掃除機をかけていると、髪の毛がブラシに絡まってイライラすることがありますよね。そのままにしておくとゴミを吸い込みにくくなるため、ハサミで切ったり手でほぐしたりしますが、とても面倒です。東芝ライフスタイルが9月上旬に発売したコードレス掃除機「TORNEO cordless」シリーズの新モデルは、そんな煩わしさを解消するブラシを装備。メディア向けセミナーで実機を使ってみました。
今回の新モデルは、フィルターレスサイクロン式「VC-CLX51」、サイクロン式「VC-CLW31」「VC-CLW21」「VC-CLS11」の計4機種。発売はVC-CLX51、VC-CLW31、VC-CLW21が9月上旬、VC-CLS11が10月上旬。価格はオープン、推定市場価格はVC-CLX51が82,000円前後、VC-CLW31が66,000円前後、VC-CLW21が55,000円前後、VC-CLS11が50,000円前後です。
4機種の位置づけは、まずVC-CLX51がフラッグシップ機。パワフルな吸引力とフィルターレスサイクロン式でお手入れが簡単なモデルとなり、ヘッドは自走式です。
VC-CLW31は標準の重さが1kgという軽量モデル。延長管にカーボン素材を採用しています。1つ下位のVC-CLW21も標準の重さが1.2kgの軽量タイプですが、上位のCLX51とCLW31に搭載している「ピカッとライト」「スタンド」「ふとん用ブラシ」を省いています。また、延長管はカーボン素材ではなくアルミ素材です。VC-CLS11は軽量で購入しやすい価格帯のエントリーモデルです。
ここでは、上位機種のVC-CLX51とVC-CLW31を中心にチェックしていきましょう。
まずは「からみレスブラシ」に注目。ブラシへの絡みつきが困るのは、やっぱり髪の毛やペットの毛でしょう。特に、ブラシの端側に髪の毛がきつく絡まりがちですよね。こうなるとハサミで切るしかありません。そこで「からみレスブラシ」は、ブラシを横糸で編み込み、ブラシ(毛先)の奥まで髪の毛が入り込むのを防ぎます。
樹脂でブラシの根元を固めた場合と異なり、横糸で編んだことでブラシの根元に弾力が生まれ、掃除機を前後に動かしている間に自然と髪の毛がほどけていきます。
髪の毛が絡まないブラシというよりは、絡みにくく、また絡んだとしても髪の毛がほぐれやすいブラシというイメージです。ブラシ上でほぐれた髪の毛は、そのまま掃除機へと吸い込まれます。
実際に、ナイロン製のエクステと綿をゴミに見立てて床にまき、VC-CLX51で掃除してみました。ナイロン製のエクステは人間の髪の毛よりも絡みやすく、ブラシから外れにくいことが多いのですが、VC-CLX51で一往復してみたところ、絡まずに吸い込みました。
ブラシをよく見ると中央部分に綿が残っていたのですが、何度か床掃除をしてから確認すると、キレイになくなっています。特に意識しなくても、掃除を続けることでブラシに絡んだゴミが取れるのはラクでいいですね。
自走ブラシはフラッグシップのVC-CLX51のみ
「からみレスブラシ」は新モデルの4機種とも備えていますが、自走ヘッドはフラッグシップのVC-CLX51のみです。一方、VC-CLW31は「からみレス軽量ヘッド」を搭載。ブラシそのものの幅を20%拡大して(従来比)、より広い範囲のゴミを一度に掃除できるようにしています。
東芝ライフスタイルでは、VC-CLX51を高性能・自走タイプ、VC-CLW31を軽量タイプとして位置づけています。ヘッドとパイプを備えた状態の重さを示す「標準質量」で比較すると、VC-CLX51は1.5kg、VC-CLW31は1kgです。
1.5kgのVC-CLX51と1kgのVC-CLW31を比べながら使ってみたところ、VC-CLW31はびっくりするくらい軽い! コードレススティック掃除機としては1.5kgでも軽い部類なのですが、1kgのVC-CLW31と比べると、VC-CLX51はずっしりと感じます。
これだけ軽いと自走ヘッドでなくても簡単に動かせますし、逆にこの軽さで自走ヘッドだと、進みすぎてちゃんとゴミを吸えるか心配になるかも。階段の昇降がある家や、エアコンなど高い場所を掃除するときは、1kgの軽さは取り回しやすくて便利です。
次に、VC-CLW31のパワーを見るため、じゅうたんに綿をこすりつけて一往復してみました。標準モードだと綿が少し残りましたが、強モードにすればよく吸い込みます。これなら日常的な掃除には十分ではないでしょうか。
お手入れはフィルターレスのVC-CLX51が簡単
