スマートフォンで「シムピン」というと、SIMトレイを引き出すときに使う金具のほかに、SIMカード保護機構の2種類があります。前者はiPhoneに付属しているのでわかるとして、問題は後者。聞いたことがないという人も少なくないはずです。

保護機構のSIM PINは、SIMカードの不正利用防止が目的です。SIMカードにはモバイル回線の契約データや連絡先などの重要なプライベート情報が記録されているため、盗難・紛失に備えようというわけです。

SIM PINを有効にしていると、スマートフォンを再起動したりSIMカードを取り外したとき、自動的にロックがかかり解除しないかぎり電話やデータ通信が利用できなくなります。なお、SIMカード(物理SIM)だけでなくeSIMにもSIM PINが存在します。

解除のための暗証番号(PINコード)は4から8桁の数値により構成されますが、通信キャリアにより設定は異なります。たとえば、ドコモは「0000」、ソフトバンクは「9999」に初期設定されていますが、auは「1234」か設定なし、などと違いがあります。

PINコードの入力を3回連続で間違えるとコードがロックされます。以降はSIMカードにアクセスできなくなり、データ通信などのサービスが利用不能になりますが、PINロック解除コードを入力すれば元どおり使えるようになります。

キャリアによっては、2つのPINコード(PIN1/2)を設けている場合があります。ドコモを例にすると、PIN1コードは5G/Xi/FOMA端末用で、設定していると電源を入れるたびにPINコード入力画面が表示されます。PIN2コードは累計通話料金をリセットするなどの目的に使用されます。

iPhoneでSIM PINのPINコードを設定するには、『設定』→「電話」(SIMによっては「モバイル通信」)→「SIM PIN」の順に画面を開き、「SIM PIN」スイッチを有効にします。ここで入力した数値がPINコードとして使用されるため、忘れないよう注意しましょう。

  • 「SIM PIN」の役割とは