アウトドアシーンでスマートウォッチを使いたいと思ったときには、検討候補が高スタミナかつタフネス仕様の製品に絞られてくる。

今回は、こうした条件を満たす「Amazfit T-Rex 2(アマズフィット ティーレックス ツー)」を計1カ月ほど試用したので、その使い心地についてお届けしたい。

  • Amazfit T-Rex 2と一緒に沢歩きを楽しむ

    Amazfit T-Rex 2と一緒に沢歩きを楽しむ

同機は、22年6月24日に発売されたスマートウォッチで、MIL規格の15項目に準拠するタフネス性能を備えている。価格は43,780円、タッチディスプレイ搭載のタフネスモデルとしては手を伸ばしやすい部類に入るだろう。なお、カラーは「アストロブラック&ゴールド」「エンバーブラック」「ワイルドグリーン」の3色を選べる。

  • Amazfit T-Rex 2本体。今回はエンバーブラックを試用

なお、今回の検証終了時点におけるソフトウェアバージョンは、iOS向け「Zepp」アプリが7.0.0。試用期間中のAmazfit T-Rex 2のファームウェアバージョンが9.22.13.1だ。検証時点のバージョンによって、機能画面や操作手順が異なっている可能性がある点はご了承いただきたい。

Amazfit T-Rex 2はどんなスマートウォッチ?

「Amazfit(アマズフィット)」は、中国のZepp Health(ゼップヘルス)社が展開するスマートウォッチのブランドだ(元々は2013年創業のAnhui Huami Information Technology社が2015年9月に立ち上げた独自ブランドで、2021年2月に社名がZepp Healthに変わった)。

スマートウォッチに詳しくない人にとってはあまり聞いたことがないブランドかもしれないが、IDCによる「Worldwide Quarterly Wearable Device Tracker」によると、2021年におけるグローバルのスマートウォッチの出荷台数では5位であるといい(Zepp Healthによる発表文)、グローバルでの存在感は決して小さくない。

そんなAmazfitブランドのなかでも、「T-Rex」はアウトドア向けの機能・デザインを採用したハイエンドシリーズだ。今回試用した「T-Rex 2」は、ナンバリングは2ではあるものの、「T-Rex」「T-Rex Pro」に続く、同シリーズの第3世代モデルに相当する。

同機は-30℃の超低温で、GPSを有効にしても、10時間稼働するという耐久性の高さやスタミナが特徴。例えば、スキーやスノーボードなど、ウィンタースポーツのお供として使うスマートウォッチを探していた人には、有力候補となるに違いない。

外観は程よくアウトドア仕様、やや小ぶりな印象も

Amazfit T-Rex 2はアウトドア向けウォッチなので、決してサイズ感は小さくはない。しかし、欧米のブランドが展開するアウトドア向け製品と比べると、やや小ぶりな印象もある。筆者も大きすぎるウォッチは選びにくいと感じる方だが、同製品なら許容範囲だった。

  • アウトドア向けのスマートウォッチとしては、大きすぎないサイズ感だ

具体的なサイズは、AMOLEDディスプレイが1.39インチ。本体サイズが47.1 × 47.1 × 13.65mmだ。質量も66.5gであり、このサイズのウォッチにしては軽い印象を受ける。

物理ボタンは2時、4時、8時、10時の4位置に1つずつ配置されている。それぞれ「決定」「戻る」「下へ」「上へ」――というシンプルな機能が割り当てられており、ボタン操作で混乱することはあまりない。当然ディスプレイのタッチ操作も行えるが、例えばグローブを装着したような状態でも操作しやすい。

  • ボタン表面には、溝が掘られており、滑りにくくなっている

  • 基本操作について。右上のボタンでワークアウト一覧画面のショートカット起動、および決定操作。右下ボタンでメニューの一覧画面(アプリリスト)の表示、および戻る。左上のボタンで下スワイプと同じ動作。左下のボタンで上スワイプと同じ動作。なお、文字盤画面を下スワイプで機能のアイコン一覧が表示され、上スワイプでショートカットカード(ウィジェットのようなもの)が表示される。右スワイプでは通知画面が表示される

仕様表によると、ボディにはポリマー合金が、バンドはシリコンが使われているという。ストラップバンド幅は22mmで工具なしでの脱着はできない。留め具はピンバックル型。バンドのサイズは140~205mmまで調整できる。

  • ストラップバンド裏面には凹凸が設けられており、通気性は悪くない

ケース裏面には、心拍センサーを搭載。また、専用の充電用端子を接続できるようになっている。充電端子はマグネットで装着する仕組みで、正しい向きでのみ固定できる仕組みだ。なお、フル充電には約2時間かかる。

  • ケース裏面

  • 充電ケーブルは専用端子で、充電器側はUSB Type-A

文字盤デザインは画面の長押し操作で変更可能。文字盤によっては、リアルタイムに心拍数や歩数などの値が表示される。ちなみに、文字盤はスマホの「Zepp」アプリから追加でダウンロード可能だ。

  • 文字盤を変更するには、文字盤の長押しから左右スワイプ

  • スマートフォンの「Zepp」アプリでは、「プロフィール」→「Amazfit T-Rex 2」→「文字盤」を選ぶと一覧画面が表示される