ツインバードは10月20日、4ドアタイプ冷蔵庫の新製品(2モデル)を発表しました。いずれも総容量354Lの少人数世帯向け中型冷蔵庫で、日本人の身体に合わせた幅広薄型デザインを採用。冷蔵庫の最上段奥まで無理なく手が届く使い勝手の良さが特徴です。

ラインナップは、標準モデル「背伸びせず使える冷蔵庫 HR-E935W」と、サイズや容量は同スペックですが触れると扉の一部が透けて内部が見える機能を追加した「中身が見える冷蔵庫 HR-EI35B」という2モデル。機能もネーミングも特徴的なこの2モデルを、プレス向け新製品発表会にてチェックしてきました。発売は11月8日、価格はオープン、推定市場価格は「背伸びせず使える冷蔵庫 HR-E935W」が180,000円前後、「中身が見える冷蔵庫 HR-EI35B」が230,000円前後となっています。

  • 左が「背伸びせず使える冷蔵庫 HR-E935W」、右が「中身が見える冷蔵庫 HR-EI35B」です。身長は165cmというマイナビニュース・デジタル編集部の林編集長と並ぶと、冷蔵庫とほぼ同じ高さ

  • 発表会にはお笑いトリオ「森三中」も応援に。トークショーでは誕生日を迎えたばかりという黒沢さんにバースデーケーキが贈られるサプライズも。「中身が見える冷蔵庫 HR-EI35B」を正面からのぞき込むと、バースデーケーキが入っていたという演出

幅広薄型の冷蔵庫、背が低めの女性でも背伸びせず使えるデザイン

2モデルとも、定格内容量は354L、本体サイズは幅685×奥行き630×高さ1648mmです。この容量は「中型冷蔵庫」に分類され、自炊をする一人暮らしや二人暮らしといった少人数世帯に人気です。一般的に中型クラスの冷蔵庫は本体サイズが170~180cmほどありますが、今回の新製品は高さ164.8cmと高さを低く抑えています。

  • 森三中の大島美幸さんと並んで。身長166cmの大島さんは「天井に汚れが溜まっていないか目で見られるのは新鮮!」と絶賛。キレイ好きという大島さんは、自宅の冷蔵庫の天井には汚れが付かないようにラップを敷いているんだとか

  • 身長147cmの村上知子さんは、冷蔵庫上段にある食材の取りやすさに注目。いま使っている冷蔵庫は最上段に手が届かないため、最上段には夫のビールしか置いていないそうです。これなら自分も上段まで使えると喜びの声

開発に携わったツインバードの神成紘樹さんによると、日本人女性の平均身長は157cmほど。シニア世代になると、さらに平均身長は低くなります。高さが170~180cmの一般的な冷蔵庫だと上のほうにある食材を確認しにくいほか、最上段の食材を取るために背伸びなど無理な姿勢が必要です。

そこで、新製品はクラス平均から高さを12cmほど、奥行きを3cmほど抑えました。平均より少し背が低い人でも、冷蔵庫の奥までラクに手が届くようにしています。ただしそのぶん、本体の幅は中型冷蔵庫としてはやや幅広です。

  • ツインバード 開発本部 企画デザイン部 プロダクトデザイナーの神成紘樹さん

  • 神成さんの母親が、冷蔵庫の上段から食材を取りにくそうにしていたことが開発のきっかけ。上段は目線の問題で食材がチェックしにくいことから、実家の冷蔵庫には賞味期限・消費期限が切れた食材がたくさん入っていたそうです

  • 新製品は自然な姿勢でも最上段の奥の壁まで手が届きます。上段の棚を見下ろす目線になるので、食材のチェックもしやすそう

中型冷蔵庫ながら、フレンチタイプの両開きドアを採用しているのも特徴。両開きドアは製造コストがかかるため、一般的にプレミアムタイプの大型冷蔵庫で採用される構造です。

ツインバードは「両開きドアのほうが、ポケットにある食材の重さを分散できてドアが開きやすい」という理由から、両開きドアとしました。両開きデザインにすることで、使いやすさだけではなく見た目の高級感もアップしています。

