finalが完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップ製品として予告している「ZE8000」。その外観サンプルが「秋のヘッドフォン祭2022」(9月18日開催)のfinalブースで展示され、agブランドから新たに登場予定のヘッドホン/イヤホンとともに注目を集めていた。

  • final「ZE8000」外観サンプルの展示

finalの有線イヤホンやヘッドホンのフラッグシップ機には、いずれも製品名に“8000”という数字がつけられている。完全ワイヤレスイヤホンもその法則にのっとり、最上位機には「ZE8000」という製品名を冠し、公式Twitterでティザー的に予告されていた。今回、その姿が国内でようやく披露されたかたちだ。

今回はアクリルケースの中に入れられた状態での外観展示のみにとどまり、実機のサウンドを確認することは叶わなかったが、担当者は「おそらく(完全ワイヤレスイヤホンでは)世界初の音響構造を採用していて、有線を超えるサウンドになっている」と自信を見せた。

2022年中に発売予定で、気になる価格については、「finalのフラッグシップ完全ワイヤレスではあるが、多くの方に手に取っていただけるような価格で出したい。“購入を検討できないゾーン”にはいかない。10月末に正式発表を予定してるので、楽しみにしていてください」と話していた。

  • final「ZE8000」

ZE8000の見た目は独特で、一般的な完全ワイヤレスイヤホンで見かける丸っこいパーツと、AirPodsシリーズのようなスティック(軸)がくっついたようなデザインになっているが、スティック部が他と比べるとかなり大きい。

神事や祭礼で使われる“拍子木”のような方柱状のパーツデザインも興味深いが、ここにマイクやチップ、アンテナ、バッテリーなどが組み込まれているようだ。そして丸い部分は完全に独立した音響空間になっており、シングルのダイナミックドライバーを1基搭載している。この構造が“有線を超えるサウンド”を実現する要になっているそうだ。ノイズキャンセリング機能も搭載するほか、ZE8000専用のアプリも開発しているとのことで、その使い勝手にも注目が集まることだろう。

また、参考展示品はブラックとホワイトの2色があるが、ブラックの充電ケースに収められているイヤホン本体をよく見ると、クリアカラーの大ぶりなカスタムイヤーピースが取り付けられているのがわかる。

finalではこのカスタムイヤーピースとZE8000の組み合わせが“ベストマッチ”になるよう設計しているそうで、今後、専用カスタムイヤーピースをオーダーできるようになる予定。ZE8000の充電ケースもそれを見越して、大型のイヤーピースをつけていてもきちんと収納できるよう設計したという。

  • final「ZE8000」外観サンプルの展示

finalブースではほかにも、フラッグシップヘッドホン「D8000」の限定モデル「D8000 Pro Edition Limited」の先行試聴や、国内での発売が決定したノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホン「UX3000」の展示を行っていた。

  • final「D8000 Pro Edition Limited」

D8000 Pro Edition Limitedはイヤーパッドに和紙由来の素材を使い、黒とゴールドのカラーで仕上げた世界限定販売モデル。通常のD8000のイヤーパッドと並べてみると、異なる仕上げになっていることがよくわかる。ケーブルなどを収めて持ち運べる、スーツケースのようなTSAロック付きキャリーケースもセットで販売するそうだ。

  • イヤーパッドはD8000の通常モデルとは異なる仕上げ

  • スーツケースのようなD8000 Pro Edition Limited専用キャリーケース(奥)

  • D8000 Pro Edition Limited専用キャリーケースはTSAロック付きの本格的なもの

UX3000は装着感や使い心地を高めつつ、「ボーカルが耳元近くに響く自然なサウンド」を追求し、“NCヘッドホン”の決定版を目指した機種。

  • final「UX3000」

finalではコストパフォーマンスの高いイヤホン/ヘッドホン製品をagブランドで展開しているが、海外市場ではfinalブランドのほうがなじみ深いこともあり、agのNCヘッドホン「WHP01K」(12,800円)をベースにfinalらしいスタンダードなサウンドにチューニング。ヘッドバンドにもfinalロゴを配し、「UX3000」という製品名で海外展開している。

今回、それを日本国内へいわば“逆輸入”するかたちとなり、早ければ11月に販売予定で、価格はベースモデルのWHP01Kよりも「ちょっと高価になる」とのこと。

  • UX3000もベースモデルのWHP01Kのように平らに折りたためる

このほか、有線イヤホンのMAKEシリーズ最新作「MAKE4」のプロトタイプの先行試聴も実施していた。

  • final「MAKE4」

MAKE4は音道管側のカスタマイズだけでなく、背面部にあるダイヤルを回してチューニングできるのが特徴。ダイヤルを回すと内部にあるスポンジが潰れていき、これによって密度を変えてドライバー背面の空気量を変化させ、サウンドを調節できるようになっている。今回の試聴ではデフォルトチューニングのみ試聴可能になっていた。

  • MAKE4の試聴機

  • MAKE4の分解モデル。背部のネジを回すと、写真中央の柔らかいスポンジがつぶれていき、密度の変化によってドライバー背面の空気量を変えてサウンドチューニングできる機構を備える

また、finalが取り扱うagブランドからは、2022年内に発売予定の3製品が一気に登場。

  • 左がag初のゲーミングヘッドホン「WHP02G」、右上がコンパクトながら低域表現を強化した完全ワイヤレスイヤホン「BASS1」、右下が薄く小さく作って装着感にこだわったという完全ワイヤレスイヤホン「PITA」

注目なのがゲーミングヘッドホン「WHP02G」で、片側にダイナミックドライバー2基を搭載し、ゲームプレイに合わせてヘッドホンが振動するウーファーモードと、音楽鑑賞用のクリアモードを切り替えて使える。イヤーパッドはもっちりした感じで、これまでのagヘッドホンよりも遮音性を高めているそうだ。

  • WHP02Gは試聴できない外観展示のみだった

ハウジングのagロゴが光ったり、着脱可能なブームマイクを備えていたりとゲーミング製品らしいポイントもあるのだが、発光部はオフにもでき、ブームマイクを外してもヘッドホン側の内蔵マイクでハンズフリー通話ができたりと、普段使いもできるよう工夫が凝らされている。USB-C接続のワイヤレス接続ドングルと、USB-C to Aアダプターを同梱している。

ほかにも、重低音好きな人のためにコンパクトサイズながら低域表現を強化した完全ワイヤレスイヤホン「BASS1」や、薄く小さく作って装着感にこだわったという完全ワイヤレスイヤホン「PITA」も展開予定だ。

  • コンパクトサイズながら低域表現を強化したag完全ワイヤレスイヤホン「BASS1」

  • 装着感にこだわったag完全ワイヤレスイヤホン「PITA」

  • PITAの本体は薄く小さく、これを着けたまま横になっても耳を痛めずにすみそうだ