さて、掃除をしたあとは本体のダストカップにゴミがたまります。コードレススティック掃除機では、ダストカップのお手入れ性も製品選びの重要なポイント。VC-CLX51はフィルターレス構造を採用し、お手入れの手間を軽減。一方のVC-CLW31は、フィルターを備えたサイクロン式です。
東芝ライフスタイルのコードレススティック掃除機が搭載している「プリーツフィルター」は、以前から水洗いができます。ゴミを吸っているとフィルターにホコリがたまった目詰まりしますが、水洗いをすればキレイに解消できます。
ただ、水洗いのあとは完全に乾かしてから使わなくてはならないため、「プリーツフィルター自体を水洗いする人は少なく、フィルターをふってホコリを落とすだけの人が多い」(東芝ライフスタイル)とのこと。買った直後はよく吸い込む掃除機でも、フィルターをしっかりメンテナンスしていないと、本来の性能を発揮できなくなることも少なくありません。
フィルターレスサイクロン式の場合は、もともとフィルターを備えていないため、風量が変わらず強い吸引力をキープする点が特徴です。
また、VC-CLX51では、ゴミがダストカップの中を回るうちに圧縮される点にも注目です。カップの中央部分にゴミが集まるため、捨てるときにゴミが舞い上がりにくく、集じん量もかせげます。
「ピカッとライト」はアタッチメントと組み合わせて使いやすい
今回の新モデルから、アタッチメントとして新しく「ピカッとライト」(小型のLEDライト)が付属します。
ピカッとライトは延長管とヘッドの間だけでなく、ハンディクリーナーとして使うときにも取り付け可能。また、ほかのアタッチメントと組み合わせても使えます。
ヘッドと延長管の間に取り付けてみると、いま掃除している場所よりもちょっと先の場所を明るく照らし、ゴミを見逃しません。個人的には、すき間ノズルや丸ブラシと一緒に使える点と、ハンディクリーナーの状態でも使える点が好印象。というのも、車のシートや本棚まわりなど、ハンディ状態での掃除は暗い場所が多いものです。掃除機をかけたいところをLEDが明るく照らしてくれるので、掃除がはかどってゴミの取り残しも減るでしょう。
電源はカートリッジ式のバッテリーです。掃除機本体にプラグを接続して充電するほか、バッテリーを本体から取り外して、バッテリー単体でも充電可能(カートリッジバッテリーに電源プラグを接続)。スマホと同じような感覚の狭いスペースでも充電できます。
軽さと髪の毛の絡みにくさが魅力
東芝ライフスタイルの調査によると、掃除機の購入時に本体の軽さを重視する人が増えています。今回の新モデルはそうしたニーズに応え、全体的に軽さを重視したラインナップ。さらに「からみレスブラシ」でお手入れのストレスも減らしています。軽い掃除機を探している人は、ぜひ手に取ってみてください。
以下、おもな仕様をまとめておきます。
VC-CLX51の本体サイズは、スティック時が幅228×奥行き180×高さ1,070mm、収納時が幅280×奥行き355×高さ1,040mm。重さは1.5kg。延長管はアルミ製。集じん容積は0.13L。
連続運転時間は標準が約35分、おすすめが約20分、強が約10分。収納用スタンド、ピカッとライト、すき間ノズル、丸ブラシ、ふとん用ブラシが付属します。カラーはボルドーブラウンとシャイニーシルバー。
VC-CLW31の本体サイズは、スティック時が幅230×奥行き150×高さ993mm、収納時が幅280×奥行き330×高さ960mm。重さは約1.0kg。延長管はカーボン製。集じん容積は0.13L。「からみレス軽量ヘッド」搭載。
連続運転時間は標準が約30分、おすすめが約15分、強が約8分。充電時間は2.5時間。収納用スタンド、ピカッとライト、すき間ノズル、丸ブラシ、ふとん用ブラシが付属。カラーはグランレッド。
VC-CLW21の本体サイズは幅230×奥行き150×高さ993mm、重さが約1.1kg。集じん容積は0.13L。「からみレス軽量ヘッド」搭載。延長管はアルミ製。連続運転時間は標準が約30分、おすすめが約15分、強が約8分。充電時間は2.5時間。すき間ノズル、丸ブラシが付属。カラーはピンクブロンズ。
VC-CLS11の本体サイズは幅230×奥行き140×高さ1,020mm、重さが約1.2kg。集じん容積は0.15L。「からみレス軽量ヘッド」搭載。延長管はアルミ製。連続運転時間は標準が約32分、おすすめが20分、強が8分。充電時間は4.5時間。すき間ノズル、丸ブラシが付属。なお、VC-CLS11は着脱できない内蔵バッテリー式。カラーはシャイニーシルバー。