総務省は8月1日、キャリア4社と全国携帯電話販売代理店協会に対し、携帯電話の販売代理店の業務の適正性確保に向けた指導などの措置の改めての実施について要請した。また、電気通信事業者協会および日本ケーブルテレビ連盟に対し、苦情相談の処理体制の強化に向けた措置についての要請も行った。

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このふたつの要請は、「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」が取りまとめた「「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」を踏まえた取組に関する提言」を踏まえて行われたもの。

携帯電話の販売代理店の業務の適正性確保に向けた指導等の措置

携帯電話の販売代理店は、利用者が対面で説明やサポートを受けることができる場所として、大きな役割を果たしている。このため総務省では2021年5月に携帯電話事業者等に対して、販売代理店の業務の適正化確保についての要請を行った。しかし前出の提言では、総務省が今年実施した調査において、2021年の要請の後も広く不適切な行為が行われている状況が確認できたとし、そういった行為がMNOや販売代理店の営業目標や店長等の指示などに起因していることを指摘している。

また、総務省が2021年に設置した「携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口」に寄せられた情報として、携帯電話事業者が設定している手数料・評価体系においては利用者の利益よりも契約の獲得を優先せざるをえない、目標値が高すぎるといった声があったという。

これらのことから総務省では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのキャリア4社に、販売代理店の業務の適正かつ確実な遂行を確保するために講じている措置について、必要に応じて見直しや強化を図るとともに、販売代理店で不適切な行為が行われないよう、販売代理店が適合性の原則にのっとって契約を締結することが十分促される仕組みにするなど、必要な措置を講じるように要請を行った。

具体的な要請の内容は以下のようなものとなっている。

  • 新規契約の獲得だけでなく契約内容に対する利用者の満足度やその結果(継続利用率やオプションの実際の利用率)も評価指標として重視するなど、販売店が適合性の原則にのっとって契約を締結することが十分促される仕組みにすること
  • 契約獲得等について目標値を設定する場合は、その適正性・合理性について代理店との間のコミュニケーションを強化し、十分な納得を得るプロセスが形式的なものとならないようにすること
  • 出張販売を行う場合は、店舗販売と比較して消費者保護ルールに違反する営業が行われやすい面があることを認識し、販売代理店が丁寧に営業できるよう適切に支援すること

またあわせて、携帯電話の販売代理店の業界団体である全国携帯電話販売代理店協会に対し、加盟各社への対応を行うよう要請を行った。同協会への要請においては、適合性の原則に違反する営業が行われないよう、丁寧な営業を行う必要があることを団体加盟各社に周知し、必要な促すことを求めている。とくに出張販売においては消費者保護ルールに違反する営業が行われやすい面があることを認識し、店舗スタッフによる再確認を行うなど丁寧な営業を行うよう促すこととしている。

キャリア各社への要請・全国携帯電話販売代理店協会への要請ともに、その内容について、2022年9月30日までに対応状況と取り組み方針について報告するよう求めている。

苦情相談の処理における体制の強化に向けた取り組み

苦情相談の体制の強化については、「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」を受けてこの問題についてのタスクフォースを設置され、このタスクフォースから今後の取り組みについての報告書が2022年6月に取りまとめられたところ。前出の提言において関係団体がこのタスクフォースの報告書をふまえた対応をすべできであるとの指摘がされたことから、通信事業者・ケーブルテレビ事業者のそれぞれの業界団体である電気通信事業者協会と日本ケーブルテレビ連盟に対して、苦情相談の処理における体制の強化に向けた取り組みを行うよう要請したももの。

具体的な要請の内容としては下記の2点となっている。

  • タスクフォース報告書の新たな苦情相談処理体制の在り方において、基本的な考え方として示された事項等を踏まえ、取扱う案件のスコープ/機能/体制/他機関との連携等について検討を行い、遅くとも1年以内を目途に運用を開始すること
  • 上記の検討等の状況について、3カ月ごとを目途に総務省に報告すること。加えて、運用にあたっての最終的な組織決定に先立って、総務省に報告すること