YouTubeでライブ配信を行うアーティストや企業、YouTuberが増えています。オンラインでのイベントや音楽ライブなども浸透し、一度はYouTubeのライブ配信を視聴したことがある方も多いことでしょう。
本記事では、YouTube初心者でも手軽に始められるよう、YouTubeライブ配信のやり方をPC・スマートフォンごとにわかりやすく解説します。必要な機材やメリット・デメリット、限定公開、スパチャについてもまとめました。
YouTubeのライブ配信に必要なものは?
早速、実際にYouTubeのライブ配信を行う際のやり方を見ていきましょう。
まずは何が必要となってくるのかを理解しておきましょう。
ライブ配信用の端末機器
ライブ配信用の端末として使用できるのはパソコンやスマホなどです。スマホなどモバイル端末からのライブ配信には「チャンネル登録数が50人以上」という条件がありますが、パソコンにはこういった条件がないため、初心者の方でもライブ配信が可能です。
エンコーダソフトウェア
配信用ソフトウェアとしてエンコーダソフトウェアも必要となってきます。エンコーダを使用すると、画面の共有やゲームプレイの実況、音声や映像用の外部ハードウェアの使用などが可能となります。モバイル配信をする場合は、エンコーダーは不要です。
ライブ配信用のマイク
パソコンに内蔵されているマイクでも問題なく配信できますが、音質にこだわってライブ配信をしたいという方は専用のマイクを用意した方がいいでしょう。ビデオ会話用ヘッドセットやUSB接続マイクなどが選択肢としてあります。
ライブ配信用のWEBカメラ
パソコンに内蔵されているカメラでも問題ありませんが、カメラを動かして動画を撮影したい際はWebカメラの購入を検討したほうがよいでしょう。
Googleアカウント
YouTubeはGoogle社が提供するサービスであるため、ライブ配信にはGoogleのアカウントが必須となります。もしも持っていない人は、ライブ配信をする前にきちんと作成しておきましょう。
YouTubeのライブ配信の方法・やり方【PC】
YouTubeを始めたばかりという方は、まずはPCでライブ配信を行うことをおすすめします。詳しくは後述しますが、スマホなどモバイル端末でのライブ配信には「チャンネル登録者数が50人以上であるときに使用可能」といった制限があるためです。
PCでYouTubeライブ配信を行うまでの一連の流れは以下の通り。
- Youtubeチャンネルを開設する
- Youtube Studioで「ライブストリーミング」を有効化する
- ビデオアイコンから「ライブ配信を開始」をクリック
- 詳細情報を入力し、再度「ライブ配信を開始」をクリック
- ライブ配信を終了する時は「ライブ配信を終了」をクリック
以下、順を追って説明します。
1. Youtubeチャンネルを開設する
YouTubeチャンネルを開設していない場合、まずはGoogleアカウントでYouTubeにログインし、右上のアイコンをタップして「チャンネルを作成」を選びます。
任意のチャンネル名を入力し、注意事項に同意したうえで「作成」をタップします。以上でチャンネル開設の作業は完了です。なおこの際、画面では「プロフィール写真」や「チャンネルの説明」を設定できますが、急いでいる場合にはあとで設定することも可能です。
2. Youtube Studioで「ライブストリーミング」を有効化する
次に、配信するための設定を行います。右上のアイコンの「YouTube Studio」か「作成」をタップしてください。ここで、まだ「アカウントの確認」が済んでいない場合、音声電話またはSMSでの認証手続きが表示されますので、案内に沿って手続きをしましょう。
なお、ライブ配信を行えるのは、上記の手続き(アカウントの確認)後、24時間以上経過したチャンネルのみとなります。ライブ配信を行う前に、上記までの手続きを終わらせておきましょう。
3. ビデオアイコンから「ライブ配信を開始」をクリック
認証が済んだアカウントを用意したら、右上のビデオアイコンから「ライブ配信を開始」を選びます。
4. 詳細情報を入力し、再度「ライブ配信を開始」をクリック
