2022年12月17日、【『龍が如く』シリーズ17周年記念 突撃! 「龍スタ」ファンミーティング】が開催された。ファンミーティングには、事前申し込みの抽選で選ばれたファンが参加。当日は、キャプチャースタジオやサウンドスタジオなどの「スタジオツアー」、「龍が如くスタジオ」スタッフとの交流会が行われた。

  • 【『龍が如く』シリーズ17周年記念 突撃! 「龍スタ」ファンミーティング】に潜入!

サウンドスタジオとキャプチャースタジオを見学!

『龍が如く』シリーズは、「大人向けのエンタテインメント作品」というコンセプトのもと、2005年に誕生したゲーム。現在ナンバリングタイトル8作品、スピンオフ作品8作品がリリースされており、2023年2月22日にはスピンオフ作品『龍が如く 維新!』のリメイク版『龍が如く 維新! 極』を、2023年には新作スピンオフ作品『龍が如く7 外伝 名を消した男』を、2024年にはナンバリング最新作『龍が如く8』を発売予定だ。

特に『龍が如く7 外伝 名を消した男』と『龍が如く8』は、2022年の東京ゲームショウ開催前にティザートレーラーが公開されただけで、それ以外の情報はまだ明らかにされていない。しかし、今回のファンミーティングで実施されたスタジオツアーでは、サウンドスタジオで『龍が如く8』のワンシーンの効果音チェック作業を見学できた。

しかも、ファンミーティング向けに用意された「演出」や「説明」ではなく、“ガチチェック”。作品を開発しているリアルな風景の一端を垣間見られたわけだ。

スタジオでは、開発中の『龍が如く8』の映像がメインのディスプレイから流れ、5つのスピーカーから大ボリュームの音が室内に響きわたる。細かい効果音までクリアに聞こえ、映画館の爆音上映かと思うほどの迫力に圧倒された。

すると、龍が如くスタジオ代表で製作総指揮の横山昌義氏が「ここの音が質感に合っていない気がする。“カン”じゃなくて“コン”のほうが近い」「この川にそぐわないキレイな水の音だから粘度のある濁った感じを出したい」などと修正案を提示。開発スタッフが「わかりました」とメモを取っていると、「もう1回最初から」と、繰り返し再生する。

わずか30秒ほどのシーンを何度も確認してから、「あんま直すところないかも」とコメント。そのやりとりからは、何も考えずにゲームをしていたら気に留めないそうな効果音1つまで妥協せずに開発していることが伝わった。

サウンドスタジオは撮影NGだったので、写真はお見せできないうえ、具体的なシーンの言及もできないが、参加したファンが完成作品をプレイするときには、「スタジオツアーの修正がちゃんと反映されている」と感じることだろう。また、音1つにまでこだわる熱量に触れたことで、これまで以上に効果音を意識してプレイするようになるかもしれない。

サウンドスタジオの次は、キャプチャースタジオを見学だ。『龍が如く』シリーズといえば、多くの芸能人が出演していることでも有名な作品である。しかも、声だけでなく、姿も本人そのもの。スピンオフ作品『JUDGE EYES:死神の遺言』『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』では、木村拓哉さんが主人公の八神隆之を演じていることでも話題になった。木村拓哉さんを自由に操作している感覚を味わえるゲームはおそらくほかにないだろう。

  • 「木村拓哉 in ゲーム」のコピーで話題を呼んだ『JUDGE EYES:死神の遺言』

キャプチャースタジオは、そんな出演キャラクターの3Dモデルを作るための場所。30台のカメラが椅子を取り囲んでおり、さまざまな角度から撮影を行う。その光景は圧巻。部屋を見たファンからは「おお~」という歓声があがった。

見学では、ファンから1人だけ希望者を募り、撮影を体験。また、これまで登場したオリジナルキャラクターの3Dモデルをさまざまな角度から紹介してくれた。

『龍が如く7 光と闇の行方』主人公の「春日一番」の3Dモデルをアップにすると、ヒゲの1本1本まで描写されているがよくわかる。「真島吾朗」は、毛穴までしっかり作りこまれているうえに、眼帯の糸まで丁寧に再現されていた。そのほか、『龍が如く7 光と闇の行方』で登場する「向田紗栄子」「ソンヒ」といった女性のキャラクターは、特に肌をキレイに意識しているなど、サウンド同様、開発のこだわりが伝わった。

  • キャプチャスタジオでは、1つの椅子の周りに30台のカメラがズラリ。見学では撮影した写真をもとに3Dモデルを生成するところを見せてもらえた。過去に撮影してきた芸能人も30台のカメラに囲まれると緊張するらしく、スムーズに撮影できないこともあるのだとか

  • そのほか、オリジナルキャラクターのモデルをそれぞれじっくり見せてもらった

  • 『龍が如く7 光と闇の行方』主人公の春日一番

  • ヒゲ1本1本までしっかり作りこまれている

  • 続いて歴代シリーズの主人公である桐生一馬

  • ドアップで見ると作りこみの丁寧さが改めてよくわかる

  • 真島吾朗の眼帯は質感だけでなく糸まで再現

  • 毛穴まで一切の妥協なし

  • 衣服は何層もテクスチャを重ねて質感を出しているそう

  • 『龍が如く7 光と闇の行方』の向田紗栄子。女性は肌がキレイに見えるよう意識しているとのこと

  • 『龍が如く7 光と闇の行方』で登場するソンヒ。ピアスの留め具まで再現していることには驚かされた

スタジオ見学のあと、参加したファンは、『龍が如く 維新! 極』と宅配御膳「釜寅」のコラボメニューを食べながら、開発スタッフと交流会に参加。さらに、「神室町ラジオステーション」の公開収録と、龍スタTV#15 「感謝の宴」生放送を見学するというボリューム満点のファンミーティングになったことだろう。

