NTTドコモのモバイル社会研究所は9月5日、2022年1月に実施した一般向けモバイル動向調査の結果から、シニアのスマホ所有・スマホへの乗り換えについて分析したレポートを公開した。

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調査時点でスマホを所有していない人が、スマホへ移行する意向があるかどうかを尋ねたのが下のグラフ。「従来型のケータイ所有」、つまりフィーチャーフォンを持っていてスマホを利用していない人は、83%が「きっかけがあれば(スマホを)所有する」と回答。「従来型のケータイ未所有」」、つまりフィーチャーフォンもスマホも持っていないという人でも、55%がきっかけがあればスマホを所有すると答えている。スマホを所有していない人全体では76%がきっかけがあればスマホを所有すると答えており、スマホ所有への抵抗感が強いという人は限られるようだ。

  • グラフ:シニアのスマホ所有意向

    シニアのスマホ所有意向(スマホ未所有者対象)

また、スマホの所有移行を年代別にみると、60代は87%、70代は74%が前向きな回答をしており、シニアであっても若い60代のほうがスマホ所有に積極的となっている。

  • グラフ:シニアのスマホ所有意向(年代別)

    シニアのスマホ所有意向(スマホ未所有者対象) 年代別

同じく、スマホ所有意向の有無を、日々の地域活動や教室活動等への積極性を軸に分析したのが次のグラフ。活動に積極的な人が95%とスマホ所有にも前向きであることには違和感はないが、中間派より消極派のほうが所有意向が高いのは意外なところ。地域活動や教室活動に参加しておらず、家族・友人との交流が少ない消極派のほうが、娯楽や情報収集でスマホを頼りたいと考えているのかもしれない。

  • グラフ:シニアのスマホ所有意向(日常活動への積極性別)

    シニアのスマホ所有意向(スマホ未所有者対象) 日々の活動への積極性別

そして、「きっかけがあればスマホを所有する」というその「きっかけ」は何かを尋ねたのが次のグラフ。全体として多かったのは「3Gサービスが終了したとき」38%、「価格が安ければ」35%、「今使っているケータイが使えなくなれば」33%という順。このうち「3Gサービスが終了したとき」「今使っているケータイが使えなくなれば」を選んでいるのは、当然のことながら従来型のケータイを所有している人がほとんどで、従来型の携帯電話の利用者は使っている端末/サービスが使えなくなったらスマホ導入を考えようとしていることがわかる。

  • グラフ:シニアのスマホ所有のきっかけ

    シニアのスマホ所有のきっかけ

従来型の携帯電話も所有していないという人は、「価格が安くなれば」という回答がもっとも多い。「家族のすすめ」「仕事で必要となれば」がそれに続くが、これまで携帯電話をもたずにきた人にスマホ所有を決意させるのは簡単ではなさそうだ。

調査概要

  • 調査名:2022年一般向けモバイル動向調査
  • 調査方法:訪問留置調査
  • 調査対象:関東1都6県、60~79歳男女
  • 有効回答数:709件
  • サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)。都道府県の人口分布に比例して割付
  • 調査時期:2022年1月