すぐに配信を始める場合は「今すぐ」、指定した時間に始めたい場合は「後で」を選択します。その後、「タイトル」「公開範囲」「説明」「サムネイル画像」などの詳細を設定していきます。
最後に「ライブ配信を開始」をタップすると、配信が始まります。
5. ライブ配信を終了する時は「ライブ配信を終了」をクリック
ライブ配信を終了する際には、画面に表示されている「ライブ配信を終了」をクリック。そうすると「配信の終了」というポップアップメニューが表示されますので「終了」をクリックして終了となります。
YouTubeのライブ配信の方法・やり方【スマホ (iPhone/Android)】
スマホやタブレットなどのモバイル端末でYouTubeライブ配信をする際には、「チャンネル登録者数が50人以上であること」という条件が追加されます。また、チャンネル登録者数が50人以上1,000人未満の場合は、視聴者数が制限されます。
なお、この条件に満たない場合にも、PCであれば配信を行うことができます。
操作方法は基本的に、PCと同様の手順です。まずはスマホやタブレットでYouTubeアプリを開き、画面下部の作成アイコンから「ライブ配信を開始」をタップします。
画面の指示に沿ってライブ配信の基本情報を入力して最後に「ライブ配信を開始」をタップしたら、配信が始まります。
YouTubeのライブ配信の特徴
YouTubeのライブ配信機能「YouTube Live」を活用することで、動画配信者は視聴者とリアルタイムでコミュニケーションをとることができます。それに加えて、ライブ配信にはさまざまな楽しみ方・使い方があるので、おさらいしましょう。
YouTubeライブ配信の主な特徴は、以下の通りです。
- リアルタイムで動画配信ができる
- 配信した動画をアーカイブできる
- 「限定公開」なら特定の人にのみの配信も可能
以下、順に紹介します。
リアルタイムで動画配信ができる
こちらが一番わかりやすい特徴でしょう。YouTubeという圧倒的にユーザー数の多い動画プラットフォームでライブ配信を行うことで、幅広いファンのリーチ・獲得が期待できます。
また、「スーパーチャット(通称スパチャ)」という機能を活用することで、視聴者は、配信者への応援・感謝の意を込めて、お金を送ることができます。より配信者に近い場所で気持ちを伝えられる機能であるほか、配信者も収益を得ることができる、視聴者・配信者双方にとってうれしい機能です。
配信した動画をアーカイブできる
リアルタイムで配信した動画はアーカイブを残すことができるので、自分のチャンネルからいつでも視聴できます。
例えば、自身が開催したイベントの配信をアーカイブしておくと、「普段、どのようなイベントを行っているか知ってもらえる」「配信を見逃してしまった人でもあとから見返せる」といったメリットがあります。
アーカイブを残さず、あとから視聴できないよう設定することも可能です。
「限定公開」なら特定の人にのみの配信も可能 - ただし注意点も
ライブ配信を一部の人にだけ視聴してもらえる「限定公開」の機能を使うと、「知らない人には見られたくない」という場合でもクローズドな場所で動画のライブ配信ができます。
ただし注意点として、YouTubeライブの限定公開配信は、配信URLを知っていれば誰でも閲覧できてしまうという点が挙げられます。そのため、配信URLを知っている人に対して、他者に伝えたりSNSで拡散したりしないように依頼しましょう。
また、配信URLを知っている視聴者が公開中の再生リストに追加してしまうと、URLを知らない人でも見られるようになってしまいますので、こちらも注意が必要です。
YouTubeの限定公開のやり方は? 注意点やメリット、非公開との違いも解説
YouTubeのライブ配信のメリット
では、YouTubeライブ配信のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
視聴される可能性が高くなる
YouTubeでチャンネル立ち上げ直後はチャンネル登録者がいないため、「チャンネルパワー」と呼ばれるチャンネル自体の力がありません。そのような状態では、動画を掲載したとしても露出がかなり限定されてしまいます。
ただ、そのような状態でもライブ配信をするとYouTube内の検索画面において通常の動画よりも上位に表示されることがあります。また、「YouTube Live」の認知度自体が高く、利用者数も全世界に多数存在します。
そのため、何か人気の作品やコンテンツにまつわるライブ配信をすれば、チャンネル登録者が少ない状態でも視聴される可能性が高くなります。
双方向のコミュニケーションが可能
ライブ配信を行うと、配信者と視聴者間でリアルタイムなコミュニケーションが取れます。配信中はチャット機能も活用できるため、動画視聴者との双方向のコミュニケーションが図れます。
YouTubeのライブ配信のデメリット
一方で存在する、YouTubeライブ配信のデメリットも見ておきましょう。
配信者の技量が問われる
ライブ配信は通常の配信動画と異なり、公開前に編集作業をはさむといった工程がありません。それでこその「ライブ」なのですが、やり直しがきかないだけに配信者の技術・力量が問われます。
例えばゲーム実況動画のライブ配信だとすれば、そのゲームへの知識やトークを回す力、視聴者からのコメントへの返信スキル、視聴者を飽きさせない工夫など、これらのスキルが如実に表れてしまいます。これらのスキルを持っていない人がライブ配信をしても、グダグダになってしまい、なかなか固定ファンはつきにくいでしょう。
また、炎上のリスクも伴います。放送内容をカットできないため、ちょっとした失言やハプニングで炎上する可能性もゼロではありません。多くのファンが付いてくると炎上の規模も大きくなりやすいため、一層の配慮が必要となることを覚えておきましょう。
再生回数が伸びにくい
ライブ配信の内容はアーカイブ(生放送の録画版)が残せますが、これはよほど面白い内容や人気チャンネルのものでない限り、再生されません。
ライブ配信は数時間行うケースが多いですが、後日にその数時間におよぶアーカイブをじっくり視聴しようとする人はまれでしょう。どこで盛り上がりを見せるかわからないライブ配信動画よりも、高い編集力で10分程度にまとめられた編集動画の方がすぐに面白さを実感できるからです。
そのため、ライブ配信動画は再生回数が伸びにくいというデメリットがあります。
YouTubeのライブ配信でスーパーチャットを設定する方法
「スーパーチャット(Super Chat)」はYouTubeのライブ配信で利用できる投げ銭システムです。いくつかの条件を満たすことで、スーパーチャットの設定が可能となります。
スーパーチャットを設定できる条件はこちらです。
- YouTube パートナー プログラムのメンバーであること
- 直近12カ月間で有効な公開動画の総再生時間が4,000時間以上であること
- チャンネル登録者数が1,000人以上であること
- 18歳以上であること
- スーパーチャットが提供されている地域に住んでいること
上記条件を満たした上で、下記設定を行う必要があります。
- 「YouTube Studio」にログイン
- 左側のメニューから「収益受け取り」をクリック
- ダッシュボードメニューで、「Supers」→「使ってみる」をクリック
- 画面の指示に従い、完了
すべての手続きを完了すると「Super Chat は有効になっています」と表示されます。
YouTubeのスパチャの意味とは? やり方や手数料、最高額、色分けなど解説
YouTubeライブ配信は、誰でも簡単に始められる!
リアルイベントが行えないときや、十分に編集した動画をすぐに用意できないときなどに、YouTubeライブ配信は視聴者を楽しませる一つの有効な手段となります。
通常の動画投稿よりも視聴者との密なコミュニケーションをとれることもあり、YouTubeで人気を集めたいとき、より視聴者との関係値を深めたいときなどにも有効です。
自身のコンテンツに合わせて、ぜひYouTubeライブ配信を有効活用してみてください。
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