年以降の南海トラフ地震の発生履歴から、同地震の3年以内の連続発生の確率が導き出された。最後に、その確率の時間変化曲線と3年以内の巨大地震の連続発生確率から、先発地震の発生後から以下のように経過時間ごとの後発地震発生確率が導き出された。
- 6時間以内:1.0~53%
- 12時間以内:1.3~60%
- 1日以内:1.4~64%
- 3日以内:1.8~72%
- 1週間以内:2.1~77%
- 2週間以内:2.3~81%
- 1か月以内:2.6~85%
- 3年以内:4.3~96%
なお今回の研究から、後発地震の発生確率には大きな不確実性が伴うことが定量的に示されると同時に、世界の他地域と比べて南海トラフ地震の連続発生確率が大きい可能性があることが示されたという。そのため、一度の巨大地震により、連続して巨大地震が発生する確率が平時と比べて一時的に急上昇する可能性があることも示されたとする。平時に比べて、発生する確率がどれだけ高くなるかは以下の通り。
- 6時間以内:1300~7万倍
- 12時間以内:860~4万倍
- 1日以内:460~2万1000倍
- 3日以内:200~7900倍
- 1週間以内:99~3600倍
- 2週間以内:54~2000倍
- 1か月以内:28~910倍
- 3年以内:1.3~29倍
今回の研究結果について研究チームでは、南海トラフ地震臨時情報に基づく対応の科学的根拠を強めるものと考えられるとしている。