日立グローバルライフソリューションズは、コネクテッド家電となる冷凍冷蔵庫の新製品を発表しました。本体上部にカメラを備え、庫内の在庫状況をアプリでチェックできます。買い物に便利です。

  • 本体上部にカメラを搭載した、日立グローバルライフソリューションズの新型冷凍冷蔵庫

ラインナップは、「まんなか冷凍 HXCCタイプ」のR-HXCC62S(容量617L)とR-HXCC54S(容量540L)。「まんなか冷凍 HWタイプ」のR-HW62S(容量617L)とR-HW54S(容量540L)とR-HW49S(容量485L)。「まんなか野菜 XKCCタイプ」のR-KXCC50S(容量498L)の6モデルです。

  • 左から、容量617LのR-HXCC62S、540LのR-HXCC54S、498LのR-KXCC50S、617LのR-HW62S、540LのR-HW54S、498LのR-HW49Sです。カラバリは、HXCCタイプがクリスタルミラーとクリスタルシャンパン、まんなか野菜HXCCタイプがクリスタルミラー、HWタイプがハーモニーシャンパンとピュアホワイトとなります

発売日は、HXCCタイプが2月24日、HWタイプが2月17日、KXCCタイプが2月24日。価格はオープンで、推定市場価格は以下です。

  • R-HXCC62S:495,000円前後(617L、カメラ付き)
  • R-HXCC54S:440,000円前後(540L、カメラ付き)
  • R-HW62S:418,000円前後(617L、カメラなし)
  • R-HW54S:363,000円前後(540L、カメラなし)
  • R-HW49S:341,000円前後(485L、カメラなし)
  • R-KXCC50S:473,000円前後(498L、まんなか野菜室、カメラ付き)

カメラとアプリで冷蔵庫内の食材をチェック

今回の新製品では、「まんなか冷凍 HXCCタイプ」と「まんなか野菜 XKCCタイプ」で、冷蔵庫本体の上部(天面)にカメラを設置した点が特徴です。冷蔵室のドアを開けたとき、冷蔵室の棚とドアポケットを自動で撮影します。撮影した写真は「日立冷蔵庫コンシェルジュアプリ」から確認できます。

  • 冷蔵庫の上部にカメラを設置しました

  • くるっと横に動かすと収納できます

自動撮影は、冷蔵室の扉を開けてから3秒後。これはアプリから調整できます。庫内の灯りがいったん暗くなったときが撮影したタイミングです。撮影した写真は、左ポケット、棚、右ポケットに分割してアプリに送られます。

  • 撮影するときに一瞬、庫内が暗くなります

  • 左側のドアポケット部分。調味料のストックなどを確認できます

  • 棚の手前にある食品が写ります

  • 右側のドアポケット。飲みものや卵などの残りを確認できます

アプリに保存する画像は1カ所につき6枚まで。食事の支度などで何度も開けると、短時間に何度も撮影されてしまいます。そういうときはアプリで設定して、自動撮影をオフにしておけばOKです。さらに、冷蔵室の扉部分に手動の撮影ボタンがあるので、自分のタイミングでも撮影できます。

  • アプリで撮影のタイミングを設定できます

  • 扉の下に手動撮影用のボタンを用意

撮影した画像をアプリ上で拡大して見れば、買い物途中で「卵あったかな?」「マヨネーズまだ残っていたかな?」など、食材の残りを外からチェックできて便利。ただし冷蔵室の棚の奥は写らないので、チェックしたい食材は棚の手前に置いておく必要があります。

また、冷蔵庫のドアが閉まっている状態で内部を撮影することはできません(カメラが外側にあるので当たり前ですが……)。いったん撮影しないと内部の状況は記録できないので、買い物に出かける前に冷蔵庫の中をざっと目で見て確認しつつ(すると自動撮影もされます)、買い物しているときの「記憶補助」のような使い方がいいのかもしれません。

  • 試しに、棚の中央にあったチーズと瓶を少し奥に置いてみました

  • チーズと瓶は写真には写りませんでした。買う頻度が高い食材は、棚の手前に置くようにします

野菜室や冷凍室は写りません。個人的には、野菜室に入ってる野菜の鮮度や、タマネギの個数など何が残っているかが気になるので、いずれ野菜室の中や入っている物を外から確認できるようになるとうれしいですね。

余談ですが、ドアポケット部分を含めて割と広い範囲を撮影しているため、冷蔵庫の周りが少し写り込むことがあります。子どもが冷蔵庫から飲みものを取り出すとき一緒に写れば、帰宅の確認にもなりそう。

  • ドアポケット部分に近づいてカメラに視線を向けるマイナビニュース・デジタルの林編集長

  • しっかり撮影されていました

最上段は500mlのペットボトルをそのまま立てて収納できる

新製品では薄壁設計も採用しています。冷蔵庫は外側と内側の「箱」の間に断熱材が入っているのですが、この断熱材は真空断熱材と発泡ウレタンが一般的。冷蔵庫の幅を変えずに庫内の容量を大きくするには、この断熱材部分を工夫する必要があります。

日立グローバルライフソリューションズが採った手法は真空断熱材の強化。壁の一部で発泡ウレタンをなくしたことで、薄くしました。R-HXCC625の場合、従来モデルと変わらぬ幅685mmのまま、容量を15L拡大しています。

これにより、最上段部分の高さを確保し、500mlのペットボトルを立てて収納できるようになりました。冷蔵室の最上段はデッドスペースになりがちなので、これなら今までよりもたくさんの食材をストックできますね。

  • 薄壁設計のラインナップを増やしました

  • 最上段が使いやすくなりました

人気の機能はそのまま継続

従来モデルからの人気機能はそのまま継続しています。肉や魚を凍らせない約-1℃で保存する「特鮮氷温ルーム」、プラチナ触媒を使って野菜の鮮度を保つ「新鮮スリープ野菜室」、アルミトレイに置くとすばやくホームフリージングができる「デリシャス冷凍」などです。

  • 冷蔵室内にある「特鮮氷温ルーム」は生鮮食品の保存に便利

  • 冷凍室は3段のトレイで整理しやすく。一番上のアルミトレイがある部分が「デリシャス冷凍」です

カメラは活用の幅が広がりそう

カメラで庫内を撮影して中身をチェックできると、買い忘れや二重買いを防げて便利ですが、現状は棚の手前に置かないといけないので、使い方にコツがいるというのが正直な感想。カメラで撮影した画像をアプリに送るため、自宅にインターネット接続環境と無線LANルーターが必要な点にも注意です。

日立グローバルライフソリューションズは以前から、冷蔵庫内の食材をスマホ撮影して消費期限を管理する「食材管理」機能をアプリに搭載していますが、今回のカメラ機能との連動はありません。せっかく冷蔵庫にカメラを搭載するので、食材の消費期限まで自動で管理できるようになったら……。技術的にも仕組み的にも難しそうではありますが、そんな日が来ることも期待しています。

  • R-HXCC62Sの本体サイズは幅685×奥行き738×高さ1,875mm。写真のような大きさ感です。林編集長の身長は165cm