  • 2023年2月の『龍が如く 維新! 極』発売に合わせて、宅配御膳「釜寅」のコラボが決定

  • コラボメニューは厚切り牛タン御膳。ひつまぶしスタイルで、まずはそのまま食べ、そのあとは、きざみのりやネギといった薬味、生わさび、唐辛子味噌で味変。温かい出汁をかければお茶漬けのような優しい風味を楽しめる

  • セガサミーの社員食堂で、「釜寅」のコラボメニューを食べながら、「龍スタ」メンバーと交流

  • 「感謝の宴」生放送では、『ポプテピピック』とのコラボも発表された

  • 生放送の出演者。左から横山昌義氏(龍が如くスタジオ 代表・制作総指揮)、黒田崇矢氏(桐生一馬・坂本龍馬・斎藤一役)、宇垣秀成氏(真島吾朗・沖田総司役)、阪本寛之氏(龍が如くシリーズチーフプロデューサー)

  • 交流会が行われたフロアでは、シリーズのグッズ展示も行われていた

龍スタTV#15 「感謝の宴」生放送の動画。客席に座っているのがファンミーティングの参加者

『龍が如く 維新! 極』を試遊! 夜の京の街を散策した

なお、同日、ファンミーティングとは別に、メディア・インフルエンサー限定で『龍が如く 維新! 極』を試遊する時間が設けられた。短い時間ではあるが、いくつかのサブストーリーをプレイできたので、簡単にインプレッションを紹介しておこう。

『龍が如く 維新! 極』は、2014年にリリースされたスピンオフタイトル『龍が如く 維新!』のフルリメイク版。ジャンルはアクションアドベンチャーだ。舞台は幕末の日本。主人公の坂本龍馬が素性を隠し、名前を捨て、「斎藤一」として「新選組」に潜入するストーリーだ。一部キャストを刷新し、オリジナル版の発売以降に登場した新しいナンバリングタイトルを含めた『龍が如く』シリーズのキャラクターが登場する。

今回プレイしたのは「幕末漫遊中」のシーン。自由に京の街を散策できるということだったので、ブラリとその辺りを歩いてみた。

  • 『龍が如く 維新! 極』を試遊させてもらった

京の街は、飲食店やプレイスポットがひしめき合っており、多くの人でにぎわいを見せる。だが、繰り返しになるが、舞台は幕末だ。倒幕や尊王攘夷を掲げる志士による暴行があちこちで勃発しており、決して治安がいいとは言えない。

実際、試遊開始地点からほど近い銭湯に入ったところ、さっそく着物の盗難に遭う。まさか、開始早々にふんどし一丁で盗人を追いかけることになるとは思わなかったが、なんとか犯人を確保し、着物を取り戻すことに成功した。

  • 夜の伏見は飲食店などでにぎわう

  • 幕末の銭湯ってどんなものだろうかと入ってみたら……

  • 着物の盗難に遭った。これには坂本龍馬もびっくり

  • ふんどし一丁で盗人を追いかける

  • 伏見を駆け回り、盗人を捕まえることに成功した

現代の神室町や異人町ではあちこちでトラブルが起きるが、幕末の京の街も気を抜けない。着物泥棒を成敗したのも束の間、すぐに怪しげな外国人に「酒を飲もう」と声をかけられた。

その外国人と酒を酌み交わしていると、もう一軒行こうと誘われる。「洛外は治安が悪いからやめといたほうがいい」との説得も虚しく、次の店に向かうと、案の定、絡まれる2人。どうやら「異人だから」という理由で攘夷志士に襲われたようだ。

  • 陽気な外国人から声をかけられ、一緒に酒を飲むことになる

  • 日本人と話すことが好きらしく、悪い人には見えない。洛外で飲みなおそうと提案を受けるが……

  • 案の定、人斬りに遭遇。もちろん、新選組として成敗した。なお、このサブストーリーをクリアすると、この外国人アーネスト・サトウさんの「手記集め」に協力できるようになる

  • ほんと、その通りだと思う

また、街を散策していると、血の気の多い武士にいきなり襲われることも少なくない。ほかにも、力士が倒れていたり、ええじゃないか騒動に巻き込まれたりと、数メートル移動するごとになにかが起きるのではないかと思うほど、かなりの密度でサブストーリーが用意されていた。「花札」や「競鶏」といったプレイスポットも豊富なので、メインストーリー以外の要素でも幕末の時代をみっちり楽しめるだろう。

  • 街を歩いていると、血の気の多い武士が斬りかかってくる。この理不尽にいきなりケンカを売られる感じが『龍が如く』シリーズならではの魅力でもある

  • 坂本龍馬は、刀で斬る「一刀」、リボルバー式の「短銃」、刀と銃を同時に使う「乱舞」、己の拳で叩きのめす「格闘」といったスタイルを切り替えながら戦う。各スタイルには新選組の隊士カードをセットするといったシステムも用意されており、幅広い戦術を楽しめそうだ

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