日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立GLS)が、オーブンレンジと炊飯器の新製品についてメディア向けに体験セミナーを開催。オーブンレンジは焼き物が上手、炊飯器は粒感しっかりのごはんを楽しめます。
今回紹介された新製品は、過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-W10A」と、IHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100FM」です。どちらも7月2日発売で価格はオープン、推定市場価格はMRO-W10Aが152,000円前後、RZ-W100FMが88,000円前後となります。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
肉料理が美味しく焼ける「熱風旨み焼き」機能
オーブンレンジのMRO-W10A(以下、MRO-W10A)は、焼き物調理が上手にできる「熱風旨み焼き」という機能に注目。庫内の底面・中段・下段にセットして直接調理に使える「外して丸洗いテーブルプレート(テーブルプレート)」と、焼き網を使った調理法です。
テーブルプレートはセラミック製で、普段は庫内の底面にセット。レンジで食材を温めるときなどは、テーブルプレートの上に食材を乗せて温めます。万が一吹きこぼれても、テーブルプレートを外して洗えるのでお手入れが簡単なところが魅力。
このテーブルプレートを、調理に使えるようになったところが進化ポイントです。テーブルプレートの上に焼き網をセットし、下味した食材を乗せて調理するのが「熱風旨み焼き」です。センター赤外線センサーによって食品の表面温度を見極めて、レンジ、オーブン、過熱水蒸気、グリルを自動で制御。冷凍でも冷凍でも常温でも、オートで調理できます。
少し詳しく見ると、8眼センサーが15段階にスイングして食材の表面温度をチェックしています。分量にあわせてレンジ機能で加熱しますが、温度上昇の具合によって肉の分量がわかるため、分量にあわせて加熱を制御していく仕組みです。最高1,000Wでレンジ加熱するので、すばやく食品の温度を上げられます。冷凍の場合は、レンジで解凍してから焼いていくという流れ。ちなみに1,000Wというのは短時間の出力で、運転中に自動で出力が切り替わります。
レンジで加熱したあとは、オーブンと過熱水蒸気の熱風が焼き網とテーブルプレートの間を通り、肉を包み込むように調理。最後にグリルで一気に加熱して香ばしく仕上げます。
「レンジ加熱を使って短い時間で肉の温度を上げ、オーブンやグリルで表面を焼くことで肉汁を閉じ込めます。ここがポイントなんです」(日立GLS ホームソリューション事業部 商品戦略本部 商品企画部 仁藤興次氏)
焼き上がった肉料理は表面が香ばしくパリッとしているのに、中は柔らかくジューシー。とても美味しく焼き上がりました。付け合わせの野菜も一緒に焼けるのも助かります。
操作方法は、本体の液晶画面で肉の種類や形状を選択するだけ。味付けは塩胡椒なので簡単です。
日立GLSのオーブンレンジ(一部を除く)は、これまでも「冷凍から焼き物」というオート調理メニューを備えていました。下味をつけて冷凍した食材を火加減おまかせで調理でき、「タンドリーチキン」や「あさりとブロッコリーのオーブン焼き」などをオート調理してくれます。
「“冷凍から焼き物”は事前の準備でレシピがしっかり決まっていましたが、“熱風旨み焼き”の味付けは塩胡椒。肉の種類を選ぶだけで簡単に調理できる点が違います」(仁藤氏)
より手軽に調理できるのが“熱風旨み焼き”の魅力というわけです。
従来機能をさらに進化
従来モデルでも搭載している「2品同時あたため」は、レンジ加熱1,000Wの高出力を使い温め時間を短縮する機能。たとえば、冷凍ごはんと冷蔵野菜いためを同時に温めた場合、従来は約5分50秒だった調理時間が約5分に短くなりました。
また、野菜を歯応えよく仕上げる「野菜シャキシャキメニュー」は、新たに3メニューを追加して合計11メニューになっています。このメニューで作ったチンジャオロウスを試食しましたが、食感がとてもよくて美味しく仕上がっていました。最高1,000Wのレンジ加熱によって短時間で仕上げることで、野菜から出る水分量を抑えられるそうです。ガラスや耐熱プラスチックのボウルで調理するため、後片付けが簡単なところもいいですね。
