9月18日まで幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ2022」(TGS2022)において、ソニーのスマートフォン用ゲーミングギア「Xperia Stream for Xperia 1 IV」(以下、Xperia Stream)の体験展示が行われている。会場にて短時間ながら同製品を試すことができたので、体験レポートをお届けする。
Xperia Streamは、同社のフラグシップスマートフォン「Xperia 1 IV」専用に設計されたゲーミングギアだ。10月14日に発売予定で、ソニーストアでの直販価格は23,100円となる。
Xperia 1 IV自体はゲーミング用途に特化したスマートフォンではないが、Snapdragon 8 Gen 1と最大16GB(キャリア版は12GB)のメモリを搭載するハイエンド機であり、重量級のゲームも快適に遊べるポテンシャルがある。
しかし本機種に限らず、近年のハイエンドスマートフォンはPCに迫る性能を持つ一方、小さなボディでそれだけのパフォーマンスをフルに引き出すには排熱・放熱が課題となっている。その点を補う周辺機器がXperia Streamだ。
簡単に言えば、Xperia Streamは「冷却ファンを搭載したスマートフォンケース」である。背面は大きくカーブしており厚みがあるため、そのまま持ち歩いたりスマートフォンとして普段使いするというよりは、腰を据えてじっくりゲームをプレイする時にだけ装着するイメージだろう。
頻繁に着脱を繰り返す可能性が高いだけに、着脱方法は無理なくスムーズなものになっている。一般的なスマートフォンケースのように力を加えて曲げながら外すわけではなく、ケースの一部が頑丈そうな開閉式のフタになっているため、着脱を繰り返すうちに破損してしまうリスクは低い。Xperia Streamと本体の接続にはUSB Type-Cを利用する。
Xperia Streamは他機種の専用ギアのようにボタンやトリガーを追加できるわけではなく、役割は冷却と有線接続の拡張に絞られている。
このため、操作性には一見あまり貢献しないように思われるかもしれないが、平らな板状のスマートフォンをそのまま持つよりも、適度な厚みと丸みのあるXperia Streamを装着した状態の方がグリップしやすいと感じた。
本体の形状や滑りにくい表面加工はプロeスポーツチーム「SCARZ」の監修を受けたものだが、必ずしも持ち心地のためだけに厚くしているというわけではない。要となる外付け冷却ファンからの風を背面だけに留めず、側面や前面まで効果的に流すよう、ケース全体のエアフロ―を考えた形状となっている。
やや気になった点としては、にぎやかなイベント会場でも、通常のプレイ中の距離感で確認できる程度にはファンの動作音が耳に入った。それだけに手元ではしっかりと風も感じられるのだが、たとえば電車の中などでの利用を考えているならTPOの配慮は必要になりそうだ。
ゲーミングデバイスといえば「光る」製品が多いが、本製品に発光部はなく、単色で落ち着いた見た目となっている。プロ向けの配信機材としての割り切りかもしれないが、一般ユーザー向けのゲーミングギアとしてはもう少し華やかさが欲しいようにも思う。
単品では少々割高なようにも思えるが、これからXperia 1 IV本体も含めて購入を考えているのであれば、SIMフリー版なら端末とゲーミングギアをセットにした「Xperia 1 IV Gaming Edition」が用意されているほか、NTTドコモ版なら11月末までに購入すれば最大25,000円相当のポイント還元がある。
長丁場の対戦となりがちで競技性も高いバトロワ系のゲームなどを真剣に遊ぶには、動作の安定につながる冷却機能、ネットワークの切断リスクを少しでも減らせる有線LAN接続などの恩恵を受けられるXperia Streamをセットで賢く入手しておく価値はありそうだ。