  • 両開きタイプの冷蔵室は容量191L。左右にポケット収納部があり、右側ポケットには背の高いボトルも収納できます

  • 村上知子さんは「この冷蔵庫、チルド室が2段になっている!」と興奮

  • こまごまとした食材を入れることが多いチルド室は散らかりがちなので、2段だと整理しやすいと好評でした

冷凍室は容量103L。これは中型冷蔵庫としては最大の冷凍容量とのこと(ツインバード調べ)。コロナ禍でまとめ買い需要や作り置きが増えているため、冷凍容量に余裕があるのは魅力ですね。

最下段には容量60Lの野菜室を配置しています。野菜室はメインの冷蔵室よりも少し高い温度帯の7℃前後に設定。温度を低くしすぎないことで、葉物野菜などを長持ちしやすくしています。

  • 大容量の冷凍室は中段に位置しているので、それほどかがまずに食材を出し入れできます

冷蔵庫の中をじっくり確認

ここまでは新製品(2モデル)共通の特徴ですが、「中身が見える冷蔵庫 HR-EI35B」のみ、扉を開けなくても冷蔵庫内を見られるユニークな機能を搭載。

メイン冷蔵室右側のドアのみハーフミラーとなっており、明るい面からは鏡のように見え、暗い面からは明るい側が透けて見える構造。ドア下部にあるセンサーをタッチすると、庫内の照明が点灯してミラーガラスが透ける仕組みです。扉を開けずに、冷蔵庫の中を確認できることが最大のメリットです。

【動画】ドア下部にあるセンサーにタッチすると、庫内の照明が点灯して右側ドアのハーフミラーが透過します。動画ではセンサーをタッチして消灯しましたが、放置しても30秒ほどで自動的に消灯します

  • 「扉が透けて中身が見える」機能をお試しした森三中の黒沢かずこさん、扉を開けずに冷蔵庫内のケーキを発見。「ハッピーバースデー黒沢かずこさんって書いてある!」とびっくり。10号サイズの大きなケーキが入る冷蔵室です

冷蔵庫は扉を開くと冷気が逃げるため、省エネのためにもドアを開く時間をできるだけ短くすることが大切。これはよく言われることですが、ツインバーの調査によると、約7割のユーザーは冷蔵庫の開閉にプレッシャーを感じているといいます。

「早く閉めなきゃ」と追われると、庫内を落ち着いた手観察できませんよね。すると冷蔵庫内の食材を把握できないというデメリットが出てきてしまいます。省エネを考えてドアの開閉時間を気にしていると、今度は気付いたら賞味期限・消費期限が過ぎていた――というフードロスが起きがちです。

「中身が見える冷蔵庫 HR-EI35B」は、扉を閉めた状態でも冷蔵庫内を観察できるため、「省エネ」と「庫内を把握することによるフードロス削減」を満たしてくれます。

  • 冷蔵庫の開け閉めに関するツインバードの調査。皆さんはいかがですか?

【動画】のぞき窓は右側の扉だけですが、庫内の左奥に置いた食材もちゃんと外から確認できました。食材の容器などに書かれた賞味期限・消費期限までは見えないことも多いと思いますが、冷蔵庫に何が入っているかわかるだけでも、「これはそろそろ使い切らなくちゃ」ってなりますよね

リブランディングを進めるツインバード、社名変更も

ツインバードは「本質的に価値ある家電を追求する」をコンセプトに、2021年からリブランディングをスタート。その一環として、今回の新製品とともに社名を「ツインバード工業」から「ツインバード」に変更することを発表しました。

リブランディングでは、ツインバードの家電を大きく「Kando Simple」と「Takumi Premium」という2つの新しいブランドラインに分類。今回の新型冷蔵庫は、自分の生活にフィットし、シンプルなデザインで日常生活に寄り添うKando Simpleシリーズの製品となります。

「背伸びせず使える冷蔵庫 HR-E935W」は180,000円前後、「中身が見える冷蔵庫 HR-EI35B」は230,000円前後と、中型冷蔵庫としては高価な部類。ツインバードは比較的コストパフォーマンスの良い製品で認知されていましたが、今後は新型冷蔵庫のような「いままで当たり前のようにあった不満点」を解消する製品を開発していくとしています。

  • リブランディングについて語るツインバード 代表取締役社長 野水重明氏