独自の「ヘルシーシェフ」アプリと連携させると、レシピの確認やMRO-W10A本体の操作も可能です。逆に、MRO-W10Aで検索したレシピをスマホに転送することもできるので、家族に買い物を頼むときにも便利です。
MRO-W10Aの本体サイズは幅497×奥行き442×高さ375mm、重さは約18kg。総庫内容量は30L。レンジ出力は1,000W(最長5分)、600W、500W、200W相当、100W相当。オーブン温度は300℃(ダブル高速ヒーター)。大型カラータッチ液晶は5インチ。外して丸洗いテーブルプレート、焼き網、角皿×2が付属します。
「極上新米」コースを搭載した炊飯器
続いて、IHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100FM」(以下、RZ-W100FM)です。独自の炊飯方式「極上ひと粒炊き」に「極上新米」コースを新搭載しています。
日立の炊飯器で炊いたごはんは、粒感が際立つ「外硬内軟」のごはん。外側が適度に硬く、内側がふっくらしている炊き上がりが特徴です。外硬内軟のごはんは、京都の米老舗「八代目儀兵衛」が理想に掲げる炊き上がりで、日立の炊飯器はそれを実現するため炊き方を工夫しています。
美味しさのポイントは圧力とスチーム。炊飯時には、内釜の内部を最大1.3気圧まで上昇させて高温で加熱。蒸らし工程でもそのまま圧力をかけて、最大107℃のスチームで高温を維持して蒸らします。
炊き上がったごはんを試食したところ、しっかりと歯応えと粒感があり、噛むと甘みが濃いごはん。塩鮭のような塩味が強いおかずをひきたてるような味わいでした。
お米の粒感を楽しめる「極上ひと粒炊き」ですが、新米を上手に炊けないことがあったといいます。
「新米の季節は柔らかめに炊き上がります。これまでは内釜の水位線として『かため』と『やわらかめ』を用意して、新米には『かため』の水位線を使い、水を減らして炊いていただくようご案内していました。それでも炊き上がりにばらつきが出ていましたが、新製品の極上新米コースでは、従来の水位線のままで美味しく炊き上げます」(日立GLS ホームソリューション事業部 商品戦略本部 商品企画部 長瀬可奈氏)
極上新米コースは、圧力のかけ方を工夫して火力を調整。さらに浸しや蒸らしの時間も調整して、ハリツヤのあるごはんに炊き上げます。
このほか、「スチーム保温」でのスチーム放出時間をアップしました。スチーム保温は、炊飯中に発生する蒸気を「給水レス オートスチーマー」にためて、保温時に釜内へと送り込んで機能です。
新製品のRZ-W100FMでは、側面ヒーターとフタヒーターの出力を調節し、保温時にスチームにして送り込む時間を長くしました。ごはんを一層しっとり保ちながら保温できます。
RZ-W100FMの本体サイズは幅248×奥行き302×高さ234mm、重さは約6kg、炊飯時の定格消費電力は1,400W。自立するコンパクトしゃもじ、計量カップが付属します。
今回のメディア向けセミナーでは、ヘルシーシェフのMRO-W10Aで作ったおかずと、ふっくら御膳のRZ-W100FMで炊いたごはんを試食。先ほども少し触れましたが、チンジャオロウスはシャキシャキした野菜の歯応えがよく、肉料理は柔らかくジューシー。とても美味しくいただきました。粒感のあるごはんは甘みが強く、しっかりとした味付けのおかずと相性ばっちり。ごはんがすすみます。
MRO-W10Aが新搭載した「熱風旨み焼き」は塩胡椒のシンプルな味付けなので、自家製ソースをあわせると飽きずに最後まで楽しめます。自家製ソースのレシピも日立GLSのものです。
野菜料理も肉料理もオーブンレンジで簡単に作れると、毎日の料理の手間を省けそう。冷凍した肉をそのまま焼けるのも便利ですよね。個人的には、テーブルプレートを調理に使えるようになったことで、付属品の管理がしやすくなったところに惹かれます。
炊飯器のRZ-W100FMは、ツヤ消しブラックのカラーと本体デザインにほどよい存在感があり、キッチンのアクセントになりそう。炊飯中に蒸気がほとんどでない「蒸気カット」なので、棚の中に置いたままでも炊飯が可能。置き場所に困らない点も好印象です。