いわゆる「メール」は、インターネット黎明期から存在するサービスのひとつです。ArchieやGopherといったサービス/プロトコルが姿を消す中、メール転送用プロトコルのSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)はいまなお第一線で活躍中です。
しかし、メールの"作法"は多少変わりました。メールで扱える文字はASCIIコード(7bit文字)のみ、とインターネット技術標準を定めるRFC文書で定義されていることから、かつて日本語メールは7bitで表現可能なJISコード(JIS-2022-JP)で記述すべしとされていましたが、現在ではUTF-8が使われるケースも増えています。
メールを閲覧する環境も変わりました。かつては横幅の広いディスプレイで閲覧されることが暗黙の了解でしたが、現在ではスマートフォンの縦長画面で見る機会が増えています。そのぶん1行に表示できる文字数が少なくなり、収まりきらないときには妙な位置(行頭付近など)で改行されてしまいます。
RFCではメール本文中の1行の長さを1,000バイト以内(改行コード含む)と定めているため、2バイトで表現するかな/漢字は499字が1行あたりの最大字数です。しかし、符号化された行は76字ごとに改行されるという規則(RFC 1521)があるため、76字/2バイト換算で38字が1行あたりの最大字数となります。iOSのメールアプリは38字で自動改行しないものの、RFCに忠実に従えばそうなります。
iPhone 13 Proの縦長画面で読まれることを前提にすると、初期設定のテキストサイズでは2バイト換算で21字が最大字数です(HTMLメールを除く)。そこで1行を22字にすると、21字を過ぎた位置で自動改行されるため、次の行は1字のみというバランスの悪いレイアウトになってしまいます。画面が小さい他端末のことも考慮すると、メールを作成するときには19、20字あたりで改行するよう心がけていれば、妙な位置での改行に悩まずに済むはずです。
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妙な位置での改行を